食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ACSの動画シリーズ

あなたの電子レンジは危険ではない
No, Your Microwave Isn't Dangerous - Food Myths #1
https://www.youtube.com/watch?annotation_id=annotation_748541879&feature=iv&src_vid=lhYFxsUqLD0&v=0yi6EzAK66s

冷凍した野菜は健康的でない?
Are Frozen Veggies Less Healthy? - Food Myths #2
2015/05/25
https://www.youtube.com/watch?v=lhYFxsUqLD0

ついでに
Food Babeが電子レンジについての愚かなポストを取り下げた−科学の勝ち
The Food Babe Took Down Her Goofy Microwave Oven Post - Science Win
By Hank Campbell | July 20th 2014
http://www.science20.com/cool-links/the_food_babe_took_down_her_goofy_microwave_oven_post_science_win-140892
ちょっと古いものなのだが電子レンジが悪いという投稿の根拠がDr. Masaru Emotoの“Hidden Messages in Water,”(水からの伝言
電子レンジで加熱した蒸留水は「サタン」と呼びかけた場合と同じ結晶を作る、って・・。
英語版の本にもアマゾンの星5つつける人たちがたくさんいて、こういう人たちの声で食品企業が製品を変えていくのは恐ろしい

  • 世界的に新たにがんと診断される人は増えているが死亡率は多くの国で減っている

New cancer cases rise globally, but death rates are declining in many countries
28-May-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-05/ifhm-ncc052715.php
JAMA Oncologyに5月28日に発表されたThe Global Burden of Cancer 2013

In Vietnam, an anatomy of a measles outbreak
Leslie Roberts
Science 29 May 2015: Vol. 348 no. 6238 p. 962
昨年ベトナムでここ数十年で最悪のはしかの流行がおこり、3万人が疑い症例、15000人が確定、146人の子どもが死亡した。
ベトナムは戦後子どもの定期予防接種で95%のカバー率を達成し最大の成功の一つだった。ただしマイノリティや貧困層では50程度と低かった。
要因の一つは信頼の低下で、2012年と2013年に5つの疾患のワクチンであるQuinvaxem投与後に12人の子どもが死亡した。ワクチンと死亡に因果関係は見つからなかったが、さらに医療従事者がB型肝炎ワクチンの代わりに間違って医薬品を注射して数人の子どもが死亡してワクチンへの信頼が打撃を受けた。この事件で、ベトナムの増加している都市部の中流階級が政府の医療システムへの不信を募らせ、地域全体が子どもへの予防接種を中止した。2014年、はしかが病院を介して広がっていることに気づいた保健大臣は病気の子どもを病院に連れてこないよう要請したが、死者が増えパニックになった保護者は病院に押し寄せ続けた。4月後半までに約140人の子どもが、多くは肺炎発作の繰り返しで、病院で死亡した。
10月にはWHOとUNICEFの援助を受けて全国予防接種キャンペーンを行った。最初のステップは信頼の回復だった。
2015年は散発事例数例しか報告されていないがウイルスはまだいる。そしてハネムーンは決して続かない

  • 次ははしか?

Is measles next?
Leslie Roberts
Science 29 May 2015: Vol. 348 no. 6238 pp. 958-963
はしか根絶のために努力するCDCのSteve Cochiの物語

  • 絶滅危惧味覚リスト

The endangered palates list
Christina Larson
Science 29 May 2015: Vol. 348 no. 6238 p. 954
気候変動は風味により好まれている作物を脅かしている。最も影響されやすいもののうちいくつかを示す
コーヒー:2°Cから 2.5°Cの気温の上昇はアラビカの収穫を大きく減らすだろう
ココア:温暖化で西アフリカの干ばつが増えると収量が減るだろう
メープルシロップ:北米東部の温暖化は樹液の採れる季節を短くするだろう
チェリー:チェリーは特に気温の激しい変化に弱い
煙草:CO2の多い環境で育つとニコチン含量が減る

  • 気候変動の影響をお茶の葉で読む

Reading the tea leaves for effects of climate change
Christina Larson
Science 29 May 2015: Vol. 348 no. 6238 pp. 953-954
モンタナ州立大学の民族植物学者Selena Ahmedは中国雲南省のお茶の葉の成分に気候変動がどう影響するかを解析している。お茶の味に関係する複雑な化合物の混合は、収量よりも敏感に気候変動の影響を示す可能性がある。

  • 環境のためではなく、楽しみのために昆虫を食べよう

Natureコラム
Eat insects for fun, not to help the environment
27 May 2015
http://www.nature.com/news/eat-insects-for-fun-not-to-help-the-environment-1.17630
昆虫は優れた蛋白源であるが人々はそれが魅力的だと思った時しか食べないだろう、とOphelia Deroyは言う
持続可能な未来のために、昆虫食に関心が集まっている。今月初め、前国連事務総長のKofi Annanが新聞The Guardianに対して「昆虫食は環境とバランスのとれた食事にとって良い」と語った。これは広く知られた2010年のFAOの報告書の見解を支持している。これまでのところこのメッセージが受けいれられている兆候はあまりない。西洋人を昆虫食者に変えるには多くの課題がある。
昆虫を食べている人は既にたくさんいる。西洋の政策決定者やメディアはしばしば彼らがやっているなら我々ができないことはないだろうという合理的理由をもって昆虫を食べることの心理的障害を乗り越えようというメッセージを送る。しかしこの戦略が有効であるという根拠はあまりない。むしろ合理性や責任を強調すると消費者のジレンマを強化する可能性がある:多くの人は昆虫は基本的に食べられることを知っていて、多分食べるべきだと思っていて、でも喜んで食べたい人はあまりいない。
嫌悪感と戦うことよりも美味しさを考えるべきだ。調理やレシピを強調すべきだ。

  • Pete Evansの新しい料理本の最も馬鹿げたレシピ

The most ridiculous recipes in Pete Evans’ new cookbook
May 28, 2015
http://www.news.com.au/lifestyle/parenting/the-most-ridiculous-recipes-in-pete-evans-new-cookbook/story-fnet08ui-1227372972882
Pete Evansの赤ちゃん用原始人料理本Bubba Yum Yumが、出版社が出版取りやめ後、電子ブックとして発表された
その馬鹿げたレシピの紹介
批判が多かったのはレバーと骨の煮汁と油で作った赤ちゃん用ミルクだが、タマネギを痛み止めにするとか
(そんなもの紹介しなきゃいいのに)

BBC
Smoking ban in England 'cuts child hospital admissions'
http://www.bbc.com/news/health-32918513
European Respiratory Journalに発表された研究によるとイングランドで2007年に禁煙が導入されてから数千人の子ども達が重大な病気や病院での治療から救われた。
屋内の公共の場所での禁煙により毎年肺の感染症による子どもの通院が11000人少なくなった。

  • いかにして巨大煙草企業が世界の健康を傷つけているか

How Big Tobacco Hurts World Health
by John Swartzberg, M.D. | May 31, 2015
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/environmental-health/health-care-policy/article/how-big-tobacco-hurts-world-health
米国や西洋の市場が縮小したとき、煙草企業が何をしたか?最も貧しい国々に、最も狡猾な方法で、新しい市場を開拓した。
今年のWHOの世界禁煙デー28回目に、巨大煙草企業がいかにして世界で最も脆弱な人々の健康を意図的に損ねてきたかを見てみよう。
例えば中国。世界最大の煙草生産国のひとつで、国の煙草専売局が運営し国の歳入の7.6%を得ている。世界の喫煙者の1/3が中国人で毎年100万人の中国人が煙草で死亡している。収入のために政府は禁煙対策を最近までとっていなかった。喫煙による医療費の増加により公衆衛生教授などが政府に課税強化を要請できた。しかし中国煙草企業はサハラ以南のアフリカ諸国を次の標的にした。2003年から2012年の間にアフリカの煙草栽培は66%増加した。貧しい国は煙草を重要な収入源だとみなし煙草企業は栽培により貧困を救うという。しかし本当か?煙草の栽培で潤うのは中国政府である。アフリカの貧しい小規模農家は煙草企業からのローンで種や肥料を買い、決まった値段で煙草の葉を売る。農家の得るものは食用の作物を栽培した場合より少ない。煙草はマラウイの年間利益の60%になりGDPの13%である。政府には禁煙のための財政的インセンティブがない。
このサイクルは止めることができる。WHOや大規模財団が煙草の代わりになる食用作物を援助することで。我々は煙草生産国を食糧生産国に変えることができるはずだ。