食品安全情報blog過去記事

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コメとコメ製品のヒ素

Arsenic in Rice and Rice Products
18.06.2015
http://www.bfr.bund.de/cm/349/arsenic-in-rice-and-rice-products.pdf
ヒ素は土壌のあらゆるところに様々な濃度で存在する。コメのような穀物には他の穀物より多くの無機ヒ素化合物が含まれることが知られている。コメのヒ素濃度は土壌や灌水中の濃度、品種、調理法などのようないくつかの要因に依存する。無機ヒ素化合物を長期にわたって摂取すると、比較的微量であっても各種臓器に障害をもたらす。飲料水からの無機ヒ素の摂取は疫学研究では皮膚疾患とある種のがんのリスク増加に関連する。このため国際委員会は無機ヒ素をヒト発がん性があると分類している。無機ヒ素の発がんメカニズムは完全にはわかっていないのでがんのリスクを上げない安全な摂取量を設定することができない。従って食品中の無機ヒ素は、完全に避けることはできなくても、どんな量であっても望ましくない。
監視を行っている地方当局による検査により、コメとライスケーキや乳児用クリームライスのようなコメ製品には比較的高濃度の、毒性学的観点からは重要な、無機ヒ素が含まれることが確認された。これらの知見はEFSAや他のEU加盟国の当局による知見と一致する。BfRは連邦食品農業省の依頼で各種消費者集団でのコメとコメ製品の無機ヒ素摂取による健康リスクを評価した。
MOE概念を用いて評価を行い、BfRはがんのリスクについての健康への懸念があると結論した。従って食品中の無機ヒ素濃度はALARA原則に従って削減すべきである。
BfRはコメと米井製品からの無機ヒ素化合物の暴露量を減らす可能性について検討を薦める。データからはある種のコメ製品の濃度はコメ穀物より高い。この原因は明らかにすべきである。これらの製品のヒ素濃度を最小化するための選択肢を評価すべきである。さらにコメ製品の摂取量データを更新し、特に小さい子どもの現実的な暴露推定をすべきである。
リスクプロファイルは
健康被害の可能性はある
その被害は重大で不可逆である
データの信頼性は中程度
消費者にはコントロールできない
意見のフルバージョンはドイツ語
http://www.bfr.bund.de/cm/343/arsen-in-reis-und-reisprodukten.pdf
子ども平均Moe 9-500
95パーセンタイル 2-143
高齢者 平均 37-1000
12-320