食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 死者を出したイタリアの地震はリスクをコミュニケートすることの苦闘が続いていることを強調する

Scienceニュース
Deadly Italian quake highlights continuing struggle to communicate risk
By Edwin CartlidgeAug. 29, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/08/italys-earthquake-trial-casts-long-shadow-over-risk-communication
先週イタリアで少なくとも290人を殺したマグニチュード6.0の地震により、科学者と政府の役人は次の大きな地震のリスクについて人々にどう話すのかについての悩ましいデリケートな疑問に悩んでいる。2009年のL’Aquilaの地震で、地震が起きそうにないと虚偽の保証をしたとして科学者と公務員が起訴されて殺人罪に問われた。この事例から科学者はデータを分析し公務員はその知見を人々に伝え次の対応について決定するという責任のより明確な分離規則などが作られたが、先週の地震ではこのようなルールが守られていないようだ。(以下略)

  • ADHDの薬は過剰に使われている?

Is ADHD Medication Overused?
by Peter Jaret | August 29, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-mind/mood/article/adhd-medication-what-parents-should-know
新学期が始まり、管理された日々に戻るとADHDのような問題が注目される。多くの保護者が彼らの子ども達がこの病気なのではないかと心配し、ADHDと診断された場合には最良の治療を確実にうけさせたい。しかしADHDの薬を与えられている子ども達の数が急増し、専門家の中には過剰診断と過剰治療を心配する人もいる。この複雑な問題を整理するためにBerkeley WellnessはUC Berkeleyの心理学教授で「ADHDの爆発的増加:神話、投薬、お金、そして今日の成績向上要求」の共著者Stephen Hinshaw博士に聞いた。
ADHDの薬を投与されている子ども達の数が増加していることを心配している?
私の最初の心配は、確かに、多くの子どもが実際は別の問題なのにADHDと誤診されていることである。多くの子どもが小児科医の診察室で約10分で診断されている。しかしそんなことでは正確な診断はできない。米国小児科学会や米国子ども青少年精神科医会が根拠に基づいた診断ガイドラインを出している。
何故近頃はこんなに多くの子どもがADHDと診断されているのか?
テレビ広告やメディアでの報道の多さが保護者に自分たちの子どもがADHDで薬が必要なのではないかと思わせている。ニュージーランドと米国だけが消費者に直接薬の宣伝をすることを認めている。さらに他の力もある。1990年代初期に再認可された障害のある個人教育法にADHDが加えられ学校で特別な教育を受けることができるようになった。その後ADHDの診断が30-40%急増した。これは子ども達が突然ADHDになったわけではなく、診断が増えたことを意味する。
これらの子どもうちどのくらいが投薬されている?
統計は興味深い。過去10年ほど4-17才の子どもで、ADHDと診断される率は40%増加し米国が世界で一番多い。全体として17才の10人中1人以上がADHDと診断されている。投薬は一定で診断された人の約70%である。
投薬は治療の第一選択肢?
投薬にリスクはある?
不確実なことが多い中で心配な保護者にどんなアドバイスを?
根拠に基づいた評価をする専門家を探す。
(ハードル高い。。。。)

  • 有毒なおっぱい?

