食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 一月禁酒のようなキャンペーンはむしろ害になる?

Could campaigns like Dry January do more harm than good?
13-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/b-ccl011216.php
BMJ。二人の専門家が賛否を議論。

The evidence for saturated fat and sugar related to coronary heart disease
13-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/e-tef011316.php
アテローム性冠動脈心疾患(CHD)は米国では6人中1人の死因で先進国では主要死因である。これまで医療専門家はCHD予防のために飽和脂肪を制限することに焦点をあててきた。
Progress in Cardiovascular Diseasesに発表された論文ではこれは間違っていたのか、砂糖の方が影響が大きいのか?という疑問を検討する。
食事中飽和脂肪が血中コレステロール濃度を上げ心疾患を促進するという理論は1950年代のアメリカの科学者Ancel Keysが発端である。1960年代と70年代に米国心臓協会と米国連邦政府が受け容れた。しかしKeysの研究と同じ頃英国の生理学者John Yudkinが砂糖の方が関連が高いと主張していた。KeysもYudkinも彼らの理論を観察研究からは概ね支持できた。飽和脂肪の多い食事をしている人は砂糖も多かった。著者らは基礎科学や疫学、臨床試験データなどから砂糖、とりわけ精製された添加された形での、のほうが飽和脂肪よりCHDには寄与が大きいと結論した。飽和脂肪を炭水化物、特に砂糖のように精製されたものに代えることは脂質プロファイルに負の影響がある。
結論として食事助言は飽和脂肪を減らすように、から添加された糖を減らすように、にシフトすることが適切なようだ、と著者は言う。最も重要なことは可能であれば食品丸ごとを食べ加工度の高い食品は避けることを支持するように助言すべきである。

  • 揮発性有機植物化合物研究の神秘を解く

De-mystifying the study of volatile organic plant compounds
13-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/bsoa-dts011316.php
世界中の全ての植物が有機化合物を放出している。新しいレビューはこれらをどう研究するかについて説明する
Applications in Plant Sciencesに発表。
植物の葉から放出される化合物は測定が困難で極めて不安定である。各種測定方法の利点や欠点を解説した。

  • 赤潮に関連する毒素が家庭の水槽で発見された

Toxins related to 'red tides' found in home aquarium
13-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/acs-trt011316.php
Environmental Science & Technologyに発表された研究。オランダで水槽の掃除をしたところ家族4人が病気になって入院することになった水槽のソフトサンゴと人工海水から高濃度のパリトキシンを検出した。

  • あなたの貧しい食生活はあなたの孫の腸を傷つけるかもしれない

Your poor diet might hurt your grandchildren’s guts
By Katherine Harmon CourageJan. 13, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/01/your-poor-diet-might-hurt-your-grandchildren-s-guts
マウスに繊維の少ない食事を多世代にわたって食べさせた研究で、世代を経る毎に腸内細菌の多様性が減少した。
無菌マウスにヒトの糞を与え、それから低繊維食を与えたところ細菌叢は4世代で多様性が低下したところで安定した。
Nature。
Diet-induced extinctions in the gut microbiota compound over generations
Erica D. Sonnenburg et al.,
Nature 529, 212–215 (14 January 2016)
Microbiome: Fibre for the future
Nature 529, 158–159 (14 January 2016)

  • イミダゾリノン耐性(CV127)大豆で作った大豆ミールによるラットとトリの餌投与試験

Rat and poultry feeding studies with soybean meal produced from imidazolinone-tolerant (CV127) soybeans
Xiaoyun He et al.,
Food and Chemical Toxicology Volume 88, February 2016, Pages 48–56
ラットでは最大30%、90日試験とブロイラーの成長パフォーマンス試験。いずれも対照群と差はない