食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 蚊の増加は都市化とDDTのゆっくりとした分解に関連

Growing mosquito populations linked to urbanization and DDT's slow decay
6-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/uoc--gmp120116.php
気候変動による気温の上昇は、蚊集団にとって土地使用の変化と環境中に残存するDDTの分解より影響が少ないことがわかった
Nature Communicationsに12月6日発表されたカリフォルニア大学Santa Cruz校の進化生物学生態学准教授Marm Kilpatrickらの研究。
監視データによるとニューヨーク、ニュージャージー、カリフォルニアでは過去50年の間に蚊の数が10倍も増えた。蚊の種類は2-4倍になった。この増加は一見気候変動による気温の上昇と関連するようにみえるが、注意深く解析すると実際にはDDTの影響からの回復であることがわかった。気候変動の影響は種の分布の端に現れ、つまり暖かい気候に適した種がより北に行くことを意味する。
Kilpatrick はDDTの影響が如何に長く続いているかに驚いた、という。
(びっくり)

  • 米国の人々はタバコの煙の方が添加物より有害であることを概ね知らない

US public largely unaware that cigarette smoke much more harmful than additives
6-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/b-upl120216.php
Tobacco Controlに発表された1万人以上の十代や成人を調べた研究。他の誤解としてはタバコのフィルターが有害物質を効果的に除去する、というもの。

  • 2年間の研究は、よりクリーンな調理用ストーブが子どもの肺炎を減らす根拠がないことを発見した

Two-year study finds no evidence that cleaner cookstoves reduces pneumonia in children
6-Dec-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/lsot-tys120516.php
リバプール熱帯医学研究所(LSTM)-によるマラウイでの調理と肺炎研究(CAPS)の結果は、伝統的な開放型の炎の代わりによりクリーンなバイオマス燃料ストーブを使って調理することは5才以下の子どもの肺炎の発生率に影響しないことを示す。この2年間の研究はこの種の研究としては世界で最大規模で1万人以上の子ども達が参加した。The Lancetに発表。二次解析では重症ではないやけどのリスクが42%減少していた。この結果はクリーンな調理ストーブだけでは期待通りの効果はないことを示唆する積み重なる根拠の一部である。マラウイでは肺炎は5才以下の子どもの主要死因で貧しいコミュニティーへの影響が最も大きい。この負担への対応はしっかりした科学的根拠に基づく必要がある。