食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 若いがん患者が「食事で」がんを治そうとして医師の助言を無視している

Young cancer patients are ignoring medical advice and choosing ‘diet-based’ treatment approach
August 21, 2015
http://www.news.com.au/lifestyle/health/young-cancer-patients-are-ignoring-medical-advice-and-choosing-diet-based-treatment-approach/story-fneuzlbd-1227493034176
オーストラリアのトップ腫瘍専門医が、若いがん患者が科学に基づいた治療を拒否して食事でがんを治そうとして死んでいる、と言う
Belle GibsonJess Ainscoughのような「健康ブロガー」がソーシャルメディアで有名になることは代替療法として「排除する食事」を選ぶ患者が増えることを意味する。
Medical Journal of Australiaにメルボルンの医師Ian Hainesが、がん患者には食事でがんが治るという根拠はないことを警告する必要がある、と書く。
しかし絶望的になった影響されやすい患者はすがり続ける。オンラインで病気のことを調べるとセレブや個人の証言が「画期的食事法でがんが治る」と絶え間なく手招きする。
Haines医師はある女性はパイナップルで甲状腺がんが治ったと主張する例を示している。news.com.auの取材に対して、若い患者が彼の助言を無視して死んでいくのを見るのはとても辛い、と語った。
食事でがんを治すという考えが流行するのは新しいことではない。ゲルソン療法を行っていたIan GawlerがGawler財団を作ったのは1984年である。今年3月にJess Ainscoughがゲルソン療法を行って30才で死亡した。Steve Jobsは完全菜食主義ダイエットや鍼やハーブ療法を行って9ヶ月膵臓がんを放置した。しかしBelle GibsonJess Ainscoughはこれらの治療法をパブリックドメインで復活させた。Haines医師はBelle Gibsonのアプリを利用している人の数に驚いた。
Haines医師は人々が医者は製薬会社の差し金で薬物療法しか支持しないと信じていることに不満を抱いている。私の仕事は人々を助けることなのに。

  • 連邦先住民担当大臣は当局が彼にコミュニティでのベジマイト自家醸造問題を警告したのだと言う

Federal Indigenous Affairs Minister says authorities warned him of vegemite home brew problem in communities
August 21, 2015
http://www.news.com.au/national/queensland/federal-indigenous-affairs-minister-says-authorities-warned-him-of-vegemite-home-brew-problem-in-communities/story-fnii5v6w-1227492125753
Nigel Scullion上院議員は今月初めベジマイトを「悲惨の前駆体」と説明した。ベジマイトから醸造した酒を飲んで子どもが学校に行けないほど酔っぱらう地域があるとThe Sunday Mailに話した。この話は世界に広がったが今週Media Watchが製造業者がベジマイトはそんな目的には使えないと否定したと報告した。Scullion議員はこの話はMornington島への旅の間に聞いたという。「フルーツジュースと砂糖とベジマイトで密造酒を造っているという問題があって、ベジマイトは実際には役にたっていないかもしれないが深刻な問題であることに変わりはない」という。

  • 新しい研究によると、「びっくりするような」数の慢性オピオイド患者が死亡している

‘Staggering’ number of chronic opioid patients dying, according to new study
CARLY WEEKS  The Globe and Mail
Published Thursday, Aug. 20, 2015
http://www.theglobeandmail.com/life/health-and-fitness/health/staggering-number-of-chronic-opioid-patients-dying-according-to-new-study/article26036969/
新しいカナダの研究によると、オピオイド鎮痛薬を処方された患者の10人中1人以上が何ヶ月も薬を使用し続け、そのうち相当数が過剰使用により死亡するだろう。
PLoS Oneに発表された研究によると慢性的にあるいは3ヶ月以上オピオイドを使用している男性は350人中1人、女性は850人中1人が結果的に医薬品により死亡するだろう。この数字は、特に男性は、「びっくりするような」ものである
(何故北米は強力な鎮痛剤がそんなに好きなのか?日本人は痛いの我慢するのが好きすぎるような気もするが)

  • ネオニコチノイド種子コーティングとミツバチのコロニー消失との関連の可能性についての専門家の反応

SMC UK
expert reaction to possible link between neonicotinoid seed coating and bee colony losses
August 20, 2015
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-possible-link-between-neonicotinoid-seed-coating-and-bee-colony-losses/
Scientific Reportsに発表された論文でイングランドウェールズにおける特定のネオニコチノイドの使用とミツバチのコロニー消失との関連が報告された。
James Hutton研究所上級昆虫学者でIPPM専門家のNick Birch教授
この新しい論文は予防的種子処理とスプレーあるいは代わりの方法とのトレードオフについてたくさんのおもしろい指摘をしている。農家は費用があまりかからず収量が安定するのであれば収量を安定させるために予防のために喜んで高いお金を払う。
収量についてのデータは年により非常に異なり、これは天候や害虫や作物栽培学が予測可能ではないため普通のことである。地域のイミダクロプリドの使用とミツバチのコロニーの消失は最良でも弱い正の関連である。これらのことはより長期の研究が必要なことを示す。最近EFSAのワーキンググループはミツバチが地形スケールでの複数のストレス要因に晒されており、より現実的なモデルの開発と長期モニタリングプロジェクトが緊急に必要であると結論した。
我々は企業や農家と協力してアブラムシなどの害虫を抑制するが授粉媒介者や天敵に影響の少ない、農家や環境にリスクの少ない生物農薬を探している
Lancaster大学Lancaster環境センターFelix Wäckers教授
Budgeらの論文はネオニコチノイドを使うことの費用対効果を調べている。彼らは大規模長期データを用いてネオニコチノイドの使用とミツバチの死亡率と作物の収量の関連を探った。ネオニコチノイドの使用量が多いところではコロニーの失敗率が高いことを示した。イミダクロプリドと作物の収量との関連はもう少し明確ではない。年により違う。
残念ながらネオニコチノイドの禁止を巡る政治的議論は、費用対効果の計算をますます減らしているようだ。この件についてこの論文は重要な寄与をしている。
Imperial College London 講師Richard Gill博士
Giles Budgeらのこの研究は、菜種のネオニコチノイド種子処理は、ピレスロイドなどの他の農薬の使用回数を減らすことができることを発見した。一方イミダクロプリドのみが養蜂家が報告したミツバチの消失と正の関連があった。これは関連を示したもので因果関係ではないことに注意。クロチアニジンとチアメトキサムでは関連が見つかっていない。
ネオニコチノイドの価値を評価するには、コストと利益の両方を検討することが重要である。悪影響にのみ注目すべきではない
Sussex大学生物学教授David Goulson教授
多くの実験が実験室で行われているが国全体での影響についての初めての根拠である。イミダクロプリドとの関係が示されていて他のネオニコチノイドの影響が見られていないが(新しい農薬なので)まだ十分長く使用されていないためかもしれない。
Dundee大学Reader医学研究所Christopher Connolly博士
この研究はミツバチとネオニコチノイドの議論に重要な寄与をするだろう。良い知らせはネオニコチノイド種子処理は秋の農薬使用を減らすこと、悲しいい知らせはそれが春の花の時期の散布を減らさないことである。
研究の解釈には注意が必要で相関関係は因果関係ではない
Syngenta研究協力部長Peter Campbell博士
この研究を歓迎する。著者は地域の影響と春の天候などのような他の要因がコロニー消失に影響することを明確に示した、それは驚くべきことではない。イミダクロプリド種子処理との関連を示したが英国では2010年以降大きな変化があったため2010年以降も関連があるかどうかは不明である
(病気や虫が出たから農薬の使用量が増えるような場合、農薬使用が収量増と関連しないのは当然じゃないかな?農家の安心料は考慮しないのかな、多少は保険かけたくもなるだろうに)