食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ワセリンは安全?

Is Petroleum Jelly Safe?
by Berkeley Wellness | November 24, 2016
http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/petroleum-jelly-safe
多くのウェブサイトがワセリンは危険だと宣伝している。ワセリンが石油由来であることは秘密ではない。ペンシルベニアの石油掘削業者が1860年頃に発見し、化学者のRobert Chesebroughがその治癒効果を宣伝し始めた。そのビジネスはChesebrough Pondsという化粧品家庭用品企業になった。
石油の真実
未精製の石油には多くの不純物が含まれ中には発がん性のあるものもあるが、精製白色ワセリンにはそのようなものは含まれない。未精製石油は工業用だが、精製されたものは医薬品や化粧品用に加工され使われてきた。FDAは医薬品や化粧品用の精製ワセリンに懸念はないと言っている。EUやカナダではワセリンが使用禁止であると主張されることがあるが事実ではない。
ワセリンは単独であるいは多くのクリームやローションの成分として保湿作用があり接触性皮膚炎の報告は希である。手術の傷にも使われ、抗菌軟膏より刺激が少なく有効である。
使うべきでない場合もあり、火傷やコンドームの潤滑剤としては使うべきではない。鼻の中に使うときには長期に継続して吸入すると希なリポイド肺炎につながる可能性があるので注意が必要である。時々使うのは問題ない

  • 1974年のインチキについて一人の歴史家の見解

quackwatch
A Historian's View of Quackery in 1974
James Harvey Young, Ph.D. with Comments from Stephen Barrett, M.D.
November 14, 2016.
http://www.quackwatch.org/13Hx/humbug.html
1915年から2006年に生きたJames Harvey Young博士の1974年の未発表エッセイの紹介。
民主主義の拡大で新聞がいきわたり宣伝広告が増え教育のおかげで字が読める人が増え僻地にも郵便物が届くようになり同時にインチキも拡大した。
詐欺師が良く言うのは「(権威を信じるのではなく)自分の頭で考えよう」
自尊心をくすぐり、野望に火をつけ、同時に不安を煽る。
(当時は通販、今はインターネットが詐欺商品の流通拡大に役立っている、と)

Liver Damage from Dietary Supplements
by Berkeley Wellness | November 22, 2016
http://www.berkeleywellness.com/supplements/herbal-supplements/article/dietary-supplements-pose-liver-risks
最近Hepatology に発表された、NIHの薬物誘発性肝障害ネットワークの報告に基づくレビューによると、多くのハーブレメディやその他のダイエタリーサプリメントは肝臓を傷害する可能性がある。全ての薬物誘発性肝障害のうち、サプリメントが原因とされるものは2004年の7%から2014年の20%に増加した。約半分がボディービル用製品(違法なタンパク同化ステロイドが混入されていることで悪名高い)と減量製品(特に緑茶抽出物を含むもの)で、他に性機能増強、消化促進、鬱などのサプリメントが関与する。
サプリメントの多くは成分が複数で、そのためしばしば何が肝障害の原因なのか同定するのは不可能である。傷害はしばしば自己限定的で最終的には回復するが時に永続し死亡することもある。リスクの一部はサプリメントに違法に添加されているシルデナフィルのような医薬品成分による。他にハーブ成分であるブラックコホシュ、バレリアン、キャッツクロウ、紅麹、ガルシニアなどもある。

  • 悩みの解毒薬

Antidotes to Worry
by Berkeley Wellness | November 21, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-mind/mood/article/antidotes-worry
ほとんどの人はしばしば悩む。不安と同様、少しなら管理できるが多すぎると正常な生活がおくれなくなる。特に健康やお金(や最近の大統領選挙)の悩みは多くの人の夜の眠りを妨げる。検診の結果を待つことは実際にあなたが調べたその病気そのものより感情的悪影響が大きいことがある。
科学者は不安がどうやってヒトを病気にするのか理解しているわけではない。直ちに現れる影響は頭痛、疲労、吐き気でコントロールできない持続する悩みは精神影響にとどまらず慢性の身体的疾患にすらなる。もし家族に不安で生活に支障がある、あるいはいつも鬱で不安だという人がいたら、専門家の助けを借りた方が良い。カウンセリングや時に投薬が役立つことがある。
いくつかの不安軽減法
・奇妙に思うかもしれないが、悩む時間を決めておく。最初に15-30分毎朝あるいは午後に、心配ごとを並べ、少なくとも一つの建設的解決方法を見つけるようにして行動に移す。あとで悩みがもちあがってきたら他のことに集中するようにする。
・気分転換をする。外食や映画に行こう。運動も役立つ。可能なら週末は出掛けよう。
・瞑想スキルを学ぶ。役立つなら音楽を聴く。編み物でもサイクリングでも深呼吸でも、落ち着く方法をとる。
・悩みはあなたの考えを明確にするのに役立つかもしれない。あなたの心配の目的を自問してみよう。問題解決はしばしば心配の解毒薬である。

  • ホルモン撹乱物質を固守

Natureコラム:ワールドビュー
Stand firm on hormone disruptors
22 November 2016
http://www.nature.com/news/stand-firm-on-hormone-disruptors-1.21024
内分泌撹乱物質に関する重要な会議に先立ち、Leonardo Trasandeは政治は科学に続くべきだと主張する
(この文章はLeonardo Trasandeの主張)
Donald Trump選挙が米国の環境規制の終わりを予想する一方、欧州は内分泌撹乱化学物質(EDCs)の規制における決定的一歩を踏み出そうとしている。来月の初めにEU加盟国がEDCsの規制と同定のために欧州委員会が提案した基準をレビューする重要な会議がある。
一旦EDCsの基準が公式に採用されれば、多くの農薬が排除されて子宮内暴露に関連する自閉症や認知機能の損失予防に役立つ。
EDCを巡る科学と政策の状況は10年前の気候変動と似ている。これらの化合物病気や機能不全に寄与している可能性は99%以上だと研究が示唆している。EDCの影響は人生の全てに渡り疾病負担は毎年欧州で2170億ドル、米国で3400億ドルである。
内分泌撹乱を否定する化学者は多くの不正確で誤解を招く発表をしている。批判者はEDCの低用量非線形非単相性用量反応関係を却下する。彼らは対照群に汚染がある方法論的に限界がある研究を選んで指摘する。EDCの研究の多くが因果関係ではなく相関関係だという。内分泌撹乱による有害影響は複雑である。
来月のレビューで何が議論されるのか?WHOはEDCを「内分泌系の機能を変えてその結果consequently無傷の生物やその子孫や(亜)集団に有害影響を引き起こす外来化合物や混合物」と定義している。欧州委員会の案では一見無害な編集で“consequently”を “are known to(〜であることがわかっている)”に変えている。そのことでEDCに分類されるためにあまりにも重い証明の重荷が課されている。
動物実験で同定できる発がん物質や変異原性物質、生殖毒性物質と違ってEDC基準案では健康影響にヒトデータが必要である。これには何十年とはいわないまでも何年もかかるので規制が遅れる。動物実験も認めるべきである。
もう一つはハザードとリスクの区別についての間違った提案である。ある農薬をハザードとするときには強さ、つまり伝統的な用量−反応影響の検討はすべきではない。これが内分泌撹乱物質の規制には重要な基本原則で、ベルリンで4月に行われた科学合意で確認された。この会議は内分泌学会による科学的声明として発表された。参加者はWHOの定義が適切でありEDCの同定には強さは関係ないことに合意した。
欧州議会はヒト健康を守るために科学に基づいた基準を使うべきである。EDCの定義はホルモンをかく乱する根拠をもとにEDC疑い、内分泌活性のある物質、内分泌活性のない物質、に化学物質を分類する。
ベルリンコンセンサスの著者のうちの何人かは公衆衛生保護の必要性に反対を主張し続け、ピアレビューされた研究を疑似科学だとしている。選挙で事実と虚構を区別できなかった米国メディアと違って我々は科学の常識を固持する。
(ハザードのみで規制するのは時代遅れで科学にも社会にも役に立たないという反論コメントがついている。
また科学の世界ではEDCの低用量非線形非単相性用量反応関係を認めていないほうが主流(EFSAもそう)なので99%以上確実なんて間違った提示をしているのはこの人のほう。もしも内分泌学会の一派の主張をそのまま是とすると、世界中のどこかの実験室でたまたま間違いか偶然かによってホルモン受容体を活性化するという結果がでたら、それでその化合物はEDCと認定されて使用禁止になる。実質天然物を含め全ての化合物を使用禁止にできる。用量は関係ないのだし「可能性」で禁止理由になるらしいので。それがヒト健康保護になるとは思えないけれど。)

Salt- The New Endocrine Disruptor? Please.
By Josh Bloom — November 23, 2016
http://www.acsh.org/news/2016/11/23/salt-new-endocrine-disruptor-please-10467
EWGやNRDCの人たちは新しい環境研究を複雑な感情で歓迎するだろう。一方では彼らの永遠に伸び続ける内分泌撹乱物質リストに新しいものが加わった。一方新しい内分泌撹乱物質は塩である。根拠を見てみよう。Canadian Journal of Fisheries and Aquatic Sciencesに発表された「アメリカアカガエルの性比と性による大きさの二形に与える道路の塩と落ち葉の相互作用」というタイトルの研究である。この研究ではオタマジャクシの発達における性比を塩の有無で調べている。さらに道路の状況に似せるために落ち葉もいれている。この研究では塩はオタマジャクシを「男らしく」するかもしれないと示唆しているが、全ては統計のマジックである。(中略)
別のタイトルをつけることもできる「オークの葉は雌のカエルを雄に変える」