食品安全情報blog過去記事

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論文

  • FASEBが再現性についての助言を発表

FASEB issues recommendations on reproducibility
14-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/foas-fir011216.php
FASEBが生命医学・生物学研究の再現性と透明性を向上させるための一連の助言Enhancing Research Reproducibilityを発表。特にマウスモデルと抗体について。

  • 何故妊娠女性が魚を食べると子どもの脳の発育が改善するのか

Why fish intake by pregnant women improves the growth of a child's brain
14-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/tu-wfi011416.php
東北大学プレスリリース。
大隅教授らが雌のマウスにオメガ6が多くオメガ3の少ない餌を与えるとその子どもは脳が小さく大人になったときの情動行動が異常になることを発見した。大隅教授によるとこの脳の小ささは、脳細胞を作る胎仔神経幹細胞の早期加齢により引き起こされる。早期加齢はオメガ6とオメガ3脂肪酸のバランスの悪さによって促進される。また子どもは初期授乳期には栄養的に至適な餌で育てられているにもかかわらず不安レベルが高い
(プレスリリースに具体的数字一切無し、そしてマウスの実験なのに「現代の食生活」で情動に異常が出るという絵。魚の絵はまぐろかつお類に見える。かつおはあまり油摂取源にならないしまぐろは妊婦にあまり勧められないし資源の問題もあるし。なんかいろいろ残念なプレスリリース。特に大隅先生がSTAP騒動の時に積極的に理研を批判していただけに。
実際に何を食べさせたのかというと
脂肪由来エネルギーは16%で対照群はリノール酸(LA)3.1%でアルファリノレン酸(ALA)1.2%、一方n6過剰n3欠乏食はLA11.8%でALA0.3%。
アルファリノレン酸って亜麻仁油とかの植物の種子油で魚の油脂ではなく、この時点でプレスリリースの図は嘘だよね・・まして脂肪由来エネルギー16%でそのうちLA11.8%ALA0.3%なんて現実のヒトの食生活とは似ても似つかない。もともとネズミの餌とヒトの食事は相当違うんだけど。)

Continuing debate regarding the validity of the evidence used to create the 2015 Dietary Guidelines
14-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/ehs-cdr011416.php
「あなたは昨日何を食べましたか?そして私達はあなたを信じるべきですか?」このような疑問への答えが食事ガイドラインを巡る議論の一部である。Mayo Clinic Proceedingsの編集者宛の文書とエディトリアルではNHANESのデータについてのものである。
記憶に基づいた食事評価方法の妥当性についての議論。自己申告が不正確なのは事実で、それが補正できる部分とそうでない部分がある。