食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

How Healthful Is Sorghum?
by Berkeley Wellness | March 13, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/how-healthful-sorghum
Q: ソルガムはどのくらい健康的?最近スーパーでよく見るようになった。
A:このトウモロコシのように生長する穀物にはたくさんの特長がある。干ばつに強く生長効率が良いのでアフリカなどの主食で、おかゆや平パンや発酵飲料が作られる。米国では主に家畜飼料やエタノール用に使われている。南の人はソルガムシロップやソルガム糖液のような甘味料として知っているかもしれない。
しかし最近食用穀物としての宣伝が増えている。今やパンやシリアルからクッキーやスナックまで400以上の小売り食品に使われていて2年前の2倍以上になっている。他のいわゆる古代の穀物同様、ソルガムにはタンパク質、鉄、マグネシウム、ビタミンB類、その他栄養素や食物繊維、各種ファイトケミカルが含まれる。USDAの栄養データベースによると未調理の1/3カップで約7gのタンパク質、4gの食物繊維である。
品種により殻の色は白から紫まで多様で、色が濃いほど抗酸化性のあるフェノール化合物が多くなる(ただし苦くもなる)。ソルガムグルテンを含まないのでセリアック病患者にとって安全である。
他の全粒穀物同様にソルガムを調理すればいい。
基本:ソルガムは健康的で環境的に持続可能な選択肢である。栄養と食物繊維を摂るには精製ではなく全粒ソルガムを選ぶと良い。

  • 笑いは最良の薬?

Is Laughter the Best Medicine?
by Berkeley Wellness | March 10, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-mind/mood/article/laughter-best-medicine
良い笑いは無料であると同時に値段がつけられない−そして処方や許可や予約はいらない。数年前に編集者でライターのNorman Cousinsが重病をMarx Brothersの映画を見ることで治したと主張した。この本のこの経験をもとにユーモアと健康についての科学的研究が勢いづいた。しかし笑いは本当に最良の薬か?
過去数年の研究の知見をいくつか紹介しよう。笑いは血管や血圧、心血管系一般に弱い良い影響がある;喘息の人は面白い映画を見ると少し症状が和らぐ;笑いは免疫の一側面を改善する、少なくとも短時間;何か面白いものを見ているときには痛みをより我慢できる。大笑いはほんの少しカロリーを消費する。
(研究紹介略)
基本:笑い、特に一緒に笑うこと、が気分を良くするのは驚くべきことではない。Cousinsの経験とは違って、笑いが何かの病気を治療できることは証明されていない。さらにユーモアのセンスがないことを病気の一因だと言うことは残酷だろう。しかし、研究の知見にかかわらず、人生において優しいユーモアのセンスと苦境にあって笑うことのできる能力は役にたつだろう。

  • ドクターを殺したとされる男性はがんの治療を巡ってドクターを訴えていた

Man accused of killing doctor had sued him over cancer treatments
Mar 9, 2017 Updated Mar 10, 2017
http://www.bgdailynews.com/news/man-accused-of-killing-doctor-has-active-lawsuit-against-doctor/article_c4c16bc0-339a-5508-9bec-4f9d4ac30931.html
ナチュロパシードクターJuan Sanchez Gonzalezを殺した容疑者の男性は、Gonzalezが彼の妻のがんを治せると保証したとしてWarren巡回裁判所で訴訟中だった。Gonzalezは彼の運営する統合医療ナチュラルヘルスセンターで死亡しているのが金曜日にみつかった。
訴訟によると容疑者の妻のFikreta Ibrisevicは2月27日に死亡している。Ibrisevicは2015年末から2016年初めに横紋筋肉腫と診断され、通常のがん治療を受ける予定ではあったが夫婦は自然療法に関心があった。2016年1月11日にGonzalezは夫婦に放射線や化学療法のような通常のがん治療は「教育を受けていない」人のためのもので、彼のところで治療すれば3ヶ月以内にがんを消すことができると「保証」できると語った。さらにIbrisevicに対して「化学療法は敗者のすること」と言った。その後IbrisevicはGonzalezからハーブを刈ったりマッサージをしたり食事療法をしたりする治療を始めた。2016年1月から5月の間に夫婦はGonzalezに7000ドル以上払った。Ibrisevicは治療を始めたときには腫瘍が1つだったがGonzalezの治療を止めたときには7つの腫瘍になっていた。最初のがんが大きくなって外からもわかるほどだった。彼女の目は黄色くなり脚は腫れ、Gonzalezの治療を止めて化学療法を一回したところで残った腫瘍はもとの一つだった。夫婦はGonzalezの治療中に二人のナチュロパシー専門家に相談し、どちらもGonzalezがハーブをあまりにたくさん与えたのでIbrisevicが中毒になったと結論した。夫婦は1月25日に訴訟をおこしている。夫婦はボスニア難民で英語が母語ではなくいため間違った情報に導かれやすかった。

  • 福島の一部に帰還することは安全、研究が示唆

Scienceニュース
It’s safe to return to some parts of Fukushima, study suggests
By Katherine KorneiMar. 10, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/it-s-safe-return-fukushima-study-suggests
日本の福島第一原子力発電所災害から6年経ち、避難していた数千人は帰宅している。でも安全?新しい研究はイエスと言う。60km離れた村で避難しなかった住人の生涯放射線暴露量については心配する必要がないことを発見している。また研究チームは、土壌のはぎ取り等のお金をかけた除染の努力よりもはるかに大きく自然の放射能の減衰とウェザリング効果で放射能レベルは下がったことを発見した。
これらの結果は避難命令が解除された地域に市民がいつ帰るかを決めるのに役立つだろうとこの研究に参加したノルウェーライフサイエンス大学の環境化学者Deborah Oughtonは言う。今月の後半、概ね52000人の避難者が福島県に帰れる。
この新しい努力は福島医大放射線学者Makoto Miyazakiと東京大学の物理学者Ryugo Hayanoにより行われた。彼らは伊達市上空の放射能レベルを追跡したヘリコプターの測定値を解析した。研究者らは主に放射性セシウムによる放射線レベルは2011年と2013年の間に60%低下したことを発見した。今後70年どう減少し続けるかを推定してそれを地上の放射線レベルの換算し、伊達市各地での累積線量を推定した。事故による生涯放射線量は伊達市の最も汚染された地域Zone Aで18mSvだった。今度のJournal of Radiological Protectionに報告する。これは国際放射線防護委員会が年間1-20 mSvを許容できるとみなしていることを考えると極めて低い。さらに18mSvというのは一人の人が一生に渡って地殻や大気から受ける自然放射線の量より少ない。
Miyazaki と Hayanoは費用のかかる除染が伊達で測定可能な影響を与えたかどうかについても調べた。Zone Aに住む425人の個人線量計データを用い、2012年12月に始まった除染に線量を下げる効果があったという根拠はないことを発見した。「集団としては今人線量に大きな低下はなかった。これは除染すべきではなかったということではない。除染に効果があった個人や家族はいるだろう。」しかし放射線レベルの低下は主に物理的な減衰と雨や雪により洗い流されたことによると結論している。
オレゴン州立大学の核科学技術学部認定保健物理学者Kathryn Higleyは除染にあまり効果がないことに驚かない。この知見は伊達市民の安心となるだろう。
(一部略。本文はともかくコメントが60もついている。多くが小数の陰謀論者による。Scienceはあまり気にしてないようだが)

  • カナダの新しい遺伝子プライバシー法はJustin Trudeauの大きな頭痛の種

Canada’s new genetic privacy law is causing huge headaches for Justin Trudeau
By Wayne KondroMar. 10, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/canada-s-new-genetic-privacy-law-causing-huge-headaches-justin-trudeau
カナダ議会の遺伝的プライバシーを認める投票はJustin Trudeau総理大臣の自ら招いた政治的頭痛の種になっていて、比較的希な普通でない裁判になる可能性がある。
2013年に現在は引退しているJames Cowan自由党上院議員により導入された遺伝子差別禁止法案は医療保険、雇用、居住あるいは子どもの養子縁組などを拒否するのに遺伝的情報を使うことを予防することを目的としていた。この法では遺伝子を理由に差別することを禁止し書面での同意が無い場合には遺伝子検査の結果を共有できない。(医師や研究者を除く)
支持者はこの法律はカナダ人が遺伝子検査を利用しやすくするために必要だと言う。現状多くのカナダ人は悪用を恐れて医療や臨床試験で遺伝子を調べることを拒否している。保険業者を含む法案の反対者は禁止により治療や保健のコストが嵩むと主張している。
3月9日、222-60で議会は認めた。Trudeau政権はこの法案に反対していたため法律として制定されるのを阻止するために普通でない対応を検討することになった。