食品安全情報blog過去記事

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IARCのグリホサート評価について

  • 専門家委員会はIARCのグリホサート報告は重要なデータを除外した欠陥のあるものだという

Expert panels say IARC glyphosate report flawed, excludes key data
Sep 29, 2016
http://deltafarmpress.com/regulatory/expert-panels-say-iarc-glyphosate-report-flawed-excludes-key-data
Critical Reviews in Toxicologyに発表された専門家委員会の報告によると「IARCの結論が明確に違う理由はプロセスのせいではなく重要なデータを排除したことあるいはデータの解釈の違いによる」

4つの独立した専門家委員会によるグリホサートの発がん性のレビューとIARC評価との比較
A review of the carcinogenic potential of glyphosate by four independent expert panels and comparison to the IARC assessment
Gary M. Williams et al.,
Pages 3-20 | Received 08 Apr 2016, Accepted 15 Jul 2016, Published online: 28 Sep 2016
http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10408444.2016.1214677
IARCの評価についての詳細なダメ出し。特に動物の発がん性試験で自然発生する腫瘍の解説が詳しい。

  • 議会監視委員会はIARCへの資金提供を調べる

House oversight committee probes Iarc funding
29 September 2016
https://chemicalwatch.com/49943/house-oversight-committee-probes-iarc-funding
米国議会の委員会がNIHのIARCへの資金援助についてレビューを始めた。
下院監視政府改革委員会The House Committee on Oversight and Government Reform (委員長Jason Chaffetz、ユタ州)がNIHに、IARCの発がん性の決定は他の科学的研究と一致していないように見える、と書いた。そしてそのことが多くの議論と警鐘を生んだ。IARCには「議論と撤回と矛盾」の記録がある。それなのにNIHから相当な納税者の支払ったお金が提供されている。
委員会はNIHに対してその資金提供の詳細な基準や監視を尋ねこれまでIARCに提供された資金の使い道なども尋ねる。この文書ではIARCの決定が「アメリカの科学助言委員会となるのに必要な科学的基準や政府による吟味が無い」にもかかわらず、米国の政策決定に影響したことについての懸念も表明している。委員会はそのようなものの例としてカリフォルニアのProposition 65を挙げている。カリフォルニアがIARCを発がん性があると知られている物質を決めるのに「権威ある組織」として使うことでモンサント社との訴訟になっている。
文書
https://oversight.house.gov/wp-content/uploads/2016/09/2016-09-26-JEC-to-Collins-NIH-IARC-Funding-due-10-10.pdf
(本文のところが画像)