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高脂肪食が糖尿病を防ぐという主張は立証されていない

Behind the headlines
Claim high-fat diets can prevent diabetes 'unproven'
Monday December 12 2016
http://www.nhs.uk/news/2016/12December/Pages/Claim-high-fat-diets-can-prevent-diabetes-unproven.aspx
「バター、クリーム、チーズたっぷりの食事が2型糖尿病に有効である可能性がある」とMail Onlineは報じている。
しかし、この研究は12週間少人数の男性グループについて行っただけで、この食事療法が糖尿病や慢性疾患を防ぐかどうか決めるには十分ではない。
38人の肥満の男性を無作為にカロリーの量は同じで制限のある食事にした。
1つ目のグループは、炭水化物からエネルギーをとるグループで、(全カロリー摂取量の53%)、2つ目のグループは、脂肪からエネルギーをとるグループ(全カロリー摂取量の73%)である。
12週間の食事療法の後、どちらのグループも体重が減り、体脂肪も減った。血糖値とコレステロール指標に少し違いが出ただけだったので、このことからは、何の結論も出せない。
この実験の大きな問題点は、規模が非常に小さいこと、そして短期間の影響しか見ていないことである。
これらの結果からは、その食事の糖尿病や心疾患への長期的影響についての結論は出せない。
この研究の報道で述べられていない重要な事実は、両方のグループにおいて、男性らが以前摂取していたカロリーよりも低いカロリーの食事を与えられたという点である。
このことは、体重を減らす特効薬は何もないという事実をさらに強固にする−単に食事を減らし、多く動くしかない、ということである。
この研究は好きなだけ脂肪を食べることにゴーサインを出したわけではない。しかし、健康的な不飽和脂肪は、バランスのとれた食事の一部として取り入れられるべきである。