食品安全情報blog過去記事

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パーおよびポリフッ化アルキル化合物(PFAS)

オーストラリア保健省
Per- and poly-fluoroalkyl substances (PFAS)
Page last updated: 03 April 2017
http://www.health.gov.au/internet/main/publishing.nsf/Content/ohp-pfas.htm
オーストラリア政府の医務部長Brendan Murphy教授がFSANZが食品中のパーフルオロ化合物について発表したことを公表した。
PFOSとPFOAの暴露を評価するオーストラリアガイダンス値
Australian guidance values for assessing exposure to perfluorooctane sulfonate (PFOS) and perfluorooctanoic acid (PFOA)
03 April 2017
http://www.health.gov.au/internet/main/publishing.nsf/Content/mr-yr17-dept-dept006.htm
PFASに暴露された可能性のある人のためのTDI を決めるためのFSANZによるレビューの結果が発表された。
PFASは1950年代から工業プロセス、広範な家庭用品、一部の泡消火剤で使用されてきた。オーストラリアでは泡消化剤への使用が、使用した後の土地にPFAS汚染があるため環境上の懸念として提示されてきた。
2016年6月にenHealthが飲料水や娯楽用水のPFASの健康ベースのガイドライン値の設定についての海外のアプローチをレビューし、EFSAのガイダンスをもとに暫定値を助言した。この値は2016年8月にAndrew Bartholomaeus教授の行ったレビューにより適切で公衆衛生を守っていると確認された。
2016年6月に連邦保健省が最終健康ベースのガイダンスを設定するのにFSANZの関与を求めた。FSANZの評価はファーマコキネティックモデルアプローチを用いオーストラリアの文脈で最も適切なパラメーターを用いたものでオーストラリア保健大臣助言委員会(AHMAC)がレビューしオーストラリア健康保護基本原則委員会(AHPPC)が承認したものである。この報告書でFSANZはオーストラリアの場所の調査のために新しいenHealth が採択した暫定値より低いTDIを助言している。
TDIは、毎日一生涯に渡って食品や飲料中に存在する化学物質を飲み込んでも消費者に感知できるリスクとならない量のことである。
新しい助言値は、モデルの方法が同じではないが米国EPAの値に近い。FSANZは独立してこの値を導出し国際専門家のピアレビューを受けた。
FSANZは大きな安全性マージンをもち適切なそして公衆衛生を保護する値を薦めた。
新しいTDIはPFAS汚染のある地域の調査のために使われるだろう。これによりいろいろな地域で、特にヒト健康リスクを評価する場合には、一貫したアプローチが保障されるだろう。
PFAの暴露がヒトに有害な健康影響があるという一貫した根拠がないため、これら新しいTDIは予防的対策であることに注意することが重要である。
FSANZは汚染地域の食品摂取について助言をつくる際に調査機関や州政府を援助するガイダンスを含む食事暴露評価も行っている。
さらにFSANZはこの段階では食品の規制は薦めていない。
オーストラリア政府はPFASの暴露をめぐる不確実性が問題のコミュニティーにストレスと不安を引き起こしていることを認識し、コミュニティーの懸念に対応している。
保健省は以下のような各種の州や地域保健当局による活動に資金を提供している
・Williamtownと Oakey地域での追加の専用メンタルヘルスおよびカウンセリングサービス
・任意のPFAS血液検査。検査前後の医師による相談を含む。ただし血液検査は診断や予防のためではなく患者の管理にとって有用な情報でもない。暴露削減対策が成功したかどうかにはプールした地域の検体を経時的に監視することが役立つだろう。
・疫学研究

Australian guidance values for assessing exposure to perfluorooctane sulfonate (PFOS) and perfluorooctanoic acid (PFOA)
3 April 2017
http://www.health.gov.au/internet/main/publishing.nsf/Content/ohp-pfas-hbgv.htm
FAQや報告書等多数の文書有り
PFOS/PFHxSについては
TDIは20 ng/kg bw/d
飲料水品質基準は 70 ng/L
レクリエーション用水質基準 700 ng/L
PFOAについてはそれぞれ
160、560、5600

PFOSの毒性のエンドポイントはラットの生殖毒性試験で親の体重減少と子どもの体重増。NOAELの血清中濃度をヒトでの相当量(HED)に換算し不確実係数30を使った
PFOAについてはマウスでの生殖発達毒性試験での胎児毒性のNOAELにPFOS同様の換算と安全係数を使った。
ヒト疫学データは使えない

(EFSAはPFOSのTDIを 150 ng/kg体重/日、PFOAは1.5 μg/kg体重/日とする
EPA飲料水中健康助言レベル70 ppt(PFOSとPFOAの合計))