食品安全情報blog過去記事

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中年太りは「認知症リスクを下げるように見える」

Behind the headlines
Middle-age spread 'seems to reduce dementia risk'
Friday April 10 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/04April/Pages/Middle-age-spread-seems-to-reduce-dementia-risk.aspx
BBCニュースが「過体重は「認知症リスクを下げる」」と報道した。この話は40才以上の英国成人約200万人のコホート研究による。過体重または肥満と、最大20年後の健康体重の人と比べた認知症リスクの低さが関連することを示した。低体重の人は認知症リスクが高かった。この結果は肥満はある種の認知症のリスク要因である可能性があるという現在のコンセンサスと矛盾するため驚くものである。科学の伝統通り、この研究は答えより疑問を多く提示した。しかし肥満に関連する重大な健康リスクを見過ごさないことが重要である。著者の1人のQizilbash博士が正しく指摘しているように、この知見は「体重増加の言い訳にしたりエースターエッグをたくさん食べることを正当化するのに使ってはならない。もし保護作用があったとしても(太りすぎたら)そのメリットを得るまで長生きできないだろう」。
結論としては単一の研究で臨床ガイドラインが変わることはないがこの問題についてはさらなる研究が必要であろう。
(メディアの見出しは「痩せすぎ危険」と「太ってもいい」の二通りがあって、問題があるのは後者という判断。)