食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • コメ、コメ製品を食べる乳児の尿中ヒ素濃度は高い

Infants who ate rice, rice products had higher urinary concentrations of arsenic
25-Apr-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/216-04/tjnj-iwa042116.php
JAMA Pediatricsにオンライン発表された研究によるとコメやコメ製品を食べる乳児の尿中ヒ素濃度はコメを食べない乳児より高い。
2011年から2014年のニューハンプシャー出生コホート研究の759人の乳児について、4ヶ月毎に電話インタビューして12ヶ月までフォローした。12ヶ月で過去1週間の食事について評価した。129人の乳児の12ヶ月時点での食事と尿中総ヒ素濃度のデータが入手でき、そのうち48人の尿中ヒ素は種類についてもわかった。
結果としては、
・759人の乳児のうち80%は最初の1年間でコメシリアルを食べ始める、最も多いのは4-6ヶ月で始める(64%)
・12ヶ月時点では過去1週間にコメ製品を食べたのは43%;13%は白米、10%は玄米を平均週に1-2回食べる
・24%はコメまたはコメシロップで甘くした製品を州に5-6食食べる
・尿を採取する2日前の食事記録では2日間に何らかのコメ製品を食べたのは55%。
コメを食べた乳児の尿中ヒ素濃度はコメを食べない乳児より高く最も高濃度だったのは赤ちゃん用コメシリアルを食べた乳児だった。

  • 新しい研究は洗剤パックが他のタイプの洗剤より危険であることを発見

New study finds laundry detergent packets more dangerous than other types of detergent
25-Apr-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/nch-nsf042216.php
小さい子どもがいる家庭ではパックではなくこれまでの洗剤を使うように
Pediatricsに本日オンライン発表された研究によると、2013年1月から2014年12月までに米国の中毒情報センターには6才以下の子どもの洗剤に関する電話が62254回あったがそのうち60%は洗剤パックに関するものであった。洗剤パックのほうが病院での治療や健康評価などを必要とする割合が高かった(洗剤パック45%、普通の洗濯洗剤17%、普通の食器洗い洗剤4%、食器洗い用洗剤パック5%)。また洗剤パックに関連する事故は増加が最も大きく、2年間で17%増加していた。また昏睡、呼吸困難、心臓の問題、死亡は洗剤パックでのみみられている。

Providing guidance on criteria for endocrine disruptor legislation in Europe
25-Apr-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/uoma-pgo042516.php
EHP。http://ehp.niehs.nih.gov/ehp217/
発がん物質などと同じように、ハザードのみで判断して強さや影響評価は考慮すべきではない、と主張
(EHPらしいペーパーだが規制のための定義を検討しているのに規制の影響は考えるべきではないというのは?EDCの健康や環境への影響や疑い物質の総数はいくらになるかわからないけれどとにかく規制(この文脈だとほぼ禁止になってしまうが)すべきだとのこと。水銀や殺虫剤などをもEDC疑い物質にあげる人たちは、EDCがホルモンや神経系や行動に影響する→神経系や行動に影響するものは全てEDC疑い物質、という妙なロジックを使っているような。そこまで言うならいっそのこと欧州では全部禁止にすれば?残るものがあるかどうかわからないけれど。)

  • 研究が食物アレルギーに関連する抗体レベルに変化はないことを発見

Study finds no change in antibody levels associated with food allergy
25-Apr-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/jhm-sfn042516.php
5000の保管血液を用いた新しい研究によると、食物特異的IgEの存在は1980年代と2000年代の間の子どもの血液で増加していない。Journal of Allergy and Clinical Immunologyの4月18日号に発表。このことは過去数十年の食物アレルギーの増加は認知度あるいは診断の増加によるものか、IgEの存在とアレルギーの症状との関係の変化によるものである可能性があることを示唆する。

  • 科学者が世界で最も重要な3つの作物の疾患耐性に進歩

Scientists advance disease resistance in 3 of world's most important crops
25-Apr-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/tbf-sad042216.php
Nature Biotechnologyに作物の疾患耐性に関する3つの重要論文が本日オンライン発表された。いずれも新しい疾患耐性遺伝子の同定とそれらを小麦、大豆、ジャガイモへ移行させることに成功したもので、2Blades財団がこれらの開発を支援した。
小麦黒さび病、アジア大豆さび病、じゃがいも葉枯れ病を対象に耐性を研究した。

新しい技術がじゃがいも葉枯れ病耐性遺伝子の単離を促進する
New technique accelerates isolation of potato late blight resistance genes
25-Apr-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/jic-nta042116.php
野生のジャガイモ近縁種Solanum americanumから"SMRT RenSeq"という技術を用いて耐性遺伝子を同定した。

新しい遺伝子編集技術が、新しい耐性のあるスーパー小麦を近くに
New gene-detecting technology brings new, resilient superwheat closer
25-Apr-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/jic-ngt042116.php
'MutRenSeq'という方法で耐性遺伝子の同定を可能にした。