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  • 何故微少藻類を摂取する?

Why Consume Micro-Algae?
by Jeanine Barone | June 01, 2017
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/why-consume-micro-algae
藻類は広範な、多様な生物グループで、地球の最も古い生命体の一つである。単細胞の微少藻類から海草や昆布のような大きなものまである。最近微少藻類がダイエタリーサプリメントとして(錠剤、カプセル、粉末)販売され「スーパーフード」と宣伝されてラテやスムージー、クッキーやチップスにまで添加されている。これらサプリメントは心血管系、消化器、認知、免疫健康増進、関節痛や月経前症状、花粉症の緩和、エネルギー強化など何にでも効くと宣伝されている。皮膚のシワを減らすとかその他加齢の兆候を減らすとまで想定されている。
最もよく知られている微少藻類の一つは緑藻に分類されるクロレラである。またかつては藍藻に分類されていたが今は細菌門のシアノバクテリアと考えられているスピルリナがある。サプリメントとして売られているものには舌を噛みそうな名前のAphanizomenon flos-aquae(AFA)もある。
微少藻類は天然には海や湖や池に存在し、一般的に大型水棲生物が食べることはないが、フードチェーンの必須の一部を構成する。ヒトにとって特別な栄養や健康上のベネフィットはあるか?
微少藻類に含まれるもの
微少藻類にはタンパク質、ビタミン、ミネラル、繊維が含まれるが、サプリメントに含まれる量は通常ほんのわずかから少量である。一部のクロレラスピルリナサプリメントにはビタミンC、K、ベータカロテン(およびその他カロテノイド)が良い量含まれるがカラフルな野菜や果物ほどではない。しばしばビタミンB12の摂取源と宣伝されるが藻類から良く吸収されるかどうかは明確ではない。他に植物ステロール、オメガ3脂肪酸EPAやαリノレン酸)、ガンマリノレン酸、オメガ6脂肪酸などを含む一連の興味深い化合物を含み、それらが抗炎症作用があると宣伝されている。一部のファンは光合成色素のクロロフィルが含まれるからと称賛する。しかし葉緑体が人体で何かをするという根拠はない。
クロレラスピルリナは他の多くのサプリメント同様、抗酸化作用がある、血中コレステロール濃度が改善すると宣伝されている。例えば2014年にNutrition Journalに発表された小規模な韓国の臨床試験で、あるいは別の2008年の韓国の試験で総コレステロールの僅かな減少や弱い血圧低下などが報告されている。これらの予備的研究は市販のサプリメントの途方もない宣伝を支持するものではない。
微少藻類の懸念とリスク
シアノバクテリアは飲料水や泳ぐ水を汚染するミクロシスチンやその他の毒素を作ることがよく知られている。大量だと病気になり家畜を殺すことすらある。藻類製品は管理されたプールで収穫されるが、水銀などの重金属を含む汚染物質汚染の懸念は残る。スピルリナは小規模研究を根拠に一般的に安全だとみなされている。数年間ヘルスカナダは広範な藻類サプリメントを検査し、他の卵巣製品には毒素を検出したが、スピルリナには毒素を検出しなかった。
妊娠中や授乳中の女性は、安全性データのない藍藻を避けるべきである。自己免疫疾患の人、血液凝固系疾患あるいは抗凝固剤を使用している人もそうである。
クロレラにはヨウ素が含まれる可能性があるのでヨウ素制限のある人は使用すべきでない。
基本
あなたは微少藻類を含む食品やサプリメントを必要としていない。利益(あるなら)とリスクを決める試験が必要で、微少藻類の長期使用にはリスクがある。たとえ毒素が含まれていなくても、だからといってあなたの健康に役立つと考えるのは飛躍がある。健康的な食事、特に野菜や果物、豆、魚から摂れる栄養のために微少藻類を摂る理由はない。藻類を食べたいなら海草がある。