食品安全情報blog過去記事

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Natureニュース
Anti-ageing pill pushed as bona fide drug
Erika Check Hayden
17 June 2015
http://www.nature.com/news/anti-ageing-pill-pushed-as-bona-fide-drug-1.17769
規制機関が加齢を治療可能な病態だとみなすよう求められる
6月24日に、研究者らがFDAの規制担当者らと加齢を遅らせて健康寿命を延ばす医薬品の臨床試験について話し合う。メトホルミンを加齢性病変をもつあるいはリスクのある数千人に投与する計画で、メトホルミンが糖尿病の薬であるため2型糖尿病患者は除く。もし加齢が医薬品で治療可能な病態であると考えられれば研究は進み資金も集まるだろう。
ニューヨークのアルバートアインシュタイン医科大学の医師Nir Barzilaiらはこの試みを、不死への挑戦だという主張は否定する。永遠の若さを求めているとみなされることはこの分野がいかがわしい無責任なものだとみなされることにつながる。そうではなく、高齢者の健康でいられる時間を長くするのが目的である。
メトホルミンは肝臓でのグルコース産生を抑制してインスリン感受性を増す薬で既に60年以上使用されていて安全であり、線虫や一部のマウスで寿命を延ばすことが報告されている、糖尿病患者では心疾患やがん、認知機能低下を遅らせることが示唆されている。
ワシントン大学Matt Kaeberleinは高齢犬でラパマイシンの試験を行っていてBarzilaiらの考え方を支持している。FDAを議論に巻き込むのは賢いやり方だ。

Inside the New Dietary Guidelines
by Berkeley Wellness | June 08, 2015
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/nutrition/article/inside-new-dietary-guidelines
USDAとHHSは5年ごとに、連邦の栄養政策の基本となり健康と病気予防のための食生活の指針となるアメリカ人のための食事ガイドラインを改定する。ガイドラインは最新のピアレビューのある研究を評価する助言委員会による助言に基づく。
2015年2月にこの専門家委員会が570ページになる報告書を発表した。この中で健康的な食事とは野菜や果物、全粒穀物、シーフード、豆類、ナッツの多い、低脂肪や無脂肪乳製品とアルコールを適度に含み、赤身肉と加工肉を減らした、飽和脂肪、ナトリウム、精製穀物、添加された糖の少ないものであるとした。新しい提案としてはコレステロールは「栄養上の懸念ではない」としたことと添加される糖に総エネルギーの10%の上限を設定したことである。
他に赤身肉と加工肉を特に制限すべきものと名指ししたことにより食肉業界には影響があるだろう。また現在総カロリーの35%に設定されている総脂肪については飽和脂肪にのみ10%の上限を設定して植物油やナッツの油などの健康的な不飽和脂肪は制限しない。ナトリウムについては一般人は1日2300mgを維持。そしてコーヒーについては1日3-5杯、カフェイン400mgまでは健康上の有害影響とは関連しないので健康的な食生活の一部となりうる。
そしてさらに重要なことは、新しい助言は食生活全体を考えて個別の栄養素を強調しないようにしていることである。健康的な食生活にはいろいろなものがある。

  • 調理済みのコメをどこに保存するか

Where to Keep Cooked Rice
by Berkeley Wellness | June 17, 2015
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/where-keep-cooked-rice
Q: 調理済みのコメを室温に置いてもいいか?
A:調理後数時間以内に食べるか冷蔵した方が安全である。コメが病気の原因になることは多くはないが、主にレストランで一晩放置されたことにより、数年で数件のアウトブレイクが報告されている。症状が軽い傾向があるので多くの事例は報告されていない。
未調理のコメにはしばしば土壌由来のセレウス菌汚染があり、この菌は通常の調理では生存する芽胞を作る。調理後のコメが室温で放置されると芽胞が発芽して毒素を産生する。一旦毒素が作られるとその後コメを再加熱しても完全には無毒化できない。