食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 除草剤のがんリスクを巡っていがみ合いの議論

Natureニュース
Debate rages over herbicide's cancer risk
Daniel Cressey 13 November 2015
http://www.nature.com/news/debate-rages-over-herbicide-s-cancer-risk-1.18794
欧州と国連の機関が普遍的に使用されている除草剤グリホサートの安全性を巡って非常に異なる結論に達した
世界で最も広く使用されている除草剤グリホサートはヒト発がんリスクはありそうにない、とEFSAが11月12日に発表した。IARCは約8ヶ月前にグリホサートはおそらくヒト発がん性があると言った。どちらの主張も大きな議論になっていてNatureは両機関がいかにして見かけ上違う結論に至ったのかを探った
EFSAの結論はIARCとどう違うのか?
EFSAはグリホサートが安全だと考えているのか?
何故異なる結論に至ったのか?
両機関のプロセスはしっかりしたものか?
(IARCの人が雑誌に発表されたデータしか評価しないと言い続けているのはどうなんですかね。科学論文の信頼性が怪しいからこその試験制度なのに。)

  • 米国の農家はオーガニック作物に尻込み

ACSH
US Farmers Shy Away From Organic Crops
November 13, 2015 by Ruth Kava
http://acsh.org/2015/11/us-farmers-shy-away-from-organic-crops/
食費者の多くがオーガニック食品の方が慣行生産されたものより良いと信じていて高いお金を払っているが農家はそれほど喜んでいない。少なくとも一斉に有機になっていはいない。新しい政府の報告書がその理由を探る。
USDAの研究者William McBride と Catherine Greeneが米国の農家の育てた作物についてのUSDAの調査データを調べた。2002年に国の有機計画が始まって以降有機栽培面積は130万エーカーから2011年には300万エーカーに相当増加はしたが主要作物の増加はそれほど多くはない。特にとうもろこし、小麦、大豆については。一つの理由は以下のグラフに示すように収量が少ないことである。(図)
報告書によると、「生産者は有機栽培の最も困難課題の一つは収量であると報告している。」さらに同じ量の作物当たりのコストが高い(図)。慣行栽培では土地や肥料、種子、農薬に有機より多くの費用がかかるが、有機栽培では労働力や資金や燃料で相殺される。有機トウモロコシや大豆は慣行栽培より利益が大きいが小麦はそれほどではない。収入が増える可能性があっても米国の生産者がオーガニック市場に大量に流入しない理由として管理の難しさや市場の狭さがあげられている。
(オーガニックの燃料を多く使う点、欠点なのにね。まあニッチ市場として存在しつづけるだろう)

  • カリカリのトーストはあなたをがんにするかも、FSAが警告

Crunchy toast could give you cancer, FSA warns
By Robert Mendick, Chief Reporter 14 Nov 2015
http://www.telegraph.co.uk/news/health/news/11996554/Crunchy-toast-could-give-you-cancer-FSA-warns.html
FSAのアクリルアミド報告書を受けての報道
カリカリに焼いたローストポテトやトーストに注意。どちらにも心配なくらい高濃度の発がん物質が含まれる。FSAの新しい研究で家庭で調理したロースとポテトとトーストのアクリルアミドを測定した。FSAの主任科学アドバイザーはローストポテトやチップスは「明るい黄金色」に、トーストは「最も軽い色のみが許容できる」という。カリカリにすればするほどアクリルアミドの量が増える。ポテトは色の薄いものと濃いものでアクリルアミドの含量は50-80倍、トーストは19倍違う。Poppy教授は「食べるなと言っているのではなく、家で調理するときには明るい色に、と助言している」という。
(トーストの写真が焦げ過ぎで別の化合物ができてるのでは。コメントがたくさんついているがやっぱり発がん性がある・なしのどちらかで思考停止している感じがある。FSAはもう少し親切にリスクのレベルも数値化して示したほうが良かったのかもしれない。)

Homeopathy 'could be blacklisted'
By James Gallagher
13 November 2015
http://www.bbc.com/news/health-34744858
BBCの取材によると大臣がホメオパシーイングランドの家庭医のブラックリスト治療法にして処方禁止にすべきかどうか検討中である。
2016年に意見募集を予定している。ホメオパシー病院や家庭医の処方でNHSはホメオパシーに約400万ポンド支出している。しかしホメオパシーにはどんな病気に対しても効果のある治療法だという質の良い根拠はない。Simon Singhの創設したGood Thinking Societyがホメオパシーを家庭医が処方できない薬物のリストに加えるようキャンペーンを行ってた。訴訟に持ち込むと脅した後、保健省の法律アドバイザーが電子メールで大臣が「意見募集をすることを決めた」と回答した。

The Guardian view on homeopathy: the NHS shouldn’t pay
Sunday 15 November 2015
http://www.theguardian.com/commentisfree/2015/nov/15/the-guardian-view-on-homeopathy-the-nhs-shouldnt-pay
社説。
プラセボは魔法のようにはたらく。しかし科学と常識に逆らう偽薬の一種に特権を与えるために医療費を払うことには賛成できない。ホメオパシーブラックリストに入れることに賛成。