食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 史上初めて、高血圧が低所得国で多くなった

For the first time in history, high blood pressure is more common in lower-income countries
8-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/aha-ft1080316.php
Circulation.に発表された、90ヶ国968000人以上の2010年のデータ解析。
世界中の成人の30%以上が高血圧で、その75%は中から低所得の国に住んでいる。
理由として高齢化、都市化、医療資源の不足などを挙げている。また世界の半分の国では高血圧の有病率についてのデータがないことも指摘。

  • 母親の高脂肪食は赤ちゃんのお腹に継続する影響を与えるかもしれない

Mom's high-fat diet may have a lasting impact on baby's gut
8-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/bc-mhd080416.php
Genome Medicineに発表された米国の157人の女性とその新生児の研究。母親の妊娠中の食習慣を食事頻度調査票で評価し、赤ちゃんの便(生後すぐから4-6週間)の細菌組成をDNA配列解析で調べた。母親の脂肪由来カロリーは14.0%から455.2%で平均33.1%。高脂肪食の母親と乳児のBacteroides微生物の数が少ないことに関連があった
(それにどういう意味があるのかはわからない)

  • 中高年でのボランティアは精神衛生向上と改善

Volunteering in middle age and senior years linked to enhanced mental health
8-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/b-vim080416.php
40才前では関連が無く、ライフコースにより関連が変わることを示唆する。BMJ Open.
英国成人での大規模研究。

  • オンタリオでの毎年数千の新しいがんは環境暴露による

Thousands of new cancer cases in Ontario each year due to environmental exposures
8-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/pho-ton080816.php
Cancer Care Ontarioとオンタリオ公衆衛生局(PHO)による新しい報告書によると、毎年3540-6510例の新しいがんは環境要因の結果である。
報告書「オンタリオのがんの環境による負担」では、以下のように推定している
・日光に含まれる紫外線によるがんが2090-2990
ラドンが1080-1550
・大気汚染中の粒子状物質が290-900
インフォグラフィクスあり
他はヒ素120、アクリルアミド110、ディーゼル排気100、アスベスト受動喫煙ホルムアルデヒド各40、クロム10

  • 沖縄もずく:海の宝物

Okinawa mozuku: The treasure under the sea
8-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/oios-omt080216.php
Cladosiphon okamuranusのDNA配列がDNA Researchに発表された。

  • ウェブサイトはしばしば根拠のない幹細胞療法を宣伝している

Websites often promote unproven stem cell therapies
Aug 8, 2016
http://www.reuters.com/article/us-health-stemcells-marketing-idUSKCN10J223
Cell Stem Cellに発表された研究によると、多くのウェブサイトが消費者に直接、根拠のない幹細胞療法を宣伝している。消費者を虚偽の医療宣伝から護るための法律がある先進国でさえも。幹細胞療法を消費者に直接宣伝しているクリニックの人口一人あたりの数が多い国はアイルランドシンガポール、オーストラリア、ドイツ、イタリア、日本、米国である。
「特にエイジングや皮膚の若返り目的での幹細胞の宣伝は数十億ドル産業であり、多くの疑わしい宣伝がある」とこの研究の著者であるシドニー大学John Rasko博士は言う。
「人々は毎日のように幹細胞分野での合法的な研究の進歩と、これらの細胞が人体の修復メカニズムであると聞かされている。しかしこれらの宣伝業者はそのようなアイディアを利用して証明されていないことまで宣伝し、今や幹細胞は健康になり若返りアンチエイジング作用があるとまで言うようになった」
問題の一部は多くの国で規制が技術の進歩に追いついていないことである、とこの研究には加わっていないPaul Knoepflerはいう。
「オンラインで宣伝されている幹細胞治療法のほとんどには有効性についての根拠は乏しい。しかし高額で保険が効かず時間とリソースの無駄である」とこの研究の共著者の慶応大学医学部Douglas Sippは言う。
Global Distribution of Businesses Marketing Stem Cell-Based Interventions
http://www.cell.com/cell-stem-cell/pdfExtended/S1934-5909(16)30210-7
(幹細胞に限らず、「アンチエイジング」なんて詐欺でしかないし)