食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 赤ちゃんは英国、カナダ、イタリア、オランダで最もよく泣く

Babies cry most in UK, Canada, Italy & Netherlands
3-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/uow-bcm033117.php
Warwick大学の新しい研究によると、赤ちゃんは他の国より英国、カナダ、イタリア、オランダでより多く泣く。
心理学者達が世界初の、最初の三ヶ月での赤ちゃんの泣く正常な量の世界チャートを作った。
平均で、世界中の赤ちゃんは最初の二週間は一日当たり2時間泣き、6週でピークを迎えて2時間15分、12週までには減って1時間10分。
デンマーク、ドイツ、日本の両親は泣いたりぐずったりするのにつきあう量が最も少ない
The Journal of Pediatrics
(泣いたら放っておけないだけでは・・)

  • WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization
Volume 95, Number 4, April 2017, 241-312
http://www.who.int/bulletin/volumes/95/4/en/
ニュース・健康ジャーナリズムに事実に基づいたアプローチを呼びかける運動
米国のジャーナリストで、医療や健康に関するニュースを報道する際には事実に基づいて倫理的に、とよびかけているGary SchwitzerにFiona Fleckがインタビュー。彼は2006年に米国の健康や医療のニュースの質を監視するHealthNewsReview.orgを立ち上げた。2013年からはミネソタ大学公衆衛生学部学長付き非常勤准教授(Adjunct Associate Professor)。多数の活動をしている。
Q:どうして公衆衛生に興味をもった?
A:25年以上前、一人のニュースレポーターとして、私は他のジャーナリストがやっていることに盲目的に従いたくはないのだと認識したことを覚えている。私は新しい治療法や検査法や製品についての宣伝文句をそのまま報道したくなかった。我々ジャーナリストにとってそれはそれは簡単で、その日のニュースになる。しかしあまりにもしばしばそれは実際に何がおこっているのかを見つけるために探るというよりも製薬企業やその他の関係者によって甘やかされたメッセージを受け入れている。私は健康や医療や医療政策にとってもっと重要なことに集中したかった。
Q:何故ジャーナリスト達はこの状況を受け入れている?
A: ジャーナリスト達はニュースを大量生産するための時間が足りなくて広告や広報メッセージの餌食になりやすい。報道競争に勝たないといけないと信じていて背景を探ったり事実をチェックしたりする時間がない。しばしば彼らには広報プレスリリースを評価するための知識やスキルがない。競争が激しくジャーナリストは注目されるためには報道はセンセーショナルである必要があると考える
Q:「ポスト真実」や「オルタナティブファクト」が正しくない信頼できない情報を発信することのファッショナブルな表現になった。でもこれは医療情報報道において本当に新しいことだろうか?
A:私のキャリアの中で、我々は医療報道における大きな変化を1980年代半ばの米国で見ている−多分他の国でもそうだろう−特に私が三大テーマと言っているAIDS、アルツハイマー病、人工心臓についてのニュースで。それに流されるのは簡単だった。突然劇的ブレイクスルーについての大きな主張が一面や雑誌のカバーストーリーやネットワークテレビに現れた。私が1990年にジャーナリズムを離れてDartmouth医科大学の研究者と一緒に新しく診断された患者にその治療法の決定についての悩みについてインタビューしたとき、明らかにメディアは彼らの役にたっていなかった。ジャーナリズムの学校で、我々は聴衆を常に意識して、現実の人々のことを考えるべきだと教わった。そうでなければ効果的コミュニケーターにはなれないと。医療ジャーナリズムは必ずしもこのことを反映していない。それどころか人々が健康問題を理解するのに役立つことのない派手な、セクシーな、劇的な宣伝をしている。
Q:何故?
A:一部の世界ではニュース経済はスタッフが削減されている。編集や調査担当者が削られニュースの質を下げている。レポーターはウェブから印刷物、動画、ソーシャルメディアまで各種フォーマットにニュースを作ることを期待されている。2000年代のデジタル革命以降新聞の発行数は減っている。ニュース機関はオンラインでのプレゼンスを求めクリックを求める。大学や雑誌もまたメディアへの露出を求めて競いプレスリリースをセンセーショナルなものにしている。これら全ての中で我々は読者の関心という視点を失う
Q:オンラインメディア革命以降、読者はニュースについてオンラインで議論できるようになっている。このことがジャーナリストがより読者のニーズに反応しより説明可能になることにつながらなかったのか?
A:もしジャーナリストが実際に読者とオンラインフォーラムで意見交換していたら、より反応するようになっただろう。私の知っている多くのジャーナリストはオンラインのコメント部分は拒否している
(略)
Q:不正確な医療ニュースの帰結は?
A:「健康な心配性の人」を行動させ、医者に行かせ、不当な需要をかきたて効果の証明されていない介入を受けさせるよう薦める。病気の怖さを宣伝し健康な人を病気にし健康な人に不必要な治療を受けさせる。医師と話をすると、彼らが患者がメディアで見た根拠のない主張の嘘を暴くのにどれだけ多くの時間を費やしているか語る。不正確で、バランスが悪い、不完全な健康ニュースは人々に害をなしている。
Q:これらのメッセージがどうやって人々を傷つける?
A: HealthNewsReview.orgで誤解を招くメディアメッセージで傷ついた人々の話をオーディオポッドキャストで提供している。ある脳腫瘍の男性は画期的治療薬についての企業のプレスリリースを報道したメディアを見て期待したが、医者に話したらまだヒトに使える段階ではないと言われてがっかりした。乳がんの二人の女性は矛盾したニュースがあるとき、あるいはセレブが他の人にはあてはまらない治療法を決めたニュースを見たときに治療法を決めるのはどんなに難しいかを語った。編集者が人々を傷つけたいわけではないことは知っているが意図せずであっても現実に人を傷つけている。
(略)
Q:希望は?
A:健康リテラシーの改善の余地がある。例えば相対リスクではなく絶対リスクに集中すべきである。もっとやれることがある。

  • 小児のインフルエンザによる死亡の多くは予防接種をしていない子ども達:研究

Unvaccinated children account for majority of pediatric flu deaths: study
April 3, 2017
http://www.ctvnews.ca/health/unvaccinated-children-account-for-majority-of-pediatric-flu-deaths-study-1.3352354
CDCによる、2010年から2014年の6ヶ月から17才でインフルエンザで死亡した358人のうち291人の調査が完了した。インフルエンザ予防接種をしていたのはたった26%である。喘息などのハイリスク群が153人だったがその中でも予防接種していたのはたった31%である。全体として予防接種による死亡予防の有効性は65%である。Pediatrics.