食品安全情報blog過去記事

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飼料中のニッケルの存在に関する動物と公衆衛生と環境へのリスクについての科学的意見

Scientific Opinion on the risks to animal and public health and the environment related to the presence of nickel in feed
EFSA Journal 2015;13(4):4074[76 pp.]. 20 April 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4074.htm
飼料中には天然と人工源からニッケルが含まれることがある。さらに製造の際の触媒として利用されるので、ある種の飼料原料は金属ニッケルを含む。飼料由来のニッケルの有害影響は、牛、豚、ウサギ、アヒル、魚、イヌ、ニワトリ、馬、羊、ヤギ、ネコには起こりそうもない。平均的な集団の動物由来食品のみによるニッケルの現在の慢性暴露量では、若い集団、特に「幼児」に懸念の可能性がある。高い暴露集団(95パーセンタイル)では「その他の子供」の年齢層にも懸念が広がった。食事からの急性暴露では、ニッケルに感受性の高い人は動物由来食品を摂取することで湿疹様の皮膚反応を起こすリスクもある。そのため動物由来食品からのニッケルの食事暴露への寄与は、特に高暴露年齢層では過小評価するべきではない。動物用飼料に存在することによる肥料から環境への放出は、農耕用土壌に堆積するニッケルや環境への主な寄与要因ではない。