食品安全情報blog過去記事

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  • 2015年ベスト

Scienceニュース
The best of 2015
25 December 2015
http://news.sciencemag.org/scientific-community/2015/12/best-2015
2015年の各分野ベスト記事リスト
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  • 軽度炎症、食事組成、健康:現在の研究の根拠とその意味

Low-grade inflammation, diet composition and health: current research evidence and its translation
Anne M. Minihane et al.,
British Journal of Nutrition (2015), 114, 999–1012
http://www.ilsi.org/Europe/Documents/2015%20BJN_Minihanepdf.pdf
オープンアクセス。このファイルはILSIから
加齢に伴う慢性疾患の病理における軽度炎症の重要性は今や明確である。疾患の発生初期に、治癒しない炎症応答が関与している可能性がある。このペーパーはILSIヨーロッパの最新のもので2013年の肥満と糖尿病専門委員会による「軽度炎症、高度なチャレンジ:バイオマーカーと食事による調節」ワークショップの演者との共著である。
食事成分と人生初期の栄養と炎症状態に関するエビデンスをレビューした。ヒト疫学研究と介入のデータは血液中の炎症マーカーに極度に依存し、特に飢餓状態での特定のサイトカインは組織の炎症の、強くて極めて変動性の高い指標である。ヒトにおける炎症状態を把握するための新しい速度論的統合的アプローチの可能性を議論した。そのようなアプローチが炎症と健康/疾患の関連をより特異的に定量する方法となる可能性がある。
食事による炎症調節については多くの研究があるが通常ごく少数の血中炎症マーカーを測定しているだけでそれらは必ずしも組織での炎症を反映したものではない。このことが食事と炎症についての理解の限界となっている。
炎症は通常のプロセスであり多くの細胞やメディエーターが関与し、炎症についての意味のある観察のためには使用されるマーカーが妥当性を評価されたので、研究対象の炎症プロセスを反映したもので将来の健康状態を予想できるものでなければならない。現在軽度炎症を最も良く反映する、急性炎症と慢性炎症あるいは各種炎症を区別する、バイオマーカーについてはコンセンサスがない
現在EUでは軽度炎症を抑制したり調節したりするような健康協調表示は認可も否認もされていない。炎症に関連する強調表示をするためには臨床的に意味のあるマーカーが必要であろう。健康強調表示がない理由は、多くの生物学的にありそうなメカニズムは提案されているものの、疾患を予想できる単一のバイオマーカーあるいはバイオマーカー群が無いという事実による。
(炎症を抑える食事とか炎症の原因となる食品とか書いてるのたくさんあるけどろくな根拠はない)

  • イタリアで人気のペルーのお茶にコカイン

Cocaine found in Peruvian tea popular in Italy
December 27, 2015
http://www.theprovince.com/news/cocaine+found+peruvian+popular+italy/11616154/story.html
相当量のコカインが検出されたためイタリア警察がペルーのコカ茶の回収を命令した。そのお茶はイタリアで何年も保管されているもので、ミラノの卸業者によりペルーから輸入されたものである。官吏がお茶を淹れてそのお茶を飲んだ人の血中コカイン濃度を測定したところ高濃度検出された。今月初め38才のバスの運転手が定期薬物検査で違法薬物が検出されたためこれがわかった。運転手はコカインは使用していないと主張し、原因がエスニック食品店から購入したお茶を飲んだためかもしれないと医師に告げた。産業医はお茶を持ってくるよう指示し検査を行った。警察も医師の知見を確認した。警察によるとこのお茶はコカ葉でできていて塩酸コカインを意味のある量含むことはない。店のオーナーは罪には問われないがお茶は販売中止にされた。警察はお茶を輸入した業者も捜査している。

  • 心臓財団(豪州)は肥満の危機が悪化しているためこのクリスマスに重い発表

Heart Foundation reveals weighty issue this Christmas as we head for worsening obesity crisis
2015.12.21
http://heartfoundation.org.au/news/heart-foundation-reveals-weighty-issue-this-christmas-as-we-head-for-worsening-obesity-crisis
クリスマスパーティーや美味しいプレゼントに囲まれて、この季節に体重が増えないでいるのは難しいかもしれないが、現在の傾向がこのまま続けば2031-2032には正常体重のオーストラリア人は4人のうち1人以下になるだろう。
Australian heart disease statistics: Overweight, obesity and cardiovascular disease – past, present and future
心臓財団は国による以下のような対策を薦める
・砂糖入り飲料に健康課税
・子どもへのジャンクフードのソーシャルメディアでのマーケティング反対、テレビ広告は違法にする
・加工食品の砂糖、脂肪、塩を減らす
・新しい健康食品スターランキングシステムを義務化

  • NIHワーキンググループ報告書−ゲノム情報を用いて体重管理を導く:一般向けから高精度治療まで

NIH working group report—using genomic information to guide weight management: From universal to precision treatment
Obesity Volume 24, Issue 1, pages 14–22, January 2016
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.21381/abstract
レビュー「遺伝子、行動、減量介入への応答」
オープンアクセス
(遺伝子を調べて有効な減量方法を見出す、という話。全然説得力無いと思うんだけど、研究費を稼ぐには役にたつのだろう。)

  • Fitspo:脅迫的なエクササイズが十代を摂食障害リスクに晒す

Fitspo: Obsessive exercise puts teens at risk of eating disorders
December 27, 2015
http://www.dailytelegraph.com.au/lifestyle/health/fitspo-obsessive-exercise-puts-teens-at-risk-of-eating-disorders/story-fni0diab-1227690029432
神経性食欲不振を含むボディイメージ障害をもつオーストラリア人の援助のための団体バタフライ財団が、保護者に対して十代の子ども達のエクササイズとの不健康な関係に注意するよう呼びかけた。ソーシャルメディアによるフィットネスモデルの宣伝などでInstagramPinterestで彼らがフォローする人たちのようになるには衝動的にエクササイズをする必要があると思いこんでしまう。自分とモデルを比較して自分の身体に不満を持ち不安や鬱などに陥る。ネットに溢れるモデルの中にはしばしば画像を操作して現実的でない見た目のものがある。運動しなければならないという強迫観念そのものは摂食障害ではないが、摂食障害があることを示唆する。

  • グリーンジュースから無糖まで:2015年の栄養トレンド

From green juice to no-sugar: The top nutrition trends of 2015
December 27, 2015
http://www.ctvnews.ca/health/from-green-juice-to-no-sugar-the-top-nutrition-trends-of-2015-1.2715004
・ノーシュガーダイエット
オーストラリアのI Quit Sugar (IQS)(私は砂糖をやめた)ウェブサイトで8週間のIQSダイエットを完了した人が昨年より30%増えた。今のところ118万人
・お腹の健康
腸に優しい食品、プロバイオティクス、ケフィアザワークラウトが人気だが最も人気があったのは骨スープ。IQS の設立者Sarah Wilsonは骨スープと鶏ガラスープとゼラチンと発酵野菜で腸の健康を改善すると薦めている
・植物ベースの食生活
肉なしの月曜日の参加者増加。
・グリーンジュース(青汁?)
フルーツジュースには糖が多いので、グリーンジュースが今年の健康アクセサリーになった。セレブやモデルが薦め、ファッショナブルアイテムとして流行
(豚骨と鶏ガラとゼラチンとザーサイやメンマでラーメンを連想してしまうが。栄養はファッションとして消費するようなものではない。)