食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 水から鉛を除く新しいツール

New Tool to Get Lead out of Water
by Peter Jaret | August 30, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/environmental-health/article/new-app-get-lead-out-water
フリントの鉛汚染水道水スキャンダルは我々の多くに水道管から出てくるものへの疑いを抱かせた。フリントの悲劇はいくつかの理由でおこった。古い家の多くがまだ鉛の水道管で、当局がお金の節約のために水をフリント川由来の腐食性の高いものに変えたため鉛が水道管から溶出しはじめた。高濃度の鉛は学習障害などの発達上の問題を引き起こす。
どのくらいの住人が鉛の水道管の水を供給されているのかを正確に知っている人はいない。家の所有者向けにカリフォルニア大学の環境健康科学者Charlotte Smith博士らが簡単なウェブベースのツールを開発した。地理情報システムとクラウドソーシングで鉛の水道管地図を作る。家のオーナーは水道管をひっかいたら灰色に光るかどうか、磁石がくっつくかどうかの質問に答える。最初の質問がイエスで2番目がノーならその管は鉛である。あるいは免許のある配管工が鉛だと言ったかどうかもオプションの質問になる。それからウェブにアクセスして自宅住所を入れて入力すると自動的にデータベースと地図が構築される。ウェブサイトは毎月更新される。
鉛の水道管だからといって水が汚染されているとは限らない。水道局が鉛が溶け出さないように水を処理している。それでも家の所有者が鉛の管があるかどうかを知っておくことは重要である。
時間が経つと工事の記録が失われ誰もわからなくなる。このアプリは情報提供に役立つ。
(日本は古い家を改修して住むことはあまりないので。でも水道事業が自治体なので人口減は結構影響ある)

  • 専門家が健康目標の再考を促す

Experts urge rethink on health target
30-Aug-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/uoea-eur082616.php
イースト・アングリア大学の学者や加齢の専門家によると、早期死亡の概念は高齢者差別をしたいのでなければ捨て去るあるいは再定義すべきである。国連持続可能開発目標(SDG)の中にがんや脳卒中などの非伝染性疾患による早期死亡を1/3減らすという項目がある。この2016-30年の間の目標として合意されたものでは早期死亡を69才より若くして死亡することと定義している。しかし本日BMJに発表された記事では著者らはこの目標は国連加盟国に対して医療の提供は70才より若い人を優先すべきという明確なメッセージを送っているという。
(途上国と先進国では70才の意味が違うんだろう)

Scienceニュース
Tasmanian devils are rapidly evolving resistance to a contagious cancer
By Jessica BoddyAug. 30, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/08/tasmanian-devils-are-rapidly-evolving-resistance-contagious-cancer
タスマニアデビルはがんに打ち負かされて、たった20年で80%が伝染性のがん(DFTD)で失われた。この動物の社会的性質が病気の拡散を早めた。しかし消滅すると思われた動物はまだ咬んだり蹴ったりしていて、科学者が理由を調べたところ動物のゲノムが数十年前と変わっていることを発見した。変化のあった7つの遺伝子のうち5つは他の動物でがんや免疫機能に関連するものだった。Nature Communicationsに発表。

Feds Declare War On Herb Touted As A Solution To Opioid Addiction
08/30/2016
http://www.huffingtonpost.com/entry/dea-kratom-schedule-i_us_57c5c263e4b0cdfc5ac98b83
麻薬取締局が今週クラトンkratomの二つの有効成分を最も厳しい規制のかかる分類に含めると通知した。
Schedules of Controlled Substances: Temporary Placement of Mitragynine and 7-Hydroxymitragynine into Schedule I
https://s3.amazonaws.com/public-inspection.federalregister.gov/2016-20803.pdf
ミトラギニンと7-ヒドロキシミトラギニン

  • セラノスはFDAの査察後新しいジカ検査を中止

Theranos Halts New Zika Test After FDA Inspection
By John Carreyrou and Christopher Weaver
Aug. 30, 2016
http://www.wsj.com/articles/theranos-halts-new-zika-test-after-fda-inspection-1472598332
セラノスは8月1日に血液数滴で正確な検査ができる実験室外で使う新しい血液検査装置を発表していた。しかしFDAの査察で適切な患者保護対策がないことを発見され、ジカウイルス検査の緊急認可要請を取り下げた
(まだ血液数滴で検査できるという宣伝を続けていたんだ。誇大宣伝で注目を集めるやりかたをいつまで続けるんだろう
血液検査会社セラノス、新たな検査機器を発表 起死回生を狙う?
2016/08/04
http://forbesjapan.com/articles/detail/13107

  • 10年経って、HPVワクチンは子宮頸がん率を半分にした

10 years on, HPV vaccine halves cervical cancer rates
Amy Mitchell-Whittington  August 29 2016
http://www.theage.com.au/queensland/10-years-on-hpv-vaccine-halves-cervical-cancer-rates-20160828-gr2zr0
クイーンズランドで開発された世界初のがんワクチンが月曜日に10周年を迎え、その共同開発者は子宮頸がんを無くすための戦いを続けている。
最初のHPVワクチンは2006年8月29日にオーストラリアで接種され、それから女性の全ての子宮頸がんのうちの約70%から守るようになった。ワクチンは子宮頸がんを含むいろいろながんにつながる可能性のある乳頭腫ウイルスによる感染から守る。ウイルス感染と子宮頸がんの関連は1980年代初期にわかっていたが希な感染だと思われていた。HPVワクチンの開発者でトランスレーショナル研究所の最高経営責任者Frazer教授は約10年後にこのウイルス感染が非常によくあることがわかった、という。2人に1人が生涯のうち一度は感染する。感染した場合約100人中1人ががんになる。そして彼は共同研究者と協力して16年ほど後にワクチンを開発し始めた。現在130ヶ国で1億8700万用量のワクチンが投与され、女性の新規子宮頸がん患者は半分になった。過去10年の経験から、効果的なワクチン接種で2050年までに子宮頸がんやその他のHPV関連がんの新たな発症を世界から無くすことができる。やるべきことはまだある。
(コメント欄に反ワクチンの人がいっぱい)