食品安全情報blog過去記事

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その他

Quackwatch
Don't Trust Advice from Dietary Supplement Retailers!
Stephen Barrett, M.D.
revised on November 1, 2016.
http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/hfsadvice.html
ハーブやダイエタリーサプリメントの販売には小売店でのアドバイスが大きな要因である。健康食品店の店員などが医師免許もないのに病気であると診断し製品を薦める−そのような行為は州法で禁止されている。しかし多くの調査で販売業者は法律を無視していることが示されている。政府による取り締まりは限られ、主に製造業者を対象にしている。ここにいくつかの例を示す。
(以下1976年から2016年までのたくさんの例)
基本
健康食品店で働いている人の多くは栄養や医療について助言できる資格がないことを忘れずに。もし健康に問題があるなら、資格をもった医師に相談すること。食生活についてなら登録栄養士が良い。

  • 米国の学校は実践しない科学を教えているのか?

Are U.S. schools teaching hands-off science?
By Jeffrey MervisNov. 1, 2016 ,
http://www.sciencemag.org/news/2016/11/are-us-schools-teaching-hands-science
理科の授業で石や鉱物に定期的に触れている米国の高校生は、最近の全国科学テストでそのような経験をしたことのない生徒より成績が悪かった。授業で化合物を混合したり顕微鏡を見たりした生徒はそのような経験のない生徒と成績が変わらなかった。
驚いた?この人目を引く結果は先週発表された理科の2015全国教育達成評価(NAEP)による。科学教育は経験学習がベストであるという通念に反するように見える。
(以下いろいろ考察。)

  • 誤診:遺伝子検査の隠されたリスク

Misdiagnoses: A hidden risk of genetic testing
Jacqueline Howard | November 1, 2016 | CNN
http://edition.cnn.com/2016/10/31/health/genetic-testing-misdiagnosis-risk/
13才の少年が突然心不全で死亡し、少年の解剖で死因がわからなかったため彼の親族20人以上が遺伝子検査を受けた。その検査で少年の兄弟を含む家族何人かがQT延長症候群と診断され、徐細動装置が手術で埋め込まれた。その後家族がDr. Michael Ackermanにセカンドオピニオンを求め、彼はその診断を疑わしく思い、家族を評価した結果、全くQT延長症候群ではないと結論した。また死亡した少年の遺伝子評価も行われていなかったので検査したところ、その少年もQT延長症候群ではなかった。別の彼だけにある全く異なる変異が見つかった。この少年の事例はMayo Clinic Proceedingsに発表された。この論文で研究者らは遺伝子検査の使用とその解釈は慎重にするよう呼びかけている。遺伝子検査や個別医学を単なるバズワードにしないように。
(以下略)
特に家族歴もないのなら遺伝子検査は求めないように

  • インフルエンザ予防接種をしないで死亡した娘の母親が予防接種の啓発をする

Woman whose daughter died after skipping flu shot raising awareness of vaccine
November 01, 2016
http://www.foxnews.com/health/2016/11/01/woman-whose-daughter-died-after-skipping-flu-shot-raising-awareness-vaccine.html
2015-2016年のインフルエンザ予防接種シーズンに、Pegy Loweryは12才の娘Piperの注射への恐怖がワクチンのメリットを上回ると判断した。しかし約1年後、2016年1月のウイルスとの戦いに娘が負けた後、彼女は劇的に立場を変えた。今彼女は同様の悲劇を予防するために、インフルエンザの予防接種の重要性について啓発している。

  • ベジタブルヨーグルトが2017年の新しいトレンディフードになるだろう

Vegetable yogurt will be the trendy new food in 2017
2 November 2016
http://www.telegraph.co.uk/news/2016/11/02/vegetable-yogurt-will-be-the-trendy-new-food-in-2017/
Waitroseの予想。ニンジンやビートの根、サツマイモヨーグルトが米国で予想外にヒットし間もなく英国にも来るだろう。またソーシャルメディアに自分で作った料理を上手にプレゼンすることにますます努力するだろう。

コンシューマーラボ
Product Review: Astaxanthin Supplements Review
11/1/16
https://www.consumerlab.com/reviews/Astaxanthin-Supplements-Review/Astaxanthin/
同じ量でも値段は違う

  • カッピングの流行:歴史は長いが科学には新参

The Cupping Craze: Long on History, Short on Science
by Berkeley Wellness | November 01, 2016
http://www.berkeleywellness.com/fitness/injury-prevention/article/cupping-craze-long-history-short-science
リオの夏季オリンピックでMichael Phelpsをはじめたくさんの有名なアスリートが紫色の丸い痣が背中や肩などにあるのを見たかもしれない。カッピングの跡である。その後読者から本当にヒーリングパワーがあるのか、運動能力を高めるのかという質問をもらった。明らかにオリンピック選手の中にはそう信じている人がいるがその根拠は疑わしい。
いくつかの方法はあるがカッピングでは皮膚を特別なカップで吸引する。それにより循環を促進し「滞った」毒素を引き出し筋骨格の痛みを和らげるという。吸引方法は火をつけたりポンプで空気を引いたりで通常1-2インチのカップうぃ5-8個使う。一部の伝統的中国医学ではカッピングは鍼士やマッサージ療法士がよく使う。もともとは毒虫に咬まれた時の毒素吸引や傷口のドレーンとして使われていたようだが今や万能の治療法と宣伝されている。
いくつかの研究でカッピングの効果を検証しようとしている。いくつかはポジティブな結果になっているが鍼やその他の代替医療同様、全体として研究の質は低く適切な対照群が無くプラセボ効果を排除できない。またありそうなメカニズムはない。カッピングは一般的に安全と考えられるが吸引により皮下の血管が破裂し痣になる。さらに重大な症例として昨年頭痛の治療に頭にカッピングをして2週間後に硬膜下血腫になった若い女性の報告があった。
基本:カッピングの治療効果は議論があり我々はプラセボ以上のメリットはないと疑っている。カッピングが競技に勝つことに役立つという科学的根拠はない。頭や弱い皮膚、湿疹のあるところにはすべきではない。通常保険は効かない。

  • 出版社がイランの科学者による58論文を著者操作により取り下げ

Natureニュース
Publisher pulls 58 articles by Iranian scientists over authorship manipulation
01 November 2016
http://www.nature.com/news/publisher-pulls-58-articles-by-iranian-scientists-over-authorship-manipulation-1.20916
282人のイランの研究者が著者になっている58論文を主要科学出版社が本日取り下げた。ピアレビュープロセスが破綻している兆候を発見したという。BioMed Centralは28論文を取り下げる予定でさらに40報を調査中、一方Springerも30報取り下げ9報調査中である。プレスリリースによると剽窃、ピアレビューと著者の操作などの根拠を見つけたという告発で調査した結果だという。
昨年Springerは「ピアレビュー偽装」で64論文を取り下げ、BMCも同様の理由で別に43の論文を取り下げている。他の主要出版社も同様のピアレビュー偽装を報告している。