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カフェインの安全性についてのFAQ

FAQs on the Safety of Caffeine
27 May 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/faqs/faqcaffeine.htm
1.EFSAの評価がカバーしているのは何?
EFSAのカフェインの安全性に関する科学的意見は食品サプリメントを含む全ての食事源からのカフェイン摂取の有害健康影響の可能性を検討した:
・一般的な健康な集団と子ども、青年、成人、高齢者、妊婦、授乳中の女性、運動している人などの特定集団で;
・「エネルギードリンク」に存在する他の物質(D-グルクロノ-γ-ラクトン 及びタウリン)、アルコール、p-シネフリンとの組み合わせ。
以下については考慮しない:
・病気や健康状態に問題のある集団グループ;
・医薬品および/または依存性薬物の組み合わせ;
・それだけで健康リスクとなるアルコール量との組み合わせ(たとえば妊娠中、大量の飲酒)

2.私たちはどのくらいカフェインを摂取している?
加盟国ごとに一日の平均摂取量は異なるが、次の範囲内である:
後期高齢者(75歳以上)22-417mg
高齢者(65-75歳) 22-417mg
成人(18-65歳) 37-319mg
青年(10-18歳) 0.4-1.4mg/kg bw
子供(3-10歳) 0.2-2.0mg/kg bw
幼児(12-36か月) 22-417mg

EFSAの食品摂取データベースがカバーする多くの調査では、コーヒーが総摂取量の40%〜94%に寄与する成人のカフェインの主な摂取源だった。アイルランドと英国では紅茶が主な摂取源で、総カフェイン摂取量のそれぞれ59%と57%に寄与していた。
青年では総カフェイン摂取量に様々な食品が寄与し、国ごとに大きな違いがある。6つの調査ではチョコレートが主な貢献者で、4つの調査ではコーヒー、3つではコーラ飲料、2つでは紅茶。多くの国ではチョコレート(ココア飲料も含む)が3〜10歳の子供の主なカフェイン源で、紅茶とコーラ飲料が続く。
消費量の違いの一つの理由は―文化的な習慣以外に―食品生産に使用されるカフェインの濃度の違いである。コーヒー飲料中の濃度は製造過程、使用されるコーヒー豆の種類、淹れ方(たとえばドリップコーヒー、エスプレッソ)による。ココアベースの飲み物の濃度は様々なブランドに含まれるココアの量と種類による。

3.EFSAはどのように摂取量を計算したのか?
始めに、EFSAは様々な食品のカフェイン量を計算するために英国で実施された調査を使用した。この調査は400の紅茶やコーヒーのカフェイン濃度に関する情報を含んでいる―包装していない茶葉、ティーバッグ、自動販売機、インスタント紅茶、フィルターコーヒー、自動販売機、エスプレッソ、インスタントコーヒー―家や職場で淹れた、カフェや他の小売店で買った。英国の調査がカフェイン濃度を報告していない食品には、「エネルギードリンク」については最も人気のあるブランドのカフェイン濃度(1リットルあたり320mg)が選ばれ、それ以外は他の代表的な調査で報告された中間値の平均が使用された。
その後EFSAの食品摂取データベースを使って食品と飲料からのカフェイン摂取量を計算した。このデータベースは66531人の参加者を含む欧州22ヶ国の39調査のデータを含んでいる。この調査はカフェイン含有食品サプリメントの摂取についての情報は提供しない。成人の「エネルギードリンク」からの急性カフェイン摂取用を計算するのには2013年のEFSAの報告書が使用された。

4. 摂取しても安全なカフェイン量は?
入手可能なデータに基づき、EFSAの食品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)は次の結論に達した:
成人
・カフェイン一回最大200mg―全ての摂取源からの体重kgあたり約3mg (mg/kg bw)は一般的に健康な成人集団には安全性の懸念は生じない。同じカフェイン量は通常の環境状況で激しい運動の前2時間以内に摂取した時には安全性の懸念は生じない。妊婦や激しい運動に取り組む中年/ 高齢者対象の入手可能な研究はない。
・100mgのカフェイン一回量(about 1.4mg/kg bw)は睡眠時間に影響を与えるかもしれない。特に寝る時間近くに摂取した時。
・一日を通して一日当たり最大400mg(約5.7mg/kg bw/日)摂取しても妊婦以外の一般的な集団の健康的な成人には安全性の懸念は生じない。

妊婦/ 授乳中の女性
全ての摂取源から一日を通して最大200mg消費しても胎児の安全性に懸念は生じない。

子供と青年
成人に懸念がないとみなされているカフェイン一回量(一日当たり3mg/kg bw)を子供に適用しても差し支えない、なぜなら子供と青年のカフェイン「クリアランス率」は少なくとも大人と同様であり、子供と青年の不安や行動に関する入手可能な研究はこの量を支持している。一日当たり3mg/kg bwは子供と青年の習慣的なカフェイン摂取安全量としても提案されている。

5. 様々な種類の食品と飲料にはどのくらいカフェインがある?
カフェイン含有量と一人前の量は国ごとに異なるが、役に立つガイドラインとして次の量をあげる:
エスプレッソ一杯(60ml) 80mg
フィルターコーヒー1カップ(200ml) 90mg
紅茶1カップ(220ml) 50mg
コーラの標準缶(355ml) 40mg
「エネルギードリンク」標準缶(250ml) 80mg
プレーンチョコレートバー(50g) 25mg
ミルクチョコレートバー(50g) 10mg
全ての数字は概算で国ごとにカフェイン含有量や一回分の量は異なる

6. カフェインは「エネルギードリンク」の他の成分やアルコールと一緒に摂取すると有害影響がある?
「エネルギードリンク」に一般的に含まれる濃度の他の成分の摂取は、最大200mgのカフェイン一回量の安全性に影響しない。
約0.08%の血中アルコール含有量につながる最大約0.65g/kg bw量のアルコール摂取―多くの国で運転に適さないと考えられている量―は最大200mgのカフェイン一回量の安全性に影響を及ぼさない。最大この摂取量まで、カフェインはアルコールの酔いの主観的知覚を紛らわしそうもない。