食品安全情報blog過去記事

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食品中の化学物質のデータ:一般の人向け年次概要

Data on chemicals in food: an annual overview for the general public
14 April 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/150414.htm

時々食品や飲料に痕跡程度の化学物質が検出される:果物や野菜の農薬、肉や他の動物由来製品の動物用医薬品、各種食物の環境汚染物質。定期的な管理は食の安全規則や基準を守っていることを保証し、潜在的なリスクから消費者を守る助けとなる。だが、食品中のこれらの物質濃度はどれほど高いのか、既存の公的基準値を超えているのではないか?
EFSAの新しい報告書は、毎年のEU全域の食品中の化学物質濃度の監視結果からのバランスのとれた見解を非専門家に与えることを目的としている。この報告書では食品中に検出された化学物質がメディアに報告される際に時として欠けている文脈を提供している。たとえば、欧州中から集めたデータのEFSAの分析によると、公的基準値の超過はどちらかといえば例外だと示されている。
欧州委員会の健康と食品安全の長官を務めるLadislav Miko氏は述べた:「この新しい報告書は、欧州の人々がさらに利用しやすく理解しやすい方法で食品に関する複雑な科学的データを説明することを目的とした。私はこの、食品に何が入っているかを心配する人にとって重要な問題についての新しい報告方法を大変歓迎しており、将来はEFSAからこの種の食品情報をもっと知ることができるよう期待している。」

欧州規模の化学物質データ収集に関する協力
EFSAの執行役員であるBernhard Url氏は述べた:「欧州連合全域で植物・動物・食品・飲料の化学物質についてのデータを収集、監視、分析するために地方、国家、欧州レベルで努力している。EFSAはこれらの活動の多くで情報の中心として活動しており、科学的評価のためにより多くのより良いデータが入手できるよう、それらを調整しハーモナイズしている。
これらのデータは食品安全や公衆衛生に責任がある国家及び欧州当局の意思決定に科学的根拠を提供している。それらは既存の管理効果の測定や、新しい安全評価や管理方法が必要となった場合に将来の研究費やデータ収集活動にとっての優先順位を設定することにも役立っている。
委員会は食品中の残留農薬、動物と動物由来食品の動物用医薬品残留物に関して、毎年行っている重要な作業にスナップショットを含めることをEFSAに求めた。さらに、食品中の化学汚染物質についての最近の特別報告結果も含むべきである;その結果、この報告書の第一号でも、食品と飲料水のヒ素アルコール飲料のカルバミン酸エチルに関する最新データ収集作業を要約している。
Url氏は付け加えた:「この報告書は2014-2015年の化学物質に関するEFSAのデータ作業のいくつかの概要が含まれており、特に一般の人々へEFSAの役割を強調する最初の報告である。我々は食の安全性問題に興味のあるEU市民がこれを役に立つ知見に富むものだと理解してくれるよう期待している。
・食品中の化学物質2015:データ収集報告の概要
http://www.efsa.europa.eu/en/corporate/pub/chemfood15.htm

背景
・EFSAのような科学的リスク評価者は、可能であれば安全な摂取量を設定することにより食品中の化学物質の潜在的な有害影響から守るのに役立っている。この科学的助言は、食品の化学物質の使用を規制したりフードチェーンの化学物質の存在を制限しようと努めている意思決定者に情報を提供する。EFSAの作業は、継続中の欧州全域の地方、国家、欧州機関のデータ収集努力なしではありえなかった。
・食品中の化学物質に関するデータ収集と報告活動はもちろん、フードチェーンの細菌、菌類、酵素、ウイルスのような潜在的な生物学的汚染物質に関する定期的な報告もEFSAは製作している。
(概要のトピックスはコメのヒ素。特に小さい子どもでリスクが高いことを一般向けにはっきり示している)