食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 食事をとる

Natureエディトリアル
Chow down
16 February 2016
http://www.nature.com/news/chow-down-1.19378
科学者は動物実験に対する食事や環境の多様な影響にもっと注意を払うべきだ
昨年日本の科学者が驚くべき(extraordinary)動物栄養実験の結果を報告した。彼らのマウスは研究史上最も良く食べさせられた−量ではなく質で。ある日一群のマウスは乾燥しらす入りの混ぜご飯と緑の海藻のフレークと煮豆とタロイモと芥子菜入りみそ汁を朝食に食べた。別の群はベーコンエッグ、トースト、粉ふきいもを食べた。昼食は一方の群はカボチャの煮付けにトリそぼろとキュウリとワカメの酢の物で、もう一方の群はハンバーガーとサラダだった。夕食はエビチリソース、四川風豆腐、アジフライ、大根とシメジのスープ、アサリの酒蒸し、蒸したサワラだった。マウスは毎週このようなメニューを食べた。プリンはなかったが多分苦情は出なかっただろう。
このようなグルメ料理の理由は数十年前の典型的日本食を再現しその健康影響を調べるためである。日本人の寿命の長さは発酵食品を含む日本食あるいは伝統食のせいだとされてきた。日本の食品がますます西洋化されるにつれ健康への影響が疑問視されていた。
それでマウスの研究である。各群は1960, 1975, 1990および 2005年の典型的日本家庭のメニューを与えられた。食品はすりつぶして標準的動物実験用餌と一緒に与えられた。科学者の予想通りより古い時代のより伝統的食事の動物の方が長生きした。(K. Yamamoto et al. Nutrition 32, 122–128; 2016).
二つ注目点がある。ひとつは環境−この場合は食事−は健康に大きな影響がある。二つ目はこのような実験はヒトではできない環境の健康影響評価を可能にする。
光、熱、食品、仲間、運動、いらいら、ストレス−これらはすべてマウス実験を計画する研究者の思いのままである。これらのどの要因の僅かな変化でも深刻な、役にたつ可能性のある、外部要因による健康変化を発見することにつながる。例えば研究ではマウスにトンネルや階段や回し車を与えると雌の子どもとの相互作用が変わり脳の発育が変化することを示している。現代の個別空調のある無菌ケージはマウスにとってより静かで臭いが少なくその結果感覚刺激が減っているという根拠もある。
環境要因が実験結果に影響することを知っているのに、我々が他の研究の環境状態を知らないのは驚くべきことだ。今週我々が報告したように、マウスを使っている研究者の多くが標準餌に含まれるものやそれが実験毎にどう違うかすら知らない。科学者らが再現性の無さの原因を探る中、生活環境の多様性やそれを減らす方法にもっと注意を向けるべきだ。
日本食実験の話は現実に日本人の寿命が年々長くなっているので説得力無いのだが)

  • 新しいライム病の原因が、既に曖昧な診断をさらに複雑にする

New cause for Lyme disease complicates already murky diagnosis
Melinda Wenner Moyer 16 February 2016
http://www.nature.com/news/new-cause-for-lyme-disease-complicates-already-murky-diagnosis-1.19393
新しい細菌がこのダニによる病気の原因でより重大な症状の引き金となる、と科学者が主張する
Scientific Americanの記事
ライム病はこれまで単一の微生物Borrelia burgdorferiによりおこると考えられてきたが、先週Mayo Clinicの科学者らが、希ではあるが別の細菌がより重大な症状をおこすことを発見した。しかし論争の多いライム病の分野の科学者らはこの情報の公衆衛生上の意味やこれら知見が本当に最初のものかどうかについて合意しない。何年もの間ライム病の原因となるスピロヘータは多様であるとされてきた。
(病原体が培養できない、人体の中で遺伝子組換えをおこして別系統になる、など生物学的困難さがある。その周辺で慢性ライム病という異端がさらに活発になる)

  • より多くの学生がADHD薬を勉強用に誤用している

More College Students Misusing ADHD Med as Study Aid
Tuesday, February 16, 2016,
http://www.philly.com/philly/health/topics/HealthDay708094_20160216_More_College_Students_Misusing_ADHD_Med_as_Study_Aid.html
2006年から2011年のAdderall(アンフェタミン)の処方数は一定であるが誤用は67%増加、関連する救急が156%増加した。Adderallを医療用ではない目的で使用しているのは18-25才で、多くが処方されている友人や親戚からもらっている。テスト前の一夜漬けのためやレクリエーション目的。Journal of Clinical Psychiatryに発表

  • 多くのホットフレーバードリンクにはショッキングな量の砂糖が入っている

Action on sugar
Shocking amount of sugar found in many hot flavoured drinks –
17/02/2016
http://www.actiononsugar.org/News%20Centre/Surveys%20/2016/170865.html
一回分最大ティースプーン25杯、コカコーラ3缶と同じくらい
スターバックスのHot Mulled Fruit - Grape with Chai, Orange and Cinnamon Venti – が最も多く、35%はコカコーラより砂糖が多い
(英国)

  • ABCのCatalystWi-Fiと脳腫瘍を結びつけたことで批判される

ABC's Catalyst criticised for linking Wi-Fi with brain tumours
February 17, 2016
http://www.smh.com.au/technology/sci-tech/abcs-catalyst-criticised-for-linking-wifi-with-brain-tumours-20160216-gmw45o.html
ABCの番組CatalystWi-Fiや携帯電話を使うことと脳腫瘍を結びつけた「恐怖を煽る」番組「Wi-Fried?(Wi-Fiで揚げ物にされる?)」を放送したことで批判されている。高名な科学者たちが番組の不正確さや非科学的であることを非難。この報告をしたMaryanne Demasi博士は2013年には心疾患におけるコレステロールの役割とスタチンの使用を疑問だと報道して同様に議論を引き起こしている。番組はABCのウェブサイトから削除されているがその後の研究によるとこの番組の後、6万人以上のオーストラリア人がスタチンを減薬したり止めたりしている。
今回の番組の中で携帯電話の警告をしているDevra Davisは新しい技術が導入されてから脳腫瘍が増えていないことは単に脳腫瘍の潜伏期間が長いからだといい、「第二次世界大戦後に日本に爆弾が落とされてから、我々は生き残った全ての人を調べた。その後脳腫瘍ができるのに40年もかかった」と言った。これが強い反応を引き起こした。健康に関する陰謀論を研究してきたSimon Chapman公衆衛生名誉教授は「全くの戯言だ。ゴミだ」という。

  • Joe Bidenのがん「ムーンショット(月探査ロケットの打ち上げ)」は月に行くより難しい、専門家

Joe Biden’s cancer ‘moonshot’ will be far more difficult than going to the moon, experts
Mon Feb 15 2016
http://www.thestar.com/news/world/2016/02/15/joe-bidens-cancer-moonshot-will-be-far-more-difficult-than-going-to-the-moon-experts.html
米国副大統領の10億ドル対がん誓約は「ムーンショット」という名前が示唆するものより相当控えめであろうが期待できる方向への一歩である。
10億ドルは医薬品一つを市場に出すのにすら十分ではない。

  • Nova Scotiaの医師が若い人の医療用大麻使用を心配している

Nova Scotia doctors worried about young people using medical marijuana
Feb 16, 2016
http://www.cbc.ca/news/canada/nova-scotia/nova-scotia-medical-marijuana-use-young-people-1.3448732
大麻を頻繁に使うことは若者に重大な帰結をもたらす可能性がある
発達中の脳に影響するにも関わらず若者が医療用大麻の吸引処方を受けている。