食品安全情報blog過去記事

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日光UVの皮膚傷害は日陰でも続く

Behind the headlines
Sunlight UV damage to skin persists even after dark
Friday February 20 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/02February/Pages/Sunlight-UV-damage-to-skin-persists-even-in-the-dark.aspx
Guardianが「紫外線は暴露後も細胞を傷つけ続けることができるので、すぐに日陰に隠れても日焼けによる傷害は続く」と報道した。紫外線は皮膚細胞のDNAを傷つけ、悪性黒色腫のリスクを増やすことが知られている。その生物学的メカニズムを調べる目的の研究が行われた。研究者らは色素を作るマウス皮膚細胞(メラノサイト)を用いて、傷害プロセスにメラニンが関与していることを見いだした。紫外線をあてるとメラニンはシクロブタンピリミジン二量体(CPDs)と呼ばれる小さな分子を作る。CPDsはDNAらせんを構成する部品の間に異常な結合を作る。これらCPDsは紫外線に当てた時に作られるが、研究ではCPDs生成が紫外線照射を止めてから(暗闇で)3時間以上経っても続くことを示した。その後DNAの修復が始まる。
ヒトのメラノサイトでも調べ同様であったが影響の変動幅は大きかった。ヒトでの状況が全く同じかどうかは明確ではない。
全体として、この知見は日光にあたりすぎることのリスクを再確認する。太陽は巨大な核融合炉で放射線を放出していることを忘れがちである。従って皮膚がんリスクを減らすために日光対策をするのが重要である。日光によるビタミンD合成のメリットを得るために日焼けをする必要はない。