食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • あなたは自分が吸っているものを知っている?研究は知らないことを示唆する

Do you know what you're smoking? Research suggests that you don't
22-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/bc-dyk062016.php
BMC Public Healthに発表された研究によると米国成人は、情報を見たことがあると報告するもののタバコの煙に何が入っているかほとんど知らない。ニコチンだけはよく知っている。

  • アメリカ人は補完医療に302億ドル自費を使っている

Americans spent $30.2 billion out-of-pocket on complementary health approaches
22-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/ncfc-as062116.php
全国調査によるとアメリカ人は成人用に283億ドル、子ども用に19億ドルの合計302億ドルを補完医療に自己負担している。ハーブサプリメントや瞑想、カイロプラクティック、ヨガなどを含む。この学はアメリカ人の医療費の自己負担の9.2%、総医療費の1.1%に相当する。
この中で最も多くお金を使うのは補完医療プラクティショナーで147億ドル、平均年433ドル。サプリメントには128億ドル。本やCDの購入などは27億ドル。
National Health Statistics Reports
Expenditures on Complementary Health Approaches:United States, 2012
http://www.cdc.gov/nchs/data/nhsr/nhsr095.pdf
(この金額がまともな医学研究に使えれば進歩するのに)

  • 伝染性のがんがいくつかの貝の種にひろがっていることがわかった

Study finds contagious cancers are spreading among several species of shellfish
22-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/cumc-sfc062116.php
新しい研究は、海の動物ではがんの直接伝染が考えられているより普通におこっている可能性を示唆する。Natureに発表
宿主とは遺伝的に違うがん細胞がクローンを作ってがんになる。違う種のがん細胞ががんを作ることも観察されている。

Nature
感染性の貝のがんは種を超える
Infectious shellfish cancers may jump across species
Ewen Callaway 22 June 2016
http://www.nature.com/news/infectious-shellfish-cancers-may-jump-across-species-1.20138
ほ乳類ではタスマニアデビルと犬のがんが知られている

Science
アサリやイガイで伝染性のがんが発見される
Contagious cancer found in clams and mussels
By David ShultzJun. 22, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/06/contagious-cancer-found-clams-and-mussels

SMC
イガイ、ザルガイ、ゴールデンカーペットシェルクラムの間でのがんの伝染を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at cancer transmissible between individual mussels, cockles and golden carpet shell clams
June 22, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-cancer-transmissible-between-individual-mussels-cockles-and-golden-carpet-shell-clams/
ロンドンがん研究所進化とがん部長Mel Greaves教授
この研究は貝類のがん細胞をしらべた。明らかにヒトと貝は大きく異なり、この結果を直接ヒトのがんにあてはめることはできず、心配する必要はない。
これまでの研究で犬(性交による)とタスマニアデビル(咬むことによる)にがんの伝達が示されている。ヒトで伝達される可能性は非常に低い。ヒトでがんがうつるのは極めて希な状況で、数年前に一卵性双生児で胎内で片方に白血病がはじまりそれが循環を共有している胎盤を介してもう一方に伝わった子どもの急性白血病の事例があった。この場合遺伝的に同一だったので拒否されなかった。この時はメディアで報道されたが新しい知見ではない。
文献では過去数十年間に母親から胎児へのがんの伝達が約30症例報告されている。多くは白血病悪性黒色腫である。また過去40年の間に臓器を移植された人がドナーの臓器に由来するがんになったという事例がいくつか報告されている。いずれもがん細胞が血液を介して入り免疫機能が抑制されている状況である。そのようなリスクは極めて小さい。
貝の新しい結果については、全く心配する必要はないが生物学的にはとても面白い。

Rates of nonmedical prescription opioid use and opioid use disorder double in 10 years
22-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/nioa-ron062216.php
2012-2013年には約1000万人のアメリカ人、あるいは成人のうち4.1%が処方無しにあるいは指示されたのとは違う使い方でオピオイドを使った。2001-2002年には1.8%だった。
生涯のうちどこかで医療目的ではない処方オピオイドを使用したことがあるアメリカ人は11%以上で10年前の4.7%より相当増加している。オピオイド依存の定義にあう人も増加。
Journal of Clinical Psychiatryに発表。

  • 女性にとって、健康的な食事は年をとってからの可動性に役立つかもしれない

For women, healthy diets may help with mobility when aging
22-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/bawh-fwh062216.php
Journal of Nutritionに発表されたBrigham and Women's 病院による大規模研究。ナース健康研究に参加した54762人の女性の身体機能の障害と健康的食生活指標を検討した。食事については1980年から約4年ごとに食品頻度質問票で測定し、身体機能については1992年から2008年の間に4年ごとに測定した。身体機能障害率の少なさと、より健康的な食生活、野菜や果物の摂取量の多いこと、砂糖入り飲料・トランス脂肪・ナトリウムの少なさ、ほどほどの飲酒が関連した。