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ANSESはネオニコチノイド代替手段の評価のための方法論を発表する

ANSES publishes its methodology for the assessment of alternatives to neonicotinoids
Published on 21/03/2017
https://www.anses.fr/en/content/anses-publishes-its-methodology-assessment-alternatives-neonicotinoids
「生物の多様性、自然、景観の回復のために」という法令の実現の一環として、ANSESは化学物質及び非化学物質の代替品と比較して、ネオニコチノイドを含む農薬のリスクと利益の比較評価を行うよう農業省から正式な要請を受けた。また健康、環境、生物の多様性担当大臣からヒトの健康に関するネオニコチノイドの影響の評価も行うよう求められた。本日、ANSESはこれらの製品の代替手段を同定し、その効果と使用可能性を比較するために開発された方法論を発表する。2017年末までにこの暫定的な意見に、全てのネオニコチノイドの既存の使用やネオニコチノイドの全有効成分の代替管理方法のヒト健康影響効果、リスクの同定に関する追加作業が続く。
2016年8月8日の「生物の多様性、自然、景観の回復のために」の法令第125条で、2018年9月1日以降有効となるネオニコチノイド類由来有効成分を含む農薬とその製品で処理された種の使用禁止を規定している。この法令は、ANSESが用意した代わりの製品や代替方法での製品の使用に関する利益とリスクの比較評価に基づき、2020年7月1日まで免責が保証されることも定めている。この法令では、この評価が環境、特に受粉媒介者、公衆衛生、農作業に関する影響を分析する必要があると規定している。
これに関連して、2016年3月にANSESは、化学物質及び非化学物質の代替品と比較して、ネオニコチノイドを含む農薬のリスクと利益の比較評価を行うよう農業省から正式な要請を受けた。
この要請は3つの分野をカバーする多様な質問からなる:農学(害虫の影響−代替品の同定、効果、利用可能性)、ヒト健康と環境へのリスク評価、農業への影響評価。
ネオニコチノイド製品と比較して、これらの代替品の同定とその効果や操作性を比較する現在入手可能な妥当性を評価された方法論はない。本日、ANSESは事例研究:ブドウの木のヨコバイに関するネオニコチノイドの使用に関して有効な、この質問に答えられる方法論を発表する。
採用される方法論には3つの目的がある:(i)作物の標的生物の有害性を評価すること、(ii)作物保護のための代替管理方法を同定すること、(iii) 同定された方法の効果を評価すること。
ANSESはブドウの木のヨコバイを処理するのに利用できるネオニコチノイドを含む製品をリストにすることから始め、それらが既に使用されているかどうか、あるいはまだ研究中かどうかにかかわらず、その後この処理の代替手段を同定した。これらのデータを補うために公聴会が行われた。
採用された分析グリッドは一貫して、4つの基準に基づいてネオニコチノイドの使用のそれぞれの代替管理方法を体系的に比較するのに使用される:検討された各方法の有効性、操作性、持続可能性、実用性。
ANSESは、ネオニコチノイドのすべての使用にこの方法論を適用し、同定されたすべての代替品のヒトの健康、環境(特に花粉媒介者)、農業への影響評価作業を継続している。
ヒトの健康に関するネオニコチノイドの影響については、2016年4月にANSESは健康、環境、生物多様性担当の省庁から「農薬あるいは殺生物剤製品として国家レベルで現在認可されているすべてのネオニコチノイド製品のヒトの健康に関する詳細な専門家評価の実施」に対する正式要請も受けた。
この作業結果は2017年末までに発表される予定である。