食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 関節炎にグルコサミン:イエス、ノー、多分?

Glucosamine for Arthritis: Yes, No, Maybe?
by Berkeley Wellness | November 08, 2016
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/glucosamine-arthritis-yes-no-maybe
骨関節炎のある何百万人もの人が、しばしばコンドロイチン硫酸と一緒にグルコサミンを摂っていてこの二つはダイエタリーサプリメントの売り上げトップである。これらの物質は人体で合成され関節のクッションとなる軟骨の生成と維持に関与し、これらを補充することで軟骨の破壊を遅くするあるいは予防するのではないかと考えられてきた。サプリメントのグルコサミンは通常エビやカニの殻から、コンドロイチンは通常牛や豚の軟骨から作られている。しかしこれらのサプリメントはほんとうに効果があるのか?10年前に画期的な研究がこの主張に冷や水を浴びせたが、研究は続いている。
2006年、グルコサミン/コンドロイチン関節炎介入試験(GAIT)が発表された。これは1200万ドルもの政府の資金を使った大規模で質の高い臨床試験である。そのようなものはダイエタリーサプリメントの分野では滅多にない。約1600人の膝の骨関節炎のある人が無作為に5つの治療群に24週間割り付けられた:塩酸グルコサミンのみ、コンドロイチン硫酸のみ、グルコサミンとコンドロイチンの組み合わせ、セレコキシブ、プラセボ。結果としてグルコサミンとコンドロイチンは単独でも組み合わせでも痛みやその他の症状をプラセボ以上には減らさなかった。驚くべき知見のひとつは、プラセボが60%の人で症状を緩和したことである。これは予想されたプラセボ効果の2倍である。セレコキシブの効果はそれよりやや良いだけで70%の人に有効だった。
一つのポジティブな結果は中程度から重症の参加者の一部では両方を含むサプリメントを使用した人の79%が症状が緩和したと報告し、プラセボは54%だった。しかしこれは少人数(たった70人)で、サブグループ解析は誤解を招くことが多いためこの知見は「予備的」で「探索的」なもので追加研究で確認が必要だとしている。しかしサプリメント業界はしばしばこの二次解析の効果を、プラセボでも同様の効果があることは言わずに、宣伝している。
2008年のGAIT研究フォローアップではさらに18ヶ月間治療を続け軟骨のX線検査をしている。群間に軟骨消失について有意差はなかった。興味深いことにグルコサミンとコンドロイチンは一緒に使用すると単独で使用した場合より悪く、どれもプラセボより良いものはなかった。
GAIT以降数十の追加研究が行われている。いくつかを紹介しよう。
(略。プラセボと差がないものが多い)
有害事象
重大な副作用はこれらの研究では報告されていない。しかし小規模研究でグルコサミンサプリメント緑内障患者の眼圧の増加と関連することが報告されている
我々の助言
アメリカ人は毎年数十億ドルを証明されていない関節炎レメディに費やしている。少なくとも一部の人には、しばらくの間は何でも効くように思える、主に痛みについては強いプラセボ効果があるので。さらに関節炎の痛みは変動し、我々はたまたまその時やっていたことを原因にしてしまう傾向がある。消炎鎮痛剤は役には立つが根本原因である軟骨の喪失には影響しない。
我々はグルコサミンとコンドロイチンを薦めない−あなたがプラセボ効果に月に2-30ドルを払いたいのでなければ。既に使用していて役に立つと思うなら続けてもいいがしばらく中止して差があるかどうか見てみるのもいいだろう。
どんなサプリメントでも使用し始める前に医師に相談するように。痛みは関節リューマチ痛風、その他の病気のせいかもしれず、サプリメントが役立つ理由はない。
もし骨関節炎なら、もし過体重なら減量を薦める。また強さと柔軟性を維持するために運動を薦める。

  • 大規模脳プロジェクトは公衆衛生の役に立つことを求められる

Natureニュース
Big brain projects urged to aid public health
Sara Reardon  08 November 2016
http://www.nature.com/news/big-brain-projects-urged-to-aid-public-health-1.20958
WHOが研究イニシアチブは知見を臨床上のメリットに翻訳することに集中するよう求める
近年新しい技術の開発により大規模脳マッピングプロジェクトが拡大している。これらは脳の理解を探求しているがWHOはそれらの発見や技術の進歩が脳の疾患の検査や治療に役立つようにしたい。ただ最大の疑問はWHOがそれらの研究にお金を出しているわけではないということである。

  • 科学の言葉はますます砕けたものになっている

Scientific language is becoming more informal
08 November 2016
http://www.nature.com/news/scientific-language-is-becoming-more-informal-1.20963
特に生物学者が論文の書き方が形式張っていない
学術文書のきまりは多いが目的は一つで、インフォーマルな言語を避けるようにしている。ブログやソーシャルメディアでは話し言葉で書くことが薦められているかもしれないが学術論文ではそうではない。English for Specific Purposesに発表された、1965、1985、2015年の論文の言語を調べた新しい解析によると、言語学社会学の学術論文はややフォーマルになったが電子-工学雑誌では過去40年で9%インフォーマルな性質が増え、特に増加したのは生物学で24%だった。特にタイトルにI や weが増えた。増加の理由の一つは受動態がかっこわるいものになったこと。