食品安全情報blog過去記事

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野菜と魚の多い食事は大腸がんリスクを減らすかもしれない

Behind the headlines
A diet rich in veg and fish may reduce bowel cancer risk
Tuesday March 10 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/03March/Pages/A-diet-rich-in-veg-and-fish-may-reduce-bowel-cancer-risk.aspx
「ペスクタリアン(魚菜食主義者)になると大腸がんから守られると新しい研究が示唆する」とMail Onlineが報道した。この米国の研究では主に魚と野菜を食べ肉は少量の人々の大腸がんリスクが有意に低いことを見いだした。この研究では7万人の北米セブンスデー・アドベンティスト信者を7年フォローした。菜食主義の食生活と大腸がん発症リスクの関連を調べた。ベジタリアンの食生活として4種類を調べた。
・ビーガン−肉・卵・乳製品・魚を月に一回以下(厳格なビーガンではない)
ラクトオボベジタリアン−ビーガンより卵とミルクを多く食べるが肉は月一回以下
・ペスコベジタリアン−魚を月に一回以上食べるがその他肉は月一回以下
セミベジタリアン−魚と肉を月に一回以上週に一回以下食べる
この定義は一般的なベジタリアンが真のベジタリアンと考えるものではない。
全体として、研究者はこれらベジタリアンの食生活はベジタリアンでないヒト(週に一回以上肉や魚を食べる)に比べて大腸がん合計のリスクは少なかった。しかしながら各ベジタリアンのカテゴリー毎に分けると、有意差があったのはペスコベジタリアンのみであった。
特定の食品や食生活とその帰結との関連を同定するのは難しい。他の健康やライフスタイル要因の影響を全て取り除くのが困難だからである。このことは、この研究が魚を食べることが大腸がんリスクを下げることを証明したわけではないことを示す。
それでもこの結果は他のこれまでの研究と同じである−赤身肉や加工肉を多く食べる食生活が大腸がんリスクを上げるという根拠はしっかりしている。