食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • コンシューマーラボ

CL Answers
http://www.consumerlab.com/
メンバーからの質問への回答のところに
ビタミンB12サプリメントの中にはソルビトールのような砂糖代用品が入っているものがあるので下痢の原因となることがある、と書いてあるのを読んだ。私は下痢をしていてそれがビタミンB12サプリメントが原因だなんて考えたこともなかった。サプリメントを止めたらすぐに下痢は止まった。
というのが載っている。
そういえば以前ソルビトール入りダイエット製品があった・・が
「D−ソルビトール」を多量に添加した食品について
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syokuten/030826/
サプリメントで下痢するほど大量にソルビトールを摂れるのかな?
(しかし「ソルビトール」のgoogleでの日本語検索結果は悲惨。ちゃんとした情報がたくさんあり使用も多い化合物なのに嘘情報サイトばっかり)

  • ファストフードの包装の危険な化合物

Health News
Dangerous Chemicals in Fast-Food Packaging
by Jeanine Barone | March 28, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/dangerous-chemicals-fast-food-packaging
ファストフードの脂がそれを包む紙や箱から漏れないのはどうしてだろうと不思議に思ったことはありますか?答えは化学業界が耐油性フッ素化合物と呼ぶものを作ったからで、1940年代から使用されている。これらの化合物は脂をはじくだけでなく、くっつかず、水をはじき、汚れがつきにくく、つまりファストフードの包装にとっては夢のようなものである。しかし我々の健康にとってはそれほど魔法のようなものではないかもしれない、と研究が示す。一部のフッ素化合物は食品に関連した使用は禁止されたがまだ使われているものがある、と新しい研究が明らかにした。
歴史的には最もよく使われていたのはPFC、あるいはパーフルオロ化合物とよばれるフッ素化合物のグループである。FDAは2016年に主に動物実験での健康問題との関連の研究後食品関連製品への使用を禁止した。しかし同様のハザードとなるかもしれない他のフッ素化化合物については禁止していない。Environmental Science & Technology Lettersの新しい研究http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.estlett.6b00435によるとそれらは広く使用され続けている。
できること
これまでの研究でフッ素化化合物は、食品の温度やどのくらいの時間包まれていたかによって包装材から食品に移行する可能性がある。捨てた包装から環境中に出る可能性もある。ファストフードを食べるときに暴露量を減らすには包装から速やかにとり出す、あるいは紙コップなどの他の包装で出してもらうことができる。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20161122#p7http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20170202#p6の件
紙コップというのはもと論文が紙コップからは検出されないと言っているため。紙コップは脂入れないだろうから。普通のアメリカ人にとってはファストフードの包装紙から溶出する成分よりファストフードそのものの食べ過ぎのほうが問題だとは思うけれど。BerkeleywellnessはEWGと仲良し。)

  • 残酷な融合:若い男性の死亡が小児がんについて意味するもの

Cruel fusion: What a young man’s death means for childhood cancer
Heidi Ledford 28 March 2017
http://www.nature.com/news/cruel-fusion-what-a-young-man-s-death-means-for-childhood-cancer-1.21723
エピジェネティックについての発見ががん生物学者を悩ませている融合タンパク質への新たな関心を呼ぶ
息子のMaxががんと診断された日、Ariella Ritvoは病院の病理研究室に駆け込んで自分の目で確かめさせるよう要求した。Ariellaはそれから彼女とMaxが9年戦うことになる、顕微鏡スライドの青く染まった細胞の中の敵を拡大した。Ewing(ユーイング)肉腫とよばれる希な小児がんである。あらゆる手段を尽くしても、がんは彼の命を奪った。全てはかき混ぜられたタンパク質のせいである。他の多くのユーイング肉腫同様、Maxのがん細胞は偶然くっついてしまった二つの遺伝子を含む。それが作り出す融合タンパク質EWS–FLI1はめちゃくちゃに暴れるキメラで、数千の遺伝子の発現を変える。
融合タンパク質は脳腫瘍から白血病まで、小児がんでよく見られるテーマである。そしてMaxの苦闘は若い患者でのその戦いの困難さを強調する。病気は激しい傾向があり、その戦いに使われる化学療法は厳しいものになる。小児がん一般を研究するのは、それが珍しことと子どもでの実験の倫理的問題から困難である。そして最も困難なのは最も明確な攻撃対象である融合タンパク質が非常に変わりやすい標的であることである。
しかし研究者は希望を持っている。EWS–FLI1のような融合タンパク質の多くが遺伝子の発現をコントロールする細胞のメカニズムに相互作用することがわかってきた。これらエピジェネティックコントロールが現在成人のがんで急発展している。
以下研究に多大な貢献をしたMaxのがんの話。
(こんな状況でもベジタリアンなので彼の細胞を使った実験動物が死ぬのを困惑したりしている)

  • なぜがんの研究をしているのか忘れないように

Remember why we work on cancer
Levi Garraway 28 March 2017
http://www.nature.com/news/remember-why-we-work-on-cancer-1.21707
Levi Garrawayが困難なときでも彼の羅針盤を維持するための3つのことを示す
私が最初に科学の虫に咬まれたことを認識したのは1987年の夏のことだ。失敗ばかりの有機化学の反応に悩みながらラボから帰宅する途中で、19才の脳に突然閃いたのだ。人体の全ては化学反応で病気は究極的には反応に分解される。私はそのメカニズムを理解することに人生を使おうと決めた。ほとんどの科学者がそんな瞬間を覚えているだろう。だから大学や企業で、特に生命医学で、有名雑誌に載る研究の多くがインチキだというシニカルな見解がますます増えていることを悲しく思う。
結果として私の過去の研究が予期せぬほど厳密に精査されている。私のチームの研究が再現性プロジェクトの課題の一つである。こうした経験から、科学者はどうやって我々の仕事を信頼できるのかを考えるようになった。そして質の高い科学研究を構成する3つのR−rigour厳格性, reproducibility再現性 そして robustness頑健性−を考え抜いた。これらのことは最初に科学者になろうと思った理由を思い出させる。
(以下項目毎に説明
例えば「最も危険な結果はあなたが望んでいたものである」。時期尚早にエキサイティングな解釈を信じることはその後一連の間違いをおこす原因となる。)

  • 如何にしてトランプはオバマ時代の気候のための規則を消し去ろうとしているのか

Natureニュース
How Trump plans to wipe out Obama-era climate rules
Jeff Tollefson 28 March 2017
http://www.nature.com/news/how-trump-plans-to-wipe-out-obama-era-climate-rules-1.21726
大統領はEPA発電所からの炭素排出量制限を元に戻すよう命令した
石炭との戦いを終わらせ、石炭を燃やす。3月28日に大統領命令に署名した。
ただし多分訴訟がおこる。

  • 研究が鉛暴露の長期影響を示す−ニュースから

SMC NZ
Study show long-term effects of lead exposure – In the News
March 29th, 2017.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2017/03/29/study-show-long-term-effects-of-lead-exposure-in-the-news/
Dunedin総合的健康発達研究のデータによると、子どもの頃の鉛暴露は認知機能、IQ、社会経済的地位の低さと関連する
JAMAに発表された研究は1972-73年にDunedinで生まれた1000人のコホートを追跡した縦断研究のデータを用いた。38才でまだ生きている人のうち約半分が11才の時に鉛の検査をしている。有鉛ガソリン由来の鉛暴露は均等にコミュニティー全体に広がっていたため、全ての社会経済的地位の集団にみられた。38才で、子どもの時の鉛濃度が高かった人は平均でIQが4.25ポイント低く、自分が子ども頃のスコアより下がっている。また親より社会経済的地位の低い仕事に就いている。この研究の副主任であるTerrie Moffitt教授は、このデータは子どもの血中鉛濃度が高いのが普通の時代のデータである、という。この研究はニュージーランドが1996年に有鉛ガソリンを禁止したことが如何に将来を見越したものだったかを示している。現代のニュージーランドの子ども達の鉛濃度は低い。しかしこの研究は環境汚染物質についての監視を維持することが重要であることを示す。
以下各種メディアへのリンク
(日本が有鉛ガソリンを禁止したのは1986年らしいのだが。1996年ってオーストラリアの2002年より早いということかな。鉛については日本は建物も古いのがないのでとても優秀)

SMC NZ
Nicotine e-cigarettes legalised – Expert Reaction
March 29th, 2017.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2017/03/29/nicotine-ecigarettes-legalised-expert-reaction/
Nicky Wagner保健副大臣がニコチン電子タバコの販売を合法化すると発表した。年齢制限18才以上、屋内労働環境など禁煙区域での吸入禁止などの管理も含まれる。SMCは専門家の反応を集めた。
Massey大学公衆衛生学部Marewa Glover准教授
禁煙場所での吸入禁止について不幸な混乱がある。喫煙と吸入は同じ危険ではない。
伝えたいことは、タバコの代用品としてニコチン電子タバコを買うことができるようになるだろう、しかし喫煙が禁止されている場所では吸入できないだろう。そして禁煙区域は拡大していくだろう。
オタゴ大学ASPIRE 2025共同会長Janet Hoek教授
心配しているのは電子タバコが広く入手できるようになってしまうことである。
オタゴ大学とオークランド大学の研究者らが共同で提出した提言では、現状維持でも販売場所を制限しても喫煙から吸入に移行するだろう。
オタゴ大学公衆衛生学部Tony Blakely教授
政府の発表は、電子タバコにタバコと同様の制限をつけるという賢明なものである。電子タバコがタバコより害が少ないのは確かだが、長期使用についてはわかっていない。従って合法化には注意深いアプローチが必要である。

  • 「社会的猫」は矛盾した表現ではない

'Sociable Cat' Is Not An Oxymoron
By Ruth Kava — March 27, 2017
http://www.acsh.org/news/2017/03/27/sociable-cat-not-oxymoron-11053
犬は暖かくてフレンドリーで人と一緒に過ごすことが何より好きであることを我々は知っている。一方猫はそれより冷たいという評判である。多分、独立していて訓練できなくて人より家につくからだろう。で最近の研究で猫は我々(特に猫嫌い)が思うよりずっと人が好きであることが示唆されている。
(研究の紹介、略)
ところで、これが公衆衛生と何の関係がある、と思うかもしれない。多くの研究がペットを飼うことは人生のストレスを軽減できると指摘している。そしてこの研究はそのペットに猫も入ることを支持する。だからもし健康のためにペットを飼うことを考えているのなら、フレンドリーではないという根拠のない評判を理由に猫を選択肢から外さないように。
(健康のためにペットを、という文脈でサービス充実させられないかなぁ。高齢一人暮らしに猫は最良の伴侶だと思うのに、譲渡会では譲ってもらえない・・。引退した盲導犬を引き受けるみたいな制度がペットでもあればいいのに)