食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 音楽スターの宣伝する食品や飲料のほぼ全てが不健康

Almost all food and beverage products marketed by music stars are unhealthy
6-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/nlmc-aaf060116.php
Pediatricsに発表されたNYU Langone Medical Centerの研究。2013-2014年のBillboard Magazineのトップ100の歌からスターを同定し2000-2014年の広告データベースAdScopeを用いて解析した。

  • The Lancet Diabetes & Endocrinology:健康的な脂肪の多い地中海食は無作為化試験によると体重増加につながらない

The Lancet Diabetes & Endocrinology: Mediterranean diet high in healthy fat does not lead to weight gain, according to randomized trial
6-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/tl-tld060316.php
低脂肪食に焦点を合わせて健康的なものとそうでない脂肪を区別しないことが健康的な食生活に関する「矛盾した政策」を導いてきた。
The Lancet Diabetes & Endocrinologyに発表された大規模無作為試験によると、カロリー制限なしの、オリーブ油やナッツのような植物油の多い地中海食は、低脂肪食に比べて意味のある体重増加に繋がらなかった。この研究は現行の低脂肪低カロリー食を薦めるガイドラインは健康的な脂肪に対して不必要な恐怖を生んでいることを示唆する。
蓄積する科学的根拠は、食品の害や利益を測定するための指標として総脂肪含量は有用ではないこと、ナッツや魚や植物油は肉や可能食品由来の油より健康的であることを示唆する。
40年以上栄養政策は低脂肪食を薦めてきたが、それは肥満の増加にはほとんど影響がなかった、と主著者のスペインCIBER OBN-バルセロナ大学のRamon Estruch博士は言う。
この研究は2003-2010年にスペインの11の病院で55-80才の男女7447人が参加したもので、オリーブ油の多いカロリー制限なしの地中海食(2543)、ナッツの多いカロリー制限なしの地中海食(2454)、全ての脂肪を避けるように助言する低脂肪食(2450)に無作為に割り付けた。参加者は心血管系リスクの高い人あるいか2型糖尿病の人で、90%以上が過体重または肥満だった。5年後、総脂肪摂取量は低脂肪食群で減少し(40% から 37.4%へ)、地中海食で僅かに増加していた(オリーブ油群40% から 41.8% 、ナッツ群40.4% から42.2%)。
平均して全ての群で幾分か(1kg未満)体重が減った。
Tufts大学のDariush Mozaffarian教授がコメントしていて、「皮肉なことに、心疾患を予防するために総脂肪にだけ注目したことが特定の脂肪酸の異なる影響を見過ごしたたため、総カロリーを優先したことが異なる食品の多様な生理的作用を無視したため、間違っていた。時代遅れの食事ガイドラインは見直すべきだ」

(総脂肪摂取量が40% から 37.4%になったのを「低脂肪」と言って順守率が良好、と評価するのは日本では考えられないけど。この論文の主旨とはそれるがMozaffarian教授はミルクは飽和脂肪だけれど全乳でいいと言っている。低脂肪のチョコレートミルクは間違っている、と。それはそうだと思う。)

  • もうちょっとだけ:適量の定義は人により異なる、研究が発見

Just a few more bites: Defining moderation varies by individual, study finds
6-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/uog-jaf060616.php
健康的な栄養のためには適量を食べるというのが現実的な助言だと考えられているが、その解釈が幅広いため減量や体重維持には有効ではない可能性があると新しいGeorgia大学の研究が示唆する。その食品が好きであればあるほど、「適量」の定義が多くなる。Appetiteに発表。
(知ってるよね。体重維持したいなら体重を維持する量が適量、という単純な話なのに。)