食品安全情報blog過去記事

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ピロリジジンアルカロイド:食品中の濃度はできるだけ低く維持すべき

Pyrrolizidine alkaloids: Levels in foods should continue to be kept as low as Possible
28 September 2016
http://www.bfr.bund.de/cm/349/pyrrolizidine-alkaloids-levels-in-foods-should-continue-to-be-kept-as-low-as-possible.pdf
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)はここ数年1,2不飽和ピロリジジンアルカロイド(PAs)による食品汚染問題に取り組んでいる。PAsは捕食者を回避するために植物が形成する二次代謝物である。それらは肝臓への毒性影響や動物実験で変異原性と発がん性があるため食品には好ましくない。この全体的評価はPAsの毒性に関するデータ、各種食品の摂取データ、関連する食品グループとして牛乳、卵、肉、フルーツティー、ハチミツ、ハーブティー、紅茶、緑茶、スパイス、粉、食品サプリメントの濃度についての最新データを考慮している。
紅茶、緑茶、ハチミツと同様にルイボスティーを含む汚染されたハーブティーが、消費者がPAsを摂取する可能性のある主な摂取源である。食品に含まれるPAsは長期間摂取されると(慢性)子供と成人の潜在的な健康ハザードになりうるが、急性健康リスクはない。
餌投与研究では動物の飼料からのPAsは牛乳と卵には少量しか移行しないことが示され、一方肉には全く検出されなかった。それゆえ、PAの全摂取量へのこれらの食品の寄与は無視できる。フルーツティーはPAsを含む植物で汚染されることはほとんどなく、そのため全摂取量にあまり影響を及ぼさない。
ある種の植物ベースの食品サプリメントはPAsの摂取源となりうる。成人はこの種の製品から大量のPAsを摂取することがある。BfRの見解では、多量のPAを含む製品とともに食品サプリメントから摂取される量は食品から摂取するPAsの平均量を明らかに超える可能性がある。そのためこの種の製品の短期及び特に長期摂取は健康リスクとなる。
ある種のスパイス、ハーブ、粉はPAsに汚染されていて、さらなる摂取源となりうる。だが、これらの製品を個別に評価するのに不十分なデータしかない。レタスミックスと葉物野菜はPAsを含む植物成分で汚染されることもありうる。
BfRは食品のPA汚染を減らせる方法を助言している。これには栽培、収穫、洗浄方法の改善によって食品中のPA濃度をさらに減らすための継続した取り組みが含まれている。これは主にハーブティー、紅茶、緑茶、ある種の食品サプリメントに適用される。消費者の総PA摂取量は、潜在的によりPA濃度の高い食品を大量に摂取する消費者、及び特に健康リスクの高い子供たちを守るためにできる限り低くするべきである。レタスミックスと葉物野菜は食品会社、流通業者、食品監視機関が適切な方法で継続的に検査するべきである。