食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 血圧に亜麻仁?

Flaxseed for Blood Pressure?
by Berkeley Wellness | May 04, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/flaxseed-blood-pressure
Clinical Nutritionに発表された系統的レビューが血圧に良い影響があるかもしれないという。注意すべきは影響は小さく(2-3ポイント)食べた亜麻仁の量が多い(毎日1-2オンス)ことなどである。基本は、亜麻仁は他の種子と同様健康的食品で、好きならあなたの食生活に取り入れよう、ただしサプリメントは避けよう。ほとんどの健康上のメリットは抽出された単一成分ではなく種子の成分の組み合わせによる可能性が高い。

10-year-old dies due to vitamin D overdose; can too much of it be toxic
New Delhi, April 30, 2016
http://indiatoday.intoday.in/story/10-year-old-dies-of-vitamin-d-overdose/1/656068.html
デリーのAIIMS病院で21日間ビタミンD錠剤を過剰に摂取し体内のビタミンD濃度が正常の30倍になった10才の男の子が小腸へのカルシウムの重度沈着で死亡
その子どもは身体的発育のためにビタミンDサプリメントを摂るよう薦められていて、処方の限度である1000国際ユニットに反して6ラーク(lakh , 10万?)摂取したとされる。
AIIMSの医師によると医師に相談無しにビタミンDを大量に摂る傾向がある、という。インドの国民の80%はビタミンD欠乏であるが、過剰使用は危険である

  • デンマーク倫理委員会が気候変動の「倫理的問題」対策として赤肉に課税を要請

Denmark ethics council calls for tax on red meat to fight 'ethical problem' of climate change
27 April 2016
http://www.independent.co.uk/news/world/europe/denmark-ethics-council-calls-for-tax-on-red-meat-to-fight-ethical-problem-of-climate-change-a7003061.html
牛が世界の温室効果ガス排出の10%であるため、人々には食習慣を変える「倫理的義務」がある、と影響力の大きい政府シンクタンクが言う
最初に牛肉に課税し、将来的には全ての赤肉に拡大。長期的には気候への影響を考慮して全ての食品に課税すべきという。
IARCのがんとの関連のニュースに続いて肉好きには辛い数ヶ月である。

  • FDAは高度濃縮カフェイン製品の販売を禁止すべきだ

CSPI
FDA Must Ban Sales of Highly Concentrated Caffeine Products
April 26, 2016
http://www.cspinet.org/new/201604261.html
FDAに対して請願
http://cspinet.org/new/pdf/letter-to-fda-caffeine-4-26-16.pdf
粉末純カフェインのようなものを禁止すべきと請願
資料には事故の新聞記事や事業者の宣伝などがたくさん掲載されている
(CSPIはまともなことも言う)

  • 続けていればなんとかなる:いわゆる「ファンクショナル メディシン」は純粋なインチキ

Making it up as you go along: So-called “functional medicine” is pure quackery
Posted by Orac on April 18, 2016
http://scienceblogs.com/insolence/2016/04/18/the-quackery-of-so-called-functional-medicine-making-it-up-as-you-go-along/
それはしばしば「統合医療」と呼ばれる−インチキと医療を「統合」したので。元々はインチキで、医学と「統合」し、それから「補完・代替医療」となった。「ファンクショナル メディシン」の最も有名な宣伝者はMark Hymanで、クリーブランドクリニック財団がファンクショナルメディシン研究所を作るために彼を雇ったことが最大の成果で、その名声からクリントン夫妻の医学アドバイザーになった。同時期に過激な反ワクチン活動家であるRobert F. Kennedy, Jr.と組んでワクチンのチメロサール自閉症の原因だという本を書いている。問題はファンクショナルメディシンの中核が単なるナンセンスでインチキであるということである。
以下長い長い記事とたくさんのコメント
(日本語ではあまり流行ってないようだが。)

  • EPAのグリホサート安全性報告が魔法のように消えた

EPA Magically Makes Glyphosate Safety Report Disappear
May 3, 2016 by Julianna LeMieux
http://acsh.org/news/2016/05/03/epa-magically-makes-glyphosate-safety-report-disappear/
2016年4月29日金曜日にEPAがグリホサートに発がん性はないと結論する報告書をオンライン発表したが5月2日に消えた。
(保存されたもの)
“Evaluation of the Carcinogenic Potential of Glyphosate,”
http://src.bna.com/eAi

何故これが問題なのかを知るためにこの議論の長い動乱の歴史を見てみよう。
グリホサートは米国で最も広く使用されている除草剤である。販売開始は1974年でモンサントが「ラウンドアップ」の名前で、である。モンサントの特許は2000年に切れているため複数の企業が数百の製品を販売している。80年代半ばにグリホサートの使用が爆発的に拡大したとき、EPAがこれを「ヒト発がん性の可能性があるpossible」と分類した。それかた1986年にグループD(発がん性があるかどうか判断する十分なデータがない)に分類することが助言され、1991年にはグループE(ヒトでは発がん性がないという根拠がある)に分類することが助言された。昨年IARCがグループB(おそらくprobably発がん性)と分類した。だから全ての根拠をレビューしたEPAの報告書は非常に重要なのだ。
何故ウェブから除去したのかを尋ねたところEPAはロイターに対してメールでこの報告書は予備的なもので最終版ではないと答えた。また最終版は今年後半に発表されると。

この件に関して議会の科学宇宙技術委員会の議長からEPA長官宛に要求が出されている
https://science.house.gov/sites/republicans.science.house.gov/files/documents/05.04.06%20SST%20Letter%20to%20Administrator%20McCarthy%20re%20CARC.pdf
科学宇宙技術委員会はEPAのがん評価レビュー委員会(CARC)によるリスク評価を監視する役割をもつ。2016年4月29日にEPAはグリホサートについて「ヒト発がん性はありそうにないnot likely to be carcinogenic」という最終報告書を投稿した。報道によるとEPAはこの文書を2016年5月2日に削除し、その報告書は最終ではなく「うっかり」掲載してしまったという。委員会は報告書をレビューし、この報告書は明確に「最終報告書」と書いてあること、委員会の13人のメンバーの署名も入っていることを確認した。それなのにEPAがこの報告を削除し最終版ではないと言っていることはEPAがグリホサートの公正な評価をしようとしているのかどうかについての疑念を生じさせる。さらにEPAが間違ったと主張していることはEPAに、より大きなシステム上の問題があることを示唆する。委員会のEPA監視を支援するため、2015年1月1日以降のグリホサート報告書に関する全てのコミュニケーションと文書を2016年5月18日までに提出するように。