食品安全情報blog過去記事

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コリック(夜泣き、黄昏泣き)の治療のための鍼についての専門家の反応
expert reaction to acupuncture to treat colic
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-acupuncture-to-treat-colic/
Acupuncture in Medicineに発表された論文で、鍼が夜泣きを安全に減らせるようだと主張
University College London薬理学教授David Colquhoun FRS教授
21世紀にBMJがまだこのような、3000以上の試験が行われたにも関わらず有効であるという信頼できる根拠が生み出せないでいる科学的医療が始まる前の医療のための雑誌を発行していることは真に驚愕すべきことである。他のほとんどの代替医療同様、鍼は広範な問題に有効だと宣伝されてきたがそのどれについても効果があるという根拠は乏しい。夜泣きはそれらのうち目立ったものではない。どうして親が赤ちゃんに針を刺すと泣きやむと思うだろう?この考えは奇妙に聞こえるが実際奇妙である。この論文では効果があることを示していない。この論文の統計解析は不適切であり、レフェリーが見つけるべきだったがそうはならなかった。
(以下統計について)
結論として、試験デザインは対照群以外は妥当であるが統計解析は最悪である。鍼の効果は全くない可能性が極めて高い。この論文は有用な情報を提供するものではなく水に泥を加えるもので再現性の危機に繋がる典型的な間違いである。BMJはこの種のものを発表すべきではなくレフェリーは統計を理解していないようだ。
Southampton大学健康研究教授George Lewith教授
これ自体は決定的というには小さすぎるが乳児の夜泣きには根拠のある便利な治療法がないので鍼のほうが根拠があると主張できるだろう
Exeter大学補完医療名誉教授Edzard Ernst教授
この論文は著者の結論とほぼ反対のことを示している。この研究には適切な対照群が無く、特定の治療効果を言うことはできない。夜泣きする赤ちゃんは最小限の注目にも反応することがわかっている。そしてこの研究ではほんの少しの追加のTLCが効果があることを確認し、その結果は必ずしも鍼とは関係ない

論文内容については以下
Acupuncture and colic
http://www.sciencemediacentre.org/acupuncture-and-colic/