食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 絹の服は子どもの湿疹を改善しない

Silk clothing did not improve eczema in children
11-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/p-scd040317.php
英国ノッチンガム大学のKim ThomasらがPLOS Medicineに発表した研究。1-15才の300人の中程度から重症のアトピー性皮膚炎の子どもを標準ケアと標準ケアプラスアトピーに良いと主張されている絹の衣類の二つの群に無作為に割り付けた。6か月後、湿疹の重症度やQOL、医薬品などに差はなかった。
(高いものを売りつけようとしているだけでは)

  • 南アジアの喫煙率を減らすにはより高いたばこ税が必要、新しい解析が言う

Higher tobacco taxes needed to reduce smoking rates in South Asia, new analysis says
11-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/smh-htt040517.php
BMJ

Findings support role of vascular disease in development of Alzheimer's disease
11-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/tjnj-fsr040717.php
JAMAに発表された研究によると25年以上前に研究に参加した成人では、肥満や高血圧、糖尿病などの中年の血管系リスクの数が多いことと人生の後期での脳のアミロイド濃度の増加に関連がある。米国Johns Hopkins 医科大学のAtherosclerosis Risk in Communities (ARIC)-PET Amyloid Imaging Study。

  • Kaiser Permanente研究は「ワクチン躊躇」を減らす新しい方法をしらべる

Kaiser Permanente study tests new way to reduce 'vaccine hesitancy'
11-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/kp-kps040717.php
Health Promotion Practiceに発表された延久によると、予防接種の安全性に関する懸念から子どもの予防接種を飛ばしたり遅らせたりする「ワクチン躊躇」を減らすには、予防接種の価値を認めている親のボランティアを動員したポジティブな会話や宣伝によるImmunity Community(コミュニティに免疫をつける)が役にたつかもしれない。

  • 砂糖入り飲料を制限する戦略の一部は逆効果かも

Some strategies to limit sugary drinks may backfire
11-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/afps-sst041017.php
Psychological Scienceに発表された研究によると、砂糖入り飲料の最大サイズを制限する政策のもとで事業者が小さなカップでおかわり自由にすると、個人の摂取量が増えるかもしれない。
(そんなに飲むなと消費者に訴えるのは効果がないというのが前提なの?)

  • LSDの偶然の発見(動画)

The accidental discovery of LSD (video)
11-Apr-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-04/acs-tad041117.php
ACS動画シリーズ。
4月19日は自転車の日で、交通手段である自転車を記念するのではなくてスイスの化学者Albert Hoffmanが74年前にLSDを偶然発見した日である。Hoffmanは偏頭痛の治療に使われていたカビの化合物(バッカクのエルゴタミン)由来のリセルグ酸を安定化しようとしていた。結果リセルグ酸ジエチルアミン、LSDを合成した。その後偶然暴露されて幻覚を伴うめまいを感じた。そして1943年4月19日、もう一度自分自身で実験してみたところ自宅に自転車で帰るのに実験助手の助けを必要とした。これが記念すべき自転車乗りになった。
(そして1960年代の無責任で奔放なポップカルチャーを生み、ニューエイジにつながる。現在のオーガニックだのの「反権力」「オルタナティブ」を志向する文化が大麻などのドラッグと親和性が高いのもそのへんの系譜)

  • カイロプラクターは魔法使いではない。慢性腰痛については

Chiropractors Not Magicians When It Comes to Chronic Back Pain
By Amy Norton HealthDay Reporter Apr 11, 2017
http://mtstandard.com/lifestyles/health-med-fit/chiropractors-not-magicians-when-it-comes-to-chronic-back-pain/article_0e9e02dd-58a0-593d-beee-48cf34ed72e6.html
カイロプラクターが一部の腰痛緩和に役立つことはあるがその治療はOTC鎮痛剤を使用した場合より良いことはない、新しい解析が発見
JAMAに発表された26の臨床試験のレビュー。
Association of Spinal Manipulative Therapy With Clinical Benefit and Harm for Acute Low Back Pain  Systematic Review and Meta-analysis
http://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2616395
エディトリアル
The Role of Spinal Manipulation in the Treatment of Low Back Pain
http://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2616379
(というか急な腰痛に対しては何でも効果がある、つまりほっとけば良くなる場合が多い。それを治療の効果だと思わせるのが上手なだけで。)

  • 前立腺がんのPSA検診のベネフィットは概ねその害とイコール、専門家委員会が言う

Benefits of PSA test to screen for prostate cancer are roughly equal to its harms, expert panel says
http://www.latimes.com/science/sciencenow/la-sci-sn-prostate-cancer-screening-20170411-story.html
USPSTFが報告書で言う

USPSTF
意見募集
前立腺がん検診助言案
Screening for Prostate Cancer Draft Recommendation Statement
4/11/2017
https://www.uspreventiveservicestaskforce.org/Page/Name/us-preventive-services-task-force-opportunities-for-public-comment
意見募集は2017年5月8日まで
55-69才の男性でグレードC(害とメリットが同程度なので個人毎に判断、以前Dだったのでちょっとだけ上がった)、70才以上はグレードD(検診のメリットは害を上回らない)