食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

お茶が「認知症から身を守る」ことは証明されていない

Behind the headlines:
Tea not proven to 'shield you against dementia'
Friday April 7 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/04April/Pages/Tea-not-proven-to-shield-you-against-dementia.aspx
「お茶の時間ですよ!少なくとも1日2杯のお茶でいかに認知症を予防できることか。」とMail Onlineは報道している。このかなり楽観的な見出しは55歳以上の年齢の約900人の中国人を対象にしたシンガポールの研究について報道している。
この研究はお茶の摂取と認知症の発症の関連の可能性を捜した。認知症のリスクがお茶を飲む人において半減するということを発見した。しかし、結果を詳細に分析すると、この関連は1日に3〜4杯飲む女性でかつ特殊な認知症リスクの遺伝子を持つ人でのみ有意であった。
比較的大規模なサンプルにもかかわらず、72人しか認知症を発症しなかった。しかしお茶の摂取に応じてさらにこの数字を分割すると、分析は少人数になる。サンプルの規模が小さければ小さいほど、結果に影響を与える偶然のリスクが大きくなる。
また、関連に影響を与えうる他の健康やライフスタイル要因の調整をしているものの、お茶の摂取の直接的な影響を分離するのは常に難しい。
研究者はお茶の摂取の促進は脳には利点があるかもしれないと言うが、研究での知見結果を確認するためにさらなる研究が必要であるとも指摘する。
現在認知症を予防する保証された方法はないが、有益な公理は「心臓にいいものは脳にもいいものである」である。定期的な運動、健康的な食事、適度な飲酒及びタバコを吸わないことが認知症のリスクを減らすことに役立つ。