食品安全情報blog過去記事

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キウイダイエット錠剤の宣伝−専門家の反応

SMC
Kiwi diet pill claims – experts respond
February 20th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/02/20/kiwi-diet-pill-claims-experts-respond/
新しいニュージーランド産ダイエット製品の販売業者が、彼らの最新臨床試験で効果が確認されたと宣伝しているが、専門家は真に効果を示すにはもっと厳密な試験が必要だという
Tuataraナチュラルプロダクツ社の開発したブドウとキウイの抽出物の混合物であるSatisfaxが消化を遅くして少ない量でも満腹感を得られる減量製品と宣伝されている。この夏メディアがTuatara の“100 Fat Mates”試験を報道している。
Tuatara社が100人の過体重のヒトに8週間使用してもらった結果をプレスリリースしている。それによると多くのヒトが食べる量が減って運動する量が増えたと報告し、8週間完了した52人のうち46人が体重が平均3kg近く減ったという。
SMCは以下の専門家のコメントを集めた
オークランド大学国立ヘルスイノベーション研究所上級研究員Andrew Jull准教授
この種の試験は初期のもので規制機関が有効性を認めるのに受け容れる種類のものではない。対照群がないことや100人のうち81人のデータしか使っていないなど問題がある。
オークランド大学統計学教授Thomas Lumley
この試験は対照群がなくマスキングされていない。結果の一部は何か新しいことをしたことと期待による。対照群が必要な理由はそこにある。また期間も重要で、FDAガイドラインでは減量についての評価は1年の時点で行うことを薦めている。プレスリリースはさらに悪い。参加者のうち52人だけの平均と最もうまくいった26人の平均を出しているがそれは参加者の平均ではない。この試験については1月にも新聞で報道され、バイアスを修正して解析すると言っていたがこのプレスリリースではそのことに触れてもいない。
この結果は次の試験に進む理由とはなるがこれを成功だと宣伝するのは間違っている。