Science 2.0
Toxic Ta-Ta’s?
By Stuart Smyth | July 28th 2016
http://www.science20.com/stuart_smyth/blog/toxic_tatas-177364
科学者の行う研究とそうでない人の行う研究はどんなものか
食品安全の法や規制は絶え間なく進化していて、科学を反映して最初は基本的でパッチワーク状だったものが今日の高度に技術的なもの改善してきている。我々の食品システムは安全であるように規制されているが、それは販売される食品が100%純粋であることを意味しない。農産物の生産や収穫の才に他の小さなものも一緒に集められる。土が少しだったり幼虫や昆虫の羽だったりする。こういうものをあまりにも気にしすぎると食べることが大変になる。我々は汚染物質を全て排除することはできないことを知っているが、科学者や規制機関は熱心に食品以外の汚染物質の安全なレベルはどのくらいなのかやその検出方法について学んでいる。以前の安全な閾値ppmレベルで測定されていたが、今やppbレベルで検出できる。
2年前 Moms Across Americaが行った研究で母乳にグリホサートが発見されたと発表した。10人の女性から集めた母乳に、開示されていない測定法で測定した結果3検体からグリホサートを検出したとネットに発表した。それが本当なら政府の対策が必要だ。しかし通常の科学的手順ではそれを確認する必要がある。ワシントン州立大学のMichelle McGuireのグループがその役割を果たした。このことは非常に重要である。McGuireらのチームは41の母乳と40の尿を集め妥当性を評価された分析方法で注意深く別の機関で2回分析した。いずれも結果は同じで、母乳からグリホサートは検出されなかった。
母乳からは検出されなかったがほぼ全ての尿からは痕跡量のグリホサートが検出された。検出された量は最も高濃度なものでも安全量の4500分の1だった。
McGuireらの仕事は研究者がそれほどやりたがらないものであるが、Moms Across Americaの結果はより良い科学的手法とデザインでは再現できないと結論した。それ以降、McGuireは主にGMや農薬の禁止を主張するグループからの誹謗に耐えている。McGuireのような学者がいなかったら、この世界は間違った情報だらけになってしまう。科学的研究は、我々の食品の安全確保のためにこんなに一生懸命働いている専門家のものとして、その仕事に感謝しようではないか。

  • 小児科医が州に対して子どもに予防接種をしない親たちに厳しい態度をとるよう強く求める

Pediatricians urge states to get tough on parents who don’t want to vaccinate their kids
By Melissa Healy
August 29, 2016, 3:00 AM
http://www.latimes.com/science/sciencenow/
米国小児科学会が月曜日に政策声明を発表した
医学的理由によらない予防接種の拒否を認めないよう要請している。
医師の説得にもかかわらず予防接種をしない場合にはその家族を診察しないことを医師に認めるようにも言っている。
会員の医師のなかで、昨年子どもへの予防接種を拒否された経験があるのは87%で、2006年の75%より増加している。
保護者のワクチンへの懸念は2006年にはワクチンの(自閉症などの)有害影響への懸念だったが2013年にはワクチンは小さい子どもには必要のない不快なものだという見解にシフトしてきている。このような無頓着は、皮肉なことにワクチンの成功への反応としてよく見られる。

American Academy of Pediatrics Publishes New Policies to Boost Child Immunization Rates
8/29/2016
https://www.aap.org/en-us/about-the-aap/aap-press-room/Pages/American-Academy-of-Pediatrics-Publishes-New-Policies-to-Boost-Child-Immunization-Rates.aspx?nfstatus=401&nftoken=00000000-0000-0000-0000-000000000000&nfstatusdescription=ERROR%3a+No+local+token

  • 中年男性が薬物過剰使用で死亡するリスクが最も高い、報告書が発見

Middle-aged men at highest risk of dying from drug overdose, report finds
Monday 29 August 2016
https://www.theguardian.com/australia-news/2016/aug/29/middle-aged-men-at-highest-risk-of-dying-from-drug-overdose-report-finds
オーストラリアの年次薬物過剰使用報告書2016によると、2014年の薬物過剰使用による死亡の78%が30-59才で、男性は762人女性は375人と男性の方が多い。全ての過剰使用のうち71%が処方薬。2008年から2014年の間に処方オピオイドの死亡が87%増加した。特に増えたのは地方。

An unprepared Ontario faces imminent fentanyl crisis, groups warn
Monday, Aug. 29, 2016
http://www.theglobeandmail.com/news/national/an-unprepared-ontario-faces-imminent-fentanyl-crisis-groups-warn/article31589357/
違法フェンタニルの過剰使用がカナダ西部と米国北部で急増し、オンタリオに迫っている。オンタリオ警察署長協会やWaterloo地域犯罪予防評議会が、オンタリオに隣接する全ての米国の州でフェンタニルに関連する死亡の急増が報告されている、という。カナダではアルバータブリティッシュコロンビアで事態が最も急迫していてBC当局は公衆衛生危機を宣言している。オンタリオにはもっと協調した対応が必要。