食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 栄養教育用絵本の解析

Analyzing picture books for nutrition education
6-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/ehs-apb100416.php
2000年から2016年に発刊された米国で入手できる4-8才の子ども向けの食生活を描いた絵本104を解析した。50%が特定の食行動、215が食生活パターン、20%が食品に関する感情や情動、9%がテーブルマナーを扱っていた。一部の本は明確で直接的なメッセージをもっていたがあいまい、疑わしい、矛盾するものもあった。多くの要因により間違って解釈される可能性があり絵本で提示されている解決法は科学的合意に沿っていないものが一般的だった。栄養の専門家の間ではもう何十年も主張されている、大人が提供した構造的食事を子ども自身が選べるようにすべきというモデルは絵本には全く反映されていなかった。

BMJ Case Reports: Alternative therapy dangers, rapunzel syndrome, tick-born illness
6-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/b-bcr100516.php
4才の自閉症の男の子がホリスティックサプリメントを使用するように言われて嘔吐、便秘、体重減少、食欲不振などの多様な症状で救急に来た。各種テストの結果高カルシウム血症ビタミンD濃度が高かった。数日後に母親がナチュロパスの助言でカルシウム、ビタミンD、タラ肝油、ラクダのミルク、銀、亜鉛、epsom バスソルトを含む12種類のサプリメントを子どもに与えていたことを認めた。
ラプンツェル症候群は髪の毛を抜いて食べて胃の中に巨大な毛の塊ができてしまう非常に希な病気

  • 世界の寿命の増加は戦争と肥満と薬物濫用で相殺されている

Increase in global life expectancy offset by war, obesity, and substance abuse
6-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/ifhm-iig100516.php
The Lancetに発表された世界疾病負担(GBD)の新しい解析。
世界の寿命は1980年の62才から2015年は72才近くに増えたが各国にはまだ課題がある。

IHMEのサイトから各種データを見ることができる
http://www.healthdata.org/news-release/increase-global-life-expectancy-offset-war-obesity-and-substance-abuse

  • 夜勤は乳がんリスクを増やしそうにない

Working night shifts unlikely to increase breast cancer risk
6-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/cru-wns100616.php
2007年にIARCが夜勤を体内時計の撹乱によりがんを誘発する可能性が高いと分類している。その根拠は主に動物実験と実験室での研究である。
Cancer Research UK と英国HSE、英国医学研究評議会が出資した、140万人の女性をフォローした10の研究を吟味したJournal of the National Cancer Instituteに木曜日に発表された研究によると、夜勤で働く人は夜勤で働いたことのない人に比べて乳がんリスクが増加しているということはなかった。この仕事はUK Biobank やMillion Women StudyやEPICのような質の高い大規模研究のパワーを示す。
(そもそも実験動物の生活リズムと人間の生活が同じとみなすのに無理がある。もともとIARCのやりかたは偽陽性になるように大きくバイアスをかけている)