食品安全情報blog過去記事

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その他

  • NASの委員会が動物のゲノム編集に取り組み−そして取り組まれる

ScienceInsider
NAS panel tackles—and is tackled by—genome editing in animals
By Elizabeth Pennisi 18 December 2015
http://news.sciencemag.org/scientific-community/2015/12/nas-panel-tackles-and-tackled-genome-editing-animals
先週開催された科学アカデミーの2日間に渡るワークショップは、科学者、倫理学者、規制担当者が動物のゲノム編集について前進するための最良の方法に合意するのはどれだけほど遠いかを明らかにした。今月のNASのヒトの遺伝子編集サミットに続いて開催されたワークショップは、規制や科学にとってより喫緊の影響があるにもかかわらずヒトの場合ほど注目はされなかった。
ある意味では遺伝子編集は1万年近く行ってきた。家畜の選択的交配は、現代の技術でできることと同じように遺伝子を変える。違いは新しい技術は正確で効率的である。
以下実験用のモデル動物と家畜の話

  • 困難な道を越え、米国上院は画期的化学物質規制法を可決

ScienceInsider
After rocky road, U.S. Senate passes landmark chemical law overhaul
By Puneet Kollipara 17 December 2015
http://news.sciencemag.org/environment/2015/12/after-rocky-road-u-s-senate-passes-landmark-chemical-law-overhaul

Natureニュース
有害物質法改革が米国で前進
Toxic substances reform moves forward in US
Chris Cesare 18 December 2015
http://www.nature.com/news/toxic-substances-reform-moves-forward-in-us-1.18127
12月17日に上院が有害物質管理法TSCA更新を通過させた。1976年にできてから初めての大幅改訂。しかし6月に下院を通過した同様の法との違いを議会は解決しなければならない

  • 化学:何故合成する?

Chemistry: Why synthesize?
Philip Ball 16 December 2015
http://www.nature.com/news/chemistry-why-synthesize-1.19019
Philip Ballが、化学者が分子を作る理由を探り、しなかったら得られるものと失われるものを推し量る
何故化学者は分子を作るのか?明らかな答えはそれが必要だからだ。
しかしそれほど実用的ではない理由もある。結合についての理論的疑問に答えるため、あるいは分子の多様な形や構造が好きだから、好奇心など。目的がたくさんあること自体は望ましい。
以下長い記事
(何故合成するのか?そこに分子があるからだ。というのは聞いたことあるし(パリトキシンの合成の話かな?)、より複雑でより難しい合成をした人が偉いという時代も確かにあった。実用可能性なんか考えず、再現性の怪しい論文もたくさんあった。化学(有機合成)が学術分野として花形だった時代は多分終わったけれど)

  • サイエンスコミュニケーション:議論の照準

Nature書評
Science communication: In the cross hairs of controversy
Nancy Baron Nature 528, 332 (17 December 2015
http://www.nature.com/nature/journal/v528/n7582/full/528332a.html
M. V. Lee Badgettによる「公共の教授:世界を変えるために如何にしてあなたの研究をつかうかThe Public Professor: How to Use Your Research to Change the World」の書評
科学コミュニケーションの世界では、学術研究者はアドボカシー(社会に対して特定の意見を主張する)ことを避けようとする。そのため一般の人々との関わり合いを避けようとすらする。Lee Badgettはそれと戦ってきた学者である。彼女のプロフィールは「LGBTの経済的不平等を研究しそれを無くす方法を見つけ出す」である。彼女の3冊目の本は化学者に彼女のような「活動する学者」になることの勧めである

Update to FBI raid of Twin Cities chiropractors
Dec 16 2015
http://www.fox9.com/news/57923828-story
FBIとミネソタ商務省詐欺局が10のクリニックを強制捜査
Burke カイロプラクティックセンターが、患者に対して虚偽の診断をして必要のない治療を行い医療保険金をだまし取ったと保険大手企業が主張している。
(これ柔整とかで日本も同じ。医療保険の効かないところは単純に患者への詐欺だけど。)

  • 懲戒の公開書簡

Medical Board of California
Public Letter of Reprimand
Diana Lynn Schwarzbein, M.D.
May 6, 2015
http://www.casewatch.org/board/med/schwarzbein/reprimand_2015.pdf
The Schwarzbein Principleなどの本を書いていて肥満や不調の原因は副腎疲労"adrenal burnout"などと言っている医師に対して標準的ケアからかけ離れていると指摘。過失行為を繰り返したため懲戒。

  • 米国がセラノスの苦情を調べる

U.S. Probes Theranos Complaints
Dec. 20, 2015
http://www.wsj.com/articles/u-s-probes-theranos-complaints-1450663103
セラノスのもと従業員2人がセラノスの研究の実態についてFDAに苦情を送付した。
WSJ精力的に疑惑追及。シリコンバレーバブルのダークサイドと言われている)

  • ビクトリア保健大臣が病院のポスターを破ったことで反ワクチン自警団を厳しく批判

Vic health minister slams anti-vax vigilantes after hospital posters torn down
21 Dec 2015
http://www.sbs.com.au/news/article/2015/12/21/vic-health-minister-slams-anti-vax-vigilantes-after-hospital-posters-torn-down
病院や保健センターのワクチンを薦めるポスターが引き裂かれて、保健大臣は反ワクチン活動を'インチキquackery'と呼ぶ
反ワクチン活動家の一部がソーシャルメディアで、ポスターを破ったり予防接種の必要性を説明したパンフレットを盗んだりしたことを自慢していることを受けてJill Hennessy大臣は批判した。
‘Vaccine Free Australia’のメンバーがFacebookで自分たちの活動を自慢し合っている。

Original 'Stoner Sloth' slams NSW government marijuana campaign
December 21, 2015
http://www.smh.com.au/nsw/original-stoner-sloth-slams-nsw-government-marijuana-campaign-20151221-glsg2x.html
アメリカの医療用大麻サイトである'Stoner Sloth'が、同名のニューサウスウェールズ政府による反薬物キャンペーンへの批判に加わった。
NSW政府の#stonerslothキャンペーンは広告代理店Saatchi & Saatchiが内閣から請け負って作ったもので、大麻を吸う若者を学問や社会で失敗する「怠け者sloth」と描いている

  • おまけ

農水の発表
「レギュラトリーサイエンス新技術開発事業」の研究成果報告会(平成27年11月5日)の資料
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/regulatory_science/27hokoku.html
(3)高温加熱により生成する有害化学物質を低減した調理法の評価・検証
ここのもやし炒めときんぴらごぼうのアクリルアミド低減レシピ
もやしを炒める前にゆでる、は単に電子レンジでチンでいいと思う。(ゆでるのめんどくさい。)
きんぴらごぼうは茹でてから油を回して味つけするために炒める、で
飴色タマネギは救えないかもね・・単に甘味だけなら刻みタマネギをレンジでかなり加熱するとある程度代用できるけれど、メイラード反応生成物の風味には欠ける