食品安全情報blog過去記事

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クランベリージュースが再発する尿路感染症のある女性の「役にたつ」と研究が主張

Behind the headlines
Cranberry juice 'useful' for women with recurring UTIs, claims study
Monday June 20 2016
http://www.nhs.uk/news/2016/06June/Pages/Cranberry-juice-useful-for-women-with-recurring-UTIs-claims-study.aspx
Daily Telegraphが「クランベリージュースを飲むと世界中の抗生物質使用が減らせる」と楽観的な見出しで報道した。新しい研究が再発する尿路感染症を経験している女性に幾分かの予防の利益を発見したが、これが抗生物質耐性との戦いに効果的武器にはならないことはほぼ間違いない。透明性のために、この研究の資金はOcean Sprayクランベリーが出していて著者のうちの二人はこの会社の従業員であることを指摘しておくことが重要だろう。この試験は373人の健康な女性に毎日6週間240mLのクランベリージュースまたは同じ味のプラセボを飲んでもらった。クランベリージュースは尿路感染に関連する症状の数を減らした。予防効果は小さく、研究者らは全ての女性が3.2年クランベリージュースを飲んだら尿路感染1回が減らせるだろうと推定している。なんてささやかなのだろう。
この研究はサイズや期間、定期的評価、参加者も研究者も群がわからないなど質はよい。しかしジュースは感染数を減らしたように見えるだけで、治療はできない。実際に感染した女性は抗生物質を使用する必要がある。またこの研究では尿路感染に最もなりやすい人たちを除外している。毎日クランベリージュースを飲むかどうか決めるのは個人の決定である−ただしこうした飲料には砂糖も多いことを念頭に置く価値はあるだろう。