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ベンゾフェノンとパーフルオロ化合物暴露量は安全なレベル 

食品危害評価課 2015-04-10
http://www.mfds.go.kr/index.do?mid=675&pageNo=2&seq=27160&cmd=v
食品医薬品安全処はベンゾフェノンとパーフルオロ化合物に対する韓国民の暴露水準を調査した結果安全な水準だと発表した。
今回の調査は食品、化粧品など多様な産業分野に使われて人体暴露頻度が高く、内分泌系障害などが懸念される化学物質に対する国民の暴露量を把握して、リスク評価をするための基礎資料として活用するために実施した。
ベンゾフェノンについては、性、年齢を考慮して人口構成比によって2,000人を対象にベンゾフェノン6種に対して尿中含量を調査した。
※ 調査対象ベンゾペノン6種: ベンゾフェノン-1、ベンゾフェノン-2、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-8、4-ヒドロキシベンゾフェノン
パーフルオロ化合物については2011年から成人と青少年、子供約777人を対象に血中濃度とこれらをしばしば含む食品約50種の含量を調査した。
※ 調査対象パーフルオロ化合物17種: PFOS、PFOAなどパーフルオロ化合物誘導体
※調査対象者: ‘11年: 299人大人、‘12年:178人子供及び大人、‘14年:300人学生
ベンゾフェノン6種の平均検出率は34.6%で、全体濃度は9.85μg/lで性別と年齢による大きな違いはなかった。
○ベンゾフェノン-1(検出率:59.6%)、ベンゾフェノン-2(検出率:2.94%)、ベンゾフェノン-3(検出率:24.7%)、ベンゾフェノン-4(検出率:14.4%)、ベンゾフェノン-8(検出率:11.5%)、4-ヒドロキシベンゾフェノン(検出率:94.6%)の平均濃度はそれぞれ1.20、0.33、6.19、1.37、0.43、0.33μg/lだった。
○ ベンゾフェノン類の中でも最も多く使用されているベンゾフェノン-3は調査対象者4人中1人の割合で尿から検出され平均濃度も一番高い。
ベンゾフェノン-1と4-ヒドロキシベンゾフェノンは尿中平均濃度は高くないが検出率が高い。これはベンゾフェノン-3の代謝体だからと判断される。
韓国民のベンゾフェノン-3の暴露量はアメリカ疾病管理本部(CDC)国民健康栄養調査結果(‘10)の22.3μg/lと比べると約1/4で、ベルギー、中国とは同等水準である。
ベンゾフェノン6種の総含量で安全性を評価した結果、許容量(TDI)の0.7%以下でベンゾフェノン及び代謝体暴露による健康影響の懸念はないと評価された。

パーフルオロ化合物の場合血中からはPFOSとPFOAが主に検出され、諸外国で報告されたように年齢が高いほど増加した。
血中PFOS濃度は年令別で6-12歳(6.58μg/l)、13~19歳(3.57μg/l)、20代(6.10μg/l)、30代(7.83μg/l)、40代(11.5μg/l)、50代(15.8μg/l)、60代(21.0μg/l)で、血中PFOA濃度は年令別で6-12歳(5.15μg/l)、13~19歳(2.82μg/l)、20代(4.99μg/l)、30代(6.04μg/l)、40代(8.23μg/l)、50代(10.2μg/l)、60代(11.1μg/l)で青少年期以後高くなった。
これはパーフルオロ化合物が難分解性物質で残留性が高く体内に蓄積される可能性があるためである。
食品中パーフルオロ化合物含量は2011年から2014年まで実行した研究でPFOSは不検出~2.10μg/kg、PFOAは不検出~3.04μg/kgだった。
食品モニタリングによるパーフルオロ化合物の安全性を評価した結果、TDIに対してPFOSは1.67%以下、PFOAが0.30%以内で非常に安全な水準であった。