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Frances Oldham Kelsey博士、医師:公衆衛生と患者保護のパイオニア

Frances Oldham Kelsey, Ph.D., M.D.: A Pioneer in Public Health and Protection of Patients
August 11, 2015 by FDA Voice By: Stephen M. Ostroff, M.D.
http://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2015/08/frances-oldham-kelsey-ph-d-m-d-a-pioneer-in-public-health-and-protection-of-patients/
先週我が国は公衆衛生と消費者保護の真のパイオニアを失った。1960年にFDAに参加したFrances Oldham Kelsey博士である。医薬品の安全性と患者保護のリーダーとして世界中に知られる。サリドマイドの販売認可レビューによりFDAの最初の名声の一つを確立した。企業からの絶え間ない圧力にも関わらず、Kelsey博士はサリドマイドを安全上の根拠が不適切なため認可しなかった。結果として米国でこの医薬品は認可されずアメリカ人は悲劇的先天障害や死から免れた。このことが医薬品規制の監視改訂につながった。近代的科学に基づいた医薬品規制時代の幕開けとなり、今につながっている。
さらに彼女は科学の世界での女性の役割についても先駆者であった。
Kelsey博士については100才の誕生日にFDAが記録を作っている
http://www.fda.gov/downloads/AboutFDA/WhatWeDo/History/OralHistories/SelectedOralHistoryTranscripts/UCM406132.pdf
(当時(1960年頃)の臨床試験は質が低く、医師からの報告は科学ではなく体験談、とか書いてある。昔に認可された薬って今とは全く質が違うのに、「医薬品です」とかいって宣伝している某製品はひどいよね。)