食品安全情報blog過去記事

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その他

Do over-the-counter weight-loss supplements work?
March 1, 2016
https://theconversation.com/do-over-the-counter-weight-loss-supplements-work-53167
市販されている減量サプリメントは無数にあるがほとんどはその宣伝の根拠は乏しい。減量製品は世界で最も成長している市場の一つである。TGAは取り締まりを行っているが毎年1/5しか調べていない。
いくつかの製品の有効性について調べてみた(安全性ではない)
ガラナ
ガラナはカフェインが多く含まれる南米の木の実である。ガラナと麻黄(エフェドラ)の組み合わせで減量したという短期研究があるが2004年にFDAはエフェドラを禁止しているため今はエフェドラ抜きで販売されている。ガラナ単独での根拠はない
アサイーベリー
アサイーは他の果物同様にビタミンやミネラルを含むフルーツである。減量については証明されていない
アロエベラ
アロエベラは傷や火傷に伝統的に使われてきた。高用量では下剤になるので重大な副作用をもたらす。ヒトでの臨床試験があるが8週間でアロエ群がマイナス0.4kg、プラセボが0.2kg増と臨床的意味はない。
カフェイン
ヒトでの意味のある減量効果についての根拠はない
ニンジン
ヒトでの効果は確認されていない。現在シドニー大学で試験中
緑茶
サプリメントではなく緑茶を飲むヒトで減量が観察されているため日常的に緑茶を飲む方がいいだろう
グアガム
11のRCTでプラセボより効果はなかった。通常効果を得るには大量の繊維が必要になるのでしばしば副作用がある。
キトサン
効果があるという研究は全て低カロリー食が伴う同じ雑誌に発表されたもの。デザインの良い研究では効果が疑われる
唐辛子
安静時カロリー消費量を増やすという研究はあるが減量への効果は証明されていない
白インゲン豆抽出物
方法論的に問題のある研究で効果があるとされている。緑茶同様、役にたつかもしれないが臨床的意味はなさそう
杜仲
ヒトでの有効性は証明されていない

Bereaved beagle owner warns of dangers of sugar alternative xylitol
March 1, 2016
http://www.smh.com.au/environment/animals/bereaved-beagle-owner-warns-of-dangers-of-sugar-alternative-xylitol-20160229-gn6wn5.html
Christine Mangaの愛するペットRosieが先月キシリトールを含むスポンジケーキの食べ残しを食べて突然死亡した。キシリトールは多くの製品に甘味料として使用されていてヒトにとっては安全だがイヌには毒性が高い。Christine Mangaは今はそれを知っているがRosieが死ぬまで知らなかった。Mangaは糖尿病の夫のためにキシリトールを使ってスポンジケーキを焼いた。

  • ディカプリオのオスカースピーチは気候変動に対応しようと主張する人たちの一部を戸惑わせる

CBC News
DiCaprio's Oscar speech cringe-worthy for some advocates of climate-change action
Feb 29, 2016
http://www.cbc.ca/news/canada/calgary/leonardo-dicaprio-climate-change-oscar-speech-alberta-reaction-1.3469010
環境保護主義者はよくある気候現象であるチヌーク(フェーン現象)を地球温暖化の事例だとした俳優のスピーチが信頼性を毀損することを心配している
注目されている場での気候変動への注意喚起は基本的には歓迎できるものではあるがカナダのアルバータの人たちにとっては馴染みの現象で温暖化とは関係がないのでちょっとした議論になっている。

  • がん「先見者」Stanislaw Burzynskiが前例のない医学的不正行為で裁判に

Cancer 'Visionary' Stanislaw Burzynski Stands Trial for Unprecedented Medical Malfeasance
By Tamar Wilner On 2/22/16
http://www.newsweek.com/2016/03/04/stanislaw-burzynski-cancer-medical-malfeasance-429057.html
テキサス州医事当局はStanislaw Burzynskiの「個別化がん治療法」は試験も行われていない医薬品の混合物で、患者を適切な治療より大きな危険に晒すと申し立てた
Sandra Cohenが乳がんと診断されたとき、化学療法はなんとしても避けたいと思った。ホメオパシーをハーブを使用し食事を変え、レーザー療法も試みた。なにひとつ効果はなくステージIVになりがんは肺、鎖骨、リンパ節に転移し、医師は驚いた。「何でこんなになるまで放っておいたんだ?」しかし彼女は諦めず、Stanislaw Burzynskiのところに行った。Burzynskiは1970年代から彼が尿や血液から単離したアミノ酸などの混合物であるアンチネオプラストンで患者を治療していた。彼の見積もりでは2300人以上のがん患者を治療した−彼は腫瘍専門医ではないが。彼はテレビドクターDr. Mehmet Ozやナチュロパシー主張者の女優Suzanne Somersらにより大々的に宣伝された。しかしアンチネオプラストンに効果があるという根拠はない。Burzynskiが主張するようなやさしい治療でもない。1990年代から臨床試験を行っているが少なくとも6人が高ナトリウム血症で死亡している。犠牲者には6才の子どももいる。何年にもわたりBurzynskiはたくさんの調査と法的措置の対象となってきた。アンチネオプラストン治療に患者を集められなくなると他の方法で、医学の主流を離れて患者を治療するようになっていった。化学療法の薬を検査されていない組み合わせで使ったりした。
現在テキサス州医事当局はBurzynskiの医師免許停止を求めた別の裁判も行っている。裁判には彼の支持者がプラカードを持って集まっている。彼らはBurzynskiが古くさくて堕落した医学界の犠牲者だという。
Sandra Cohenは結局化学療法と手術を受けて5年後がんはなくなった。がBurzynskiが命を救ったと思っている。

長い記事
この人日本にも来たことがあるらしく
http://epigenetic-therapy.org/board/
http://www.aiset2006.jp/cat2/000024.html
http://www.anti-aging.gr.jp/members/meeting/2010.phtml
アンチ・エイジング医学 日本抗加齢医学会雑誌 Vol.6No.4(2010.8)Stanislaw R. Burzynski先生へのインタビュー(1)
(要注意リスト)

Nature書評
History of science: When eugenics became law
Victoria Nourse
Nature 530, 418 (25 February 2016)
http://www.nature.com/nature/journal/v530/n7591/full/530418a.html
Adam Cohenの「痴愚:最高裁判所アメリカの優生学、そしてCarrie Buck の不妊手術Imbeciles: The Supreme Court, American Eugenics, and the Sterilization of Carrie Buck」の書評。
米国では19世紀後半から1940年代まで、劣った遺伝子の再生を止めて人類集団の「改善」を目指そうとして少なくとも6万人が不妊を強制された。Adam Cohenの本ではBuck v. Bell. として知られる1927年の最高裁判所の事例を重要な例として取り上げる。精神障害と「診断」され不妊手術を強要されたが実際には貧困と虐待の被害者で後に勤勉で知性的であることを証明している。しかし1928年、米国では375の大学が優生学を教え高校の教科書の70%が優生学を支持していた。Theodore Roosevelt大統領や生物学者Edwin Grant Conklin、ノーベル賞受賞者Hermann Muller、有名な発明家 Alexander Graham Bellらが支持していた。

  • 全国減塩週間

National Salt Awareness Week 2016
29 February 2016
http://www.newfoodmagazine.com/22989/news/industry-news/salt-awareness-week-2016/
2月29日の週はConsensus Action on Salt and Health (Cash)の第17回全国減塩週間

  • 英国のコーヒーショップのサンドイッチの塩が多いスキャンダル

Scandal of high salt levels in sandwiches at Britain's coffee shops
By Patrick Sawer
4:26PM GMT 27 Feb 2016
http://www.telegraph.co.uk/news/health/news/12176018/Scandal-of-high-salt-levels-in-sandwiches-at-Britains-cafe-chains.html
ナチュラルでヘルシーなイメージで売っている人気のカフェチェーンのサンドイッチやペストリーは塩が多い。Telegraphの解析ではスターバックスのイタリア風サンドイッチは3.1gでCaffe Neroのは3.2g、1日の最大量の半分以上である。
マクドナルドのハンバーガーは1.2gである。

  • 人気のある大通りのスーパーマーケットの日常的食品には「ショッキング」な量の塩が含まれる

Everyday foods at popular high street supermarkets contain 'shocking' levels of salt, study reveals
By Agency
12:01AM GMT 01 Mar 2016
http://www.telegraph.co.uk/news/health/news/12178631/Everyday-foods-at-popular-high-street-supermarkets-contain-shocking-levels-of-salt-study-reveals.html
Consensus Action on Salt and Health (Cash)の調査によると缶詰トマトスープやチェダーチーズ、チルド食品などは最悪の部類である。減塩の約束をしているにもかかわらず以前より増えているものがある。

  • 判事はニューヨークの塩警告に保留を発行

Judge issues hold on NY salt warnings
March 1, 2016
http://www.news.com.au/world/breaking-news/judge-orders-hold-on-ny-salt-warnings/news-story/60093b909117c3ca6f39b476184235b6
ニューヨークの塩警告が発効1日前に一時保留にされた。先週別の判事が市が塩警告表示違反に罰金を科せると判断したあと全国レストラン協会が上訴していた。ニューヨーク市は3月18日までにこの差し止めに反応できる