食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 「健康的」食品は人により違う

'Healthy' foods differ by individual
19-Nov-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-11/cp-fd111215.php
Cellに11月19日に発表されたイスラエルのWeizmann科学研究所のEran Segalと Eran Elinavらによる研究。体重、血糖、血液検査、糞便、モバイルアプリを用いた食事(総数46898)とライフスタイル調査、同じものを食べた場合の実験などを行っている。BMIと食後血糖は予想通り関連があったが、同じものを食べても人によって大きく反応が違うことが明らかになった。
"Personalized nutrition by prediction of glycemic responses"

  • ナチュラルレメディは心血管系の健康を脅かす?

Can natural remedies jeopardize cardiovascular health?
19-Nov-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-11/ehs-cnr111715.php
Canadian Journal of Cardiologyに中国人医師が報告した症例が警告
45才の中国人女性がアコニチン中毒による重症心拍異常である2方向性心室頻拍と診断された。夫によると彼女は50mLの液体の医薬品を飲んで30分で突然血圧が低下して意識を失った。彼女の血液からアコニチンが検出された。中国の南西部では中国伝統薬の附子が広く販売・使用されている。

Danish cannabis is stronger than ever
19-Nov-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-11/au-dci111915.php
デンマークのストリートで販売されている大麻THC含量が20年の間に3倍になった。理由は多分系統的に栽培・加工されているため。大麻の栽培技術が著しく進歩し質が良く組成も変わってきている。結果的にリスクが高くなっている。

  • 妊娠中の適度のカフェインは赤ちゃんのIQに悪影響はない

Moderate amounts of caffeine during pregnancy do not harm baby's IQ
19-Nov-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-11/nch-mao111915.php
American Journal of Epidemiologyに発表された研究。米国で1959-74年に行われた周産期共同プロジェクトの参加者の2197人の妊娠女性の血中カフェインマーカー(パラキサンチン)を妊娠中二回測定し、子どもが4才と7才の時のIQと比較した。母親のカフェインと子ども達の行動や発育の間に一貫したパターンは見られなかった。肥満とも関連がない。
1日に1-2杯のコーヒーに相当するカフェインを飲む妊婦は安心できるだろう。

  • 小児がんは科学者が思っているより多く主要がん遺伝子に由来する

Scienceニュース
Childhood cancers more likely to come from major cancer genes than scientists thought
By Jennifer Couzin-Frankel 18 November 2015
http://news.sciencemag.org/health/2015/11/childhood-cancers-more-likely-come-major-cancer-genes-scientists-thought
これまでで最大の包括的遺伝子調査により小児がんの原因として主要がん遺伝子がこれまで考えられていたより多いことが示唆された。20才以下の1120人のがん患者の健康組織の遺伝子の60のがん関連遺伝子の変異を探った。多くの子どもには突然変異はなかったが、予期していたよりは多かった。95人、8.5%が多分または確実に危険である遺伝子コピーを持っていた。科学者は多くても5%と考えていた。NEJM。

  • 雑誌Maturitasが高齢男性のテストステロン補充療法に意見書を発表

Journal Maturitas Publishes position statement on testosterone replacement therapy in the aging male
18-Nov-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-11/e-jmp111815.php
欧州閉経期男性更年期学会European Menopause and Andropause Society (EMAS)が、雑誌Maturitasに、高齢男性のテストステロン補充療法に関する意見書を発表した。
高齢男性には加齢男性性腺機能低下[LOH]はよく見られ、そのような人にテストステロン補充療法(TRT)を行うかどうかについては心疾患系疾患や前立腺がんリスクに関する不確実性があることから、議論が多い。この意見書では実際的ガイドラインを提供する。
結論としては、テストステロン濃度の低い全ての高齢男性にTRTを提供することは薦められない。LOHの男性にはTRTを考える前に、減量や運動、禁煙、節酒などのライフスタイルの変更をまず薦める。