食品安全情報blog過去記事

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USDAのFSISは公衆衛生上のトレランスが設定されていない残留物質についての標準的アプローチを発表

USDA’s Food Safety and Inspection Service Announces Standardized Approach to Residues without Established Public Health Tolerances
Dec. 23, 2015
http://www.fsis.usda.gov/wps/portal/fsis/newsroom/news-releases-statements-transcripts/news-release-archives-by-year/archive/2015/nr-122315-01
家畜や家禽の屠体の検査の結果、FDAでもEPAでも規制濃度が設定されていない化学物質が検出された場合、これまではケースバイケースで対応してきたが、本日アプローチを標準化した。
近年の分析法の改善でこれまで検出できなかったような化合物が検出できるようになるなどより多くの情報が得られるようになった。本日発表した新しい、構造化されたアプローチはFSISの、既存の公衆衛生政策の隙間を埋めるための科学に基づいた対策を実施するための近代化の努力の一部である。
FSISは肉や家禽や卵の化学汚染物質を同定しランキングし検査する省庁間計画である全国残留物質計画(NRP)を管理している。FDAEPAは食品に存在する可能性のある化合物の最大法的許容量を設定し、FSISが統計学的サンプルサイズの肉や家禽や卵製品を検査することでNPRを管理している。
検査方法の向上で、動物用医薬品や残留農薬の他に、トレランスや規制値がない化合物が検出されることがたまにある。これらには環境汚染物質や重金属、工業用化学物質、カビ毒などがある。動物用医薬品や農薬と違ってこれらは通常意図的に動物に与えられることはないが水や土壌や空気に存在するために動物が暴露される。
新しいアプローチでは、特定の化合物に対してFSISが、それ以下なら公衆衛生上の懸念は無いあるいは無視できるという僅少濃度de minimis level (DML)を設定する。もしFSISの検査でDMLを超える化合物が検出されたら、農場と屠畜場や加工施設に通知する。さらに調査や対策の検討のためFDAEPAやその他関連機関にも知らせる。
DMLを超える検出が時々以上である場合には定期的なサンプリングを検討し、検査結果がDML以下であることを確認できるまで「監視済み」マークをつけない。
このアプローチについては意見を募集している。