食品安全情報blog過去記事

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缶のエポキシ樹脂コーティング:油を含む食品に移行する可能性がある物質

Epoxide resin coatings of cans: substance transfer to oil-containing foods possible
BfR opinion 022/2016, 15 April 2016
http://www.bfr.bund.de/cm/349/epoxide-resin-coatings-of-cans-substance-transfer-to-oil-containing-foods-possible.pdf
缶入りの油の多い食品は、多量摂取者に健康リスクとなる量のCyclo-di-BADGE (CdB)を含む可能性がある。これが缶入りの油漬けの魚のCdB含有に関するデータを分析したドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の健康リスク評価の結果である。
CdBはビスフェノールA (BPA)とビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)からなる分子である。これは、例えば缶やチューブの内側コーティングに使用されるエポキシ樹脂の製造時に副生成物として形成される。CdBはエポキシ樹脂から食品に移行する可能性がある。早くも2010年から、食品に含まれる量がスイスで測定されている。その間状況は変わっていない:CdBの食品への移行に毒性学的に導出された規制値はない。毒性データがないため、BfRは、リスク評価では物質の毒性についてコンピューターを利用したシミュレーションを使用した。
油漬けした缶入り食品を平均的に摂取している消費者には、健康リスクは予想されない。だがBfRの意見では、これらの食品が好きで平均以上に摂取する消費者は、CdBによる長期健康有害影響を受ける可能性がある。このためBfRは、今後そのような食品の缶のコーティングを使用し続けられるよう、この物質の移行の安全性を立証するために遺伝毒性及び亜慢性毒性に関する実験データを得ることを推奨する。

ドイツ語フルバージョン
http://www.bfr.bund.de/cm/343/epoxidharz-beschichtungen-von-konservendosenstoffuebergaenge-in-oelhaltige-lebensmittel-sind-moeglich.pdf