食品安全情報blog過去記事

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その他

ScienceInsider
Animal advocacy group targets cat and dog research using novel crowdsourcing campaign
By David Grimm 12 August 2015
http://news.sciencemag.org/policy/2015/08/animal-advocacy-group-targets-cat-and-dog-research-using-novel-crowdsourcing-campaign
普通でないクラウドソーシング技術を用いて何百という公的文書の開示要求を行い、動物愛護団体オハイオ州立大学がNIHの医学研究への犬の使用規則に違反しているという根拠を見つけたと主張し、大学はそれを否定している。ScienceInsiderに提示された根拠は団体の主張とは反対であるが、彼らの全ての犬猫研究を止めさせようとするキャンペーンは始まったばかりである。このキャンペーンは全国の動物研究者の頭痛の種となるだろう。活動家たちは気候変動やGM食品などの議論の多い分野で情報公開法を利用して大学研究者を標的にしている。この動物団体BFPのキャンペーンでは全米の公的研究機関で飼育されている犬猫のリストをウェブサイトに掲載して、一般の人はその1匹を「養子」に選ぶとBFPから「情報公開法による文書の公開請求書式」が送られてきて問題の動物についてのあらゆる情報を請求することになる。一般の人はいくつかの事項を記入して大学に送付し、得られた情報をBFPに返す。BFPはウェブサイトに犬猫の一生の記録を作り、大学に実験中止や動物の解放を求めて圧力をかける。このキャンペーンは始まって数ヶ月しか経っていないが既に1000人以上が実験動物を「養子」にして約100の大学から回答を得ている。

  • グループは議論中の「運動ホルモン」を擁護

Scienceニュース
Group defends controversial 'exercise hormone'
By Kelly Servick 13 August 2015
http://news.sciencemag.org/biology/2015/08/group-defends-controversial-exercise-hormone
イリシンについて、このホルモンを発見した研究質が批判に反応して擁護

  • 世界の食糧供給は厳しい気候によるリスクが増大

ScienceInsider
World food supply at growing risk from severe weather
By Erik Stokstad 13 August 2015
http://news.sciencemag.org/environment/2015/08/world-food-supply-growing-risk-severe-weather
気候変動による作物の価格変動や供給不安定は今後おこりやすくなる、とGlobal Food Security (GFS)の発表した詳細報告書が警告する。
(いつまでも同じものを食べ続けることはできない未来に備えよ、と。)

  • 強力な鎮痛剤が遺伝子組換え酵母でできるようになった−次は違法薬物?

Powerful painkillers can now be made by genetically modified yeast—are illegal drugs next?
http://news.sciencemag.org/biology/2015/08/powerful-painkillers-can-now-be-made-genetically-modified-yeast-are-illegal-drugs

組換え酵母が糖からオピエートを作る
Modified yeast produce opiates from sugar
By Robert F. Service 13 August 2015
http://news.sciencemag.org/biology/2015/08/modified-yeast-produce-opiates-sugar
こっちは科学の中身の話

  • 持続可能性:シーフード廃棄物を無駄にするな

Natureコメント
Sustainability: Don't waste seafood waste
Ning Yan & Xi Chen 10 August 2015
http://www.nature.com/news/sustainability-don-t-waste-seafood-waste-1.18149
捨てられる甲殻類の殻を肥料などに、というシンガポールの科学者からの主張。

  • 裁判所は科学者の論文取り下げを阻止しようとする申し立てを却下

Natureニュース
Courts refuse scientists' bids to prevent retractions
13 August 2015
http://www.nature.com/news/courts-refuse-scientists-bids-to-prevent-retractions-1.18175
米国の裁判所は雑誌への差し止め命令を退ける
American Journal of Clinical Nutritionによる2012年のGM米についての研究論文の取り下げをやめさせようとした訴えは裁判所に却下された。
一般的には裁判所は学術出版に関する問題は、裁判所ではなく科学雑誌で紛争解決すべきという意見を出す

  • 臨床試験の登録はポジティブな結果を消滅させる

Registered clinical trials make positive findings vanish
Chris Woolston 13 August 2015
http://www.nature.com/news/registered-clinical-trials-make-positive-findings-vanish-1.18181
clinicaltrials.govの開始後、ポジティブな結果を示す研究が減ったことを示す研究がソーシャルメディアで注目される
2000年にclinicaltrials.gov登録が始まったことが試験結果の報告に目覚ましい影響を与えたという研究がPLoS ONEに発表され、先週研究者の間で話題になった。
1997年の米国の法律で研究者に対して2000年からは試験を開始する前に試験方法やアウトカムの測定方法などを事前登録することが義務化された。この研究では心疾患治療に関する55の大規模試験で、2000年以前に発表された論文の57%がポジティブだったのに対して2000年以降はたった8%に激減したことを発見した。著者のVeronica Irvinは、このことは臨床試験登録制度はより厳密な研究に導いたことを示唆すると言っている。Steven Novellaはこれについて「歓迎すべき」と言いつつ、同時にこれまでのポジティブな結果に疑いを提起するもので「少し恐ろしい」とblogに書いている。
Irvinと彼女の共著者のAHRQの主任科学者であるRobert Kaplanは、US National Heart, Lung, and Blood Institute (NHLBI)の出資したヒトRCTに焦点を絞った。彼らは研究結果の劇的な変化の主な原因は試験の登録であるようだと結論した。企業の出資の変化や試験方法の変化で説明できるという根拠はなかった。試験を始める前に方法や測定項目について宣言する必要があることで、研究者らは試験が終わった後で都合のいいデータだけを選ぶことができなくなった。研究者が一部の結果のみを報告して他のものを除外するのがより困難になった。
多くのオンライン聴衆はこの登録制度と透明性の明確な力を賞賛している。Novellaは全てのヒト研究はどんなデータを集める前でも登録すべきと書いている。しかしこのことは、古い論文の少なくとも半分は偽陽性であることを意味する。いいかげんな方法が文献の膨大な偽陽性バイアスの原因となっている。
Brian Nosekはこれらのポジティブな結果のその後を調べるのは興味深いだろうと言っている。
IrvinとKaplanはポジティブな結果が減った原因として心血管系医療の改善により新しい治療法のメリットを示すのが困難になった可能性も指摘している。心疾患による死亡が今より多かった1970年代のほうが有効な治療法を見つけるのは簡単だったろう。しかしそれを考慮しても、登録制度が最も強力な影響をもっていた。しかしそれでもバイアスを消すことはできない。たとえ登録された研究でポジティブな結果が報告された場合でも、「健康的な懐疑」をもって見るべきである。あまりにも多くの場合聴衆は見出しと要約しか読まない。結果に臨床的な意味があるかどうかを判断するのは研究の詳細−エフェクトサイズや反応率などの−を吟味してからである。
(これ日本では本当に深刻で、トクホや機能性表示の根拠ほぼアウト。消費者を騙すことにしかなっていない)

  • William RutoはGMOの禁止は二ヶ月以内に廃止すると言う

William Ruto says ban on GMOs to be lifted in two months
Wednesday, August 12, 2015
http://www.nation.co.ke/news/William-Ruto-ban-GMOs--lift/-/1056/2829368/-/wwxu2a/-/index.html
ケニア副大統領William Rutoが水曜日に、GMOについての諮問に結論が出て内閣はこの問題について議論する、と述べた。
我々の農業生産を最大化し医療を改善し環境を保護し国民の生活水準を上げるために、バイオテクノロジー関係各大臣、省庁への相談は済み、必要な規制と安全対策について合意した。ケニアは世界がバイオテクノロジーを利用しているのに遅れない。遺伝子組換えされたもの全てが有害ではない。科学技術は我々を次のレベルに連れて行く。
この発表はナイロビのKenya School of Monetary Studiesで開催された年次バイオセーフティ学会開会式でのもの。
ケニアの科学者はこの国の飢餓対策のためにGM食品の禁止をやめるよう要請してきた。