食品安全情報blog過去記事

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  • 試験の時間

Natureエディトリアル
Testing times
29 September 2015
http://www.nature.com/news/testing-times-1.18453
フォルクスワーゲンの次々に明らかになる物語は、レギュラトリーサイエンスへのより良い出資が必要であることを強調し、規制担当者は規則が機能しているかどうかを監視し続けるべきであると促す。
フォルクスワーゲンのスキャンダルで多くの人が何故規制担当者はそれに気がついて止めなかったのか不思議に思うだろう。答えは複雑なものではなく、業界が規制機関に仕事をしないよう圧力をかけていた。研究者コミュニティはこれがチャンスである。フォルクスワーゲン危機を、より広範な問題:レギュラトリーサイエンスへの資金提供・実施・そして利用、を解決するために使うべきである。
フォルクスワーゲンの事例を明るみに出したのはウエスバージニア大学の代替燃料エンジン排気センターの技術者Daniel Carderらによる小さなチームで、その資金はワシントンのNPOであるICCTによる少額なものである。
米国EPAは今年の研究資金が5億3700万ドルでNIEHSは6億6500万ドル、欧州JRC(公平のために言っておくが既に排気ガス検査の欠陥は指摘している)は3億7100万ドルである。なのにフォルクスワーゲンの問題を指摘したのはたった5万ドルのNPOの資金だった。
企業の規制やレギュラトリーサイエンスについての公の議論では常に「規制改革」が支持される。規制を批判するのは保守だけではなく革新政党も、である。重要なレギュラトリーサイエンスは誰が行うのがベストなのだろう?規制対象の業界に関係のある人たちや「純粋科学」を行っている人たちではない。
レギュラトリーサイエンスにもより資金を提供すべきだし規制機関も規則が履行されているかについてより厳しく問うべきであろう。
(レギュラトリーにお金出せないというのは日本でもそう。全部競争的資金とやらにしたから。研究費以上にヒトがとれないし騒動になるとお金がつくから問題がおこったほうがいいというような構造はおかしい。)

  • 家族にオーガニックを食べさせないトップ20の理由 パート1

The Risk-Monger
The Top 20 Reasons not to Feed your Family Organic! Part 1
September 10, 2015
http://risk-monger.blogactiv.eu/2015/09/10/the-top-20-reasons-not-to-feed-your-family-organic-part-1/
家族にオーガニックを食べさせないトップ20の理由 パート2
The Top 20 Reasons not to Feed your Family Organic! Part 2
http://risk-monger.blogactiv.eu/2015/09/10/the-top-20-reasons-not-to-feed-your-family-organic-part-2/
最近オーガニックロビー団体からお金をもらったママブロガーが、もしあなたが子どもを愛しているのなら、といった恐怖キャンペーンを盛んに行っている。彼らにとっては農薬やGMが悪で母親はオーガニックにすべきなのだ。リスク管理の世界にいる他の全ての人たち同様、私はそのてのものは無視すればいいと思っていた。しかし大手メディアが取り上げ多くの企業のマーケティングマネージャーがFoodBabeのメール攻撃のようなものに屈するのを見て、それらを無視するのは間違いだと考えるようになった。「オーガニックにすべき10の理由」という記事を見て、オーガニックにすべきでない20の理由を書いてみる。
1.値段が高くて質が悪い
2.アフリカで子どもに労働させている
3.収量が少なく土地を多く使うため多様性を減らす
4.オーガニック企業のロビー活動が非倫理的
5.天然農薬はミツバチに有害
6. 天然農薬はヒトに有害
7.味、健康、安全性に差はないと研究が示している
8.多く耕しCO2を多く排出する
9.反GMO/農薬研究は質の悪い活動家の科学に基づく
10.一年分の残留農薬の毒性はカップ一杯のコーヒー以下
(ここまではもとのオーガニック推進記事にならったもの)
11.GMOは命を救う
12.ホルモンへの恐怖は大げさ
13.有機肥料は地下水を汚染が多い
14.オーガニック農法で重大な病原性大腸菌アウトブレイクがおこっている
15.有機食品でがん感受性が高くなる(天然の発がん物質が多くなる)
16.医薬品が使えないと動物は苦しむ
17.収量が少ないと食糧不足が深刻化する
18. オーガニックは社会的排除を際だたせる
19. 反技術は経済に悪く道徳に反する
20.オーガニックキャンペーンは慣行農法の農家を不当に貶める
Author : David Zaruk

  • 米国の労働者が除草剤でがんになったと主張してモンサントを訴える

U.S. workers sue Monsanto claiming herbicide caused cancer
Tue Sep 29, 2015
http://www.reuters.com/article/2015/09/29/monsanto-lawsuit-idUSL1N11Z2PR20150929
IARCがグリホサートを「おそらくヒトに発がん性がある」と分類したのでカリフォルニアのもと農場労働者の58才男性が1995年に骨のがんと診断されたのは除草剤を使用していたためだとLA地方裁判所に9月22日訴えた。別にニューヨーク連邦裁判所には64才の女性が2012年に白血病と診断されたのは1990年代に園芸用製品企業で働いていたことが原因だとして訴えた。男性を事例を扱ったRobin Greenwald弁護士は、さらに多くの裁判がおこされるだろうと予想する。なぜならラウンドアップは世界で最も多く使われている除草剤で、IARCの分類はこれまで長く疑っていたことに確信を与えたので。一部の弁護士は集団訴訟を起こそうとしている